日本語教師になるにはどうすればいいの?日本語教育能力検定試験とは?

日本語が話せるからといって誰でも日本語教師になれるわけではありません。日本語学校等の採用試験では、日本語の知識があること、そして日本語の教え方がわかっていること、が審査されます。そして、多くの日本語学校では日本語教師養成講座を420時間受けていること、あるいは日本語教育能力検定試験に合格していることが重視されます。ここでは、日本語教師になる3つの主な方法についてお話しします。

日本語教師養成講座420時間修了者

 日本語教師養成講座とは

日本語学校が教師を募集する際に重視する条件の1つです。そのため、この養成講座を受講する人は少なくありません。多くは1年から1年半で修了しますし、最短では半年で修了するというコースもあります。費用は教材込みで約500,000円から700,000円が一般的であり、カリキュラムとしては、多くが最初に理論を勉強し、それから実技、教育実習と進んでいきます。
もちろん、養成講座によってカリキュラムには多少の違いがあり、理論を重視する場所もあれば実技を重視する場所もあるなど、異なる特徴を持ち合わせています。しかし、文化庁が出している教育内容方針に沿った420時間のコースならば、あまりにも他と異なっているという事はありません。

 何を勉強するのか

420時間も勉強しなければならないと聞くと驚くかもしれません。先ほども述べたとおり、講座によって多少の違いがありますが、一般的には理論、実技、実習と進んでいきます。
理論では日本語の歴史や教授法、アクセントや発音、文法など、講義形式で日本語の基礎を勉強します。その後は実技でどのように教えるのかを学び、教授案を作成したり、実際に教える際の注意事項などを学んだりします。実習ではいうまでもなく、実際に教壇に立って教えます。
この3つの時間区分は養成講座によって異なります。例えば、ヒューマンアカデミーでは理論が62回、実技が36回、実習が11回となっていますが、千駄ヶ谷日本語教育研究所では理論が232時間、実技が82時間、実習が106時間と分かれており、重視されているものが違うということがわかります。

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日本語教育能力検定試験合格者

 日本語教育能力検定試験の概要

社団法人、日本語教育学会認定の試験です。多くの日本語学校では先ほど述べた、日本語教師養成講座420時間コースを修了しているか、この試験を合格しているかという条件を出しています。この試験は年に1回行われ、合格者数は受験者の4分の1以下で、合格率は約20%と言われています。試験形式としてはほとんどがマークシートですが、1部記述もあります。合格率が約20%ですから、司法試験等のような厳しさはありません。しかし、しっかりと勉強しなければ絶対に受かることもないのです。

 検定合格講座

日本語教師の仕事に興味があったとしても、近くに学校がないから420時間も授業を受けるのは難しい、せめて通信があれば良いのに、などと考える人もいるかもしれません。そんな時には、語学教材の中で最大手と言われる「アルク」が発売している教材、NAFL日本語教師養成プログラムがお勧めです。養成講座によって教材は違いますし、通学が一般的な学校の場合、通学することが前提となった教材が多くなっています。独学をする場合はどのようなテキストが良いのか、自分でしっかり見て確認するようにしましょう。

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大学日本語教育課程選考修了者

 大学の日本語科

日本語学校によっては条件に当てはまらない場合もありますが、大学の4年間をかけて日本語について勉強するという方法もあります。大学や大学院、公的機関で日本語教師になりたいと思う場合はこの経歴が必要になることが多いです。
大学を卒業してしまった後は420時間授業を受けたり、試験に合格したりしなければいけませんが、もしもこれから大学に行くというのであればこの方法も良いかもしれません。私も興味本位で学生時代に日本語科の授業を受講したことがあります。自分が日常的に喋っている言語の基礎から勉強できるため、面白い発見があります。

 修士以上の学歴が必要なケースが多い

大学で専門的に日本語の勉強するため、理論の知識が深まるという長所があります。その一方で、就職の際には修士号や博士号などの学歴がなければ厳しいとも言われています。
また、ただ単に日本語教師になりたいという場合には不向きかもしれません。大学に通うためには高額な学費が必要になりますし、いうまでもなく、大学院は2年間、学部は4年間の通学が必要になります。

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日本語に興味がある外国人は多い

近年は特に漫画の影響により、外国人が日本語に興味を持つケースがたくさんあります。日本と言えば世界的には小さな国ですし、日本でしか通用しないような言語に興味を持つ外国人がいるのかと驚きますが、実は、日本語は世界でかなり需要があります。
日本語教師というのはなかなか儲かる仕事ではないと言われています。ほとんどの人が非常勤講師として教えていますし、常勤であったとしても収入は月収200,000円前後と言われています。しかし、外国人と接するのが好き、日本語が好き、教えることが好き、などという人はぜひ考えてみても良い職業かもしれませんね。

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