n今、フランスだけでなく、ヨーロッパ中でとても流行りのヒゲメン現象について、今日は掘り下げてみます。但し、私はフランスに住んでいるので、あくまでもこの国に焦点を当てた主観的?な意見となることを前提で・・・。
街の至る所にバルビエ出現
さて、あまり毛深い方ではない日本人男性にとっては、少々とっつきにくい流行かもしれませんが、フランスではとても流行っているのです、このヒゲメンファッション。男性ファッションの主流となっているといっても過言ではないほどです。パリの道を歩いていると、大抵の男性は、口ひげもしくはあごひげを自慢気にたくわえたパリジャンたちがうじゃうじゃいます。それに伴い、パリに限らずフランスのどんな小さな町でも、街角のあちらこちらにヒゲ専門店、ですので当然男性専門のバルビエ(Barbier)が、キノコのごとくニョキニョキと出現しています。バルビエを日本語に訳すと、「理髪師」となるわけですが、理髪師というのはどうも古くさい感じがするので、フランス風のバルビエとします。(因みに英語だと「バーバー(Barber)」)
メンズファッションの最先端バルビエ
ネットで「バルビエ」と探すと、ありとあらゆる種類ののサイトを見つけることができます。しかし、よく見かけるそれこそフランスの3色国旗を掲げたような「赤・青・白」のクルクル棒看板の床屋ではなく、今風なモダンな店構えのバルビエで、まさに、メンズファッションの最先端という雰囲気です。女性であるわたしでさえ、思わずお世話になりたくなるような魅力的なお店ばかりです。さて、このヒゲメン流行がフランスに上陸したのは、2012年頃からといわれています。流行の元祖は、数十年前にオーストラリアでわき起こったMovember 運動がきっかけだそうですが、定かではありません。
男性用化粧品の売り上げ急倍増
しかし、どうしてなんでしょう?ほんの数年前までは、フランスではヒゲ男というと、「ダサい」、「不衛生」、「野蛮的」などというイメージだったのですが、今では、男性からはもちろん、女性からも大人気を集めています。有名な俳優はもちろん、テレビの人気アナウンサーやサッカー選手も、こぞつてヒゲを生やしています。長短はあるものの、どの男性もきちんと刈られた清潔な感じです。口ひげに至っては、ヒゲの先まで入念に手入れされ、形よく上品に鼻の下を飾っています。ただ単にヒゲを伸ばすのではなく、お金と時間をかけた入念な手の凝った顎や口ヒゲです。因みにこの流行に伴い、男性用化粧品の売り上げが急倍増しているそうです。
男性の社会的地位への危機感?
それにしても、私には少々理解しにくいのは、男性のイスラム教徒はみんなヒゲを生やしていますが、イスラム過激派のテロリストのように長く黒々としたあごヒゲをたくわえて、自慢気な男性も多々います。この背景には、昨今のフランス男性の社会的地位の低下にあるのでは?と私は感じるのですが、皆さんはどう思われますか?要するに、女性の社会・経済的独立が当たり前の現在(とりわけフランスでは)、次第に女性の地位が男性と変わらなくなってきて、男女の地位の差が社会的にみて薄くなったことに起因しているのでは、という見解です。(全く独断ですが) そこで、男性は少なくとも身体上確実に女性と差をつけることのできる要素、ヒゲを確保したいという想いがあるのではないでしょうか。
男性の女性化現象?
もっと掘り下げて考察すると、もしかして、男性の女性化が隠れている?なんて思いませんか?というのも、先の男性用化粧品の売り上げ倍増に例があるように、男性が女性のように自分の容姿を気にし、そのために時間とお金をかけるなんて、私にはとても女性的に映るのです。60・70年代のヒッピー族のようにただ単に髪の毛やヒゲを伸ばし放題なのとは違って、ヒゲの毛の先まで異常なまで神経を使ったヒゲメンたちを見ていると、このように感じるのですが、これって私だけでしょうか?因みに、日本でもヒゲメンって流行っているのですか・・・・・・?
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