幼児への英語教育には反対意見もある?「言語」として英語を学ぶために!

近年、英語教育というものが見直されるようになってきました。最近では小学校でも英語を勉強する機会ができましたよね。そして、幼稚園の頃から英語を勉強させるべきではないのかという声も上がっています。しかし、その一方で幼児に英語を勉強させるのはいかがなものか、という批判的な考えもあります。ここでは、そんな批判的な考え方についてお話しします。

幼児教育における英語

 専門家の中でも意見は様々

最近、小学校で英語教育が義務化されたということにより、英語教育への関心が高まっています。しかし、だからといって全ての人が幼稚園でも英語を勉強させれば良いと考えているわけではない、ということを最初に述べておきたいと思います。
確かに最近では0歳から英語を勉強させようとする人もいます。私にも今7カ月になる息子がいますが、ショッピングモールを歩けば早期英語教育のパンフレットを渡されることも少なくありません。しかし、家庭で子供に英語を勉強させるということと幼稚園で英語を勉強させるということはあくまでも別問題です。保育園であれば厚生労働省の管轄下にありますが、幼稚園というのは文部科学省の管轄下にあり、あくまでも教育です。確かに家庭で子供に英語を勉強させるということも立派な教育ですが、幼稚園で英語を勉強させるとなれば教育の一環として扱われることになるのです。

 必要な予算や人材

教育の一環として幼稚園でも英語を勉強させようとすれば、当然ながら新たな予算や人材が必要となります。それらが用意できるかどうかというものが幼稚園でも英語を教えるかどうか、という問題の焦点になります。
例えば、外国人講師を呼んで英語を教えてもらうとなれば、当然ながら人件費がかかります。そしてネイティブスピーカーに教えてもらうということになると決して安いものではない、という問題もあり、今の不景気な状態では、幼稚園で英語の教育を本格的に導入しようというのはなかなか難しい問題だといえます。

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幼稚園の先生に英語が教えられるか

 英語を言語として教える

最近、小学校で英語教育が義務化されたことにより、英語を教えるための資格というものが注目されつつあります。というのは、小学校の教員はすべての教科を教えることができますが、英語勉強していません。そのため、彼らは英語を教えることができないのです。
同様に、幼稚園教諭は教育者ではありますが、英語を知るための訓練を受けているわけではありません。先程、ネイティブスピーカーを招聘した場合はお金がかかるという話をしましたが、その予算を削るためには幼稚園教諭が英語を教えてあげなければいけないのです

 正しくない英語を教えても意味がない

よく、平日自宅にいると、近所の小学校から「はぅ あー ゆー?」「あいむ ふぁいん せんきゅー!えんどゅー?」と聞こえることがあり、苦笑いしてしまいます。このやりとりは日本の英語教育では一般的ですが、海外でこのようなやりとりがなされる事はありません。
ましてや、小学校から聞こえてくる英語は、発音が完全に日本語の発音なのです。英語と日本語というのは発音が違います。ですから英語を勉強させたいと思うのであれば、発音も教えていかなければいけません。しかし、グローバル化が進み、日本人も英語が話せなければいけないと言われる一方で、カタカナ英語を教えることに意味があるのか、という疑問が掲げられているのです。これも、幼稚園において英語教育は必要ないと言われている理由の1つです。
最近では、ディズニーの「アナと雪の女王」で話題となった曲、”Let it Go”が「レリゴー」として知られるようになりましたよね。個人的には、これもいかがなものかと思います。

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日本語と混ざってしまう可能性

 中途半端な英語

幼稚園と言えば、まだまだ日本語しっかりと覚えなければいけない時期です。そんな時期にカタカナ英語を覚えてしまったら、英語と日本語が混ざってしまうのではないかという指摘がされています。
生まれた時から様々な言語で子育てをすることにより、子供の母国語ができあがらない、どの言語も中途半端に覚えてしまう、という問題点が指摘されています。幼稚園の年齢の子供ならばすでに日本語が基本になっていますから、このようなセミリンガルに落ちる心配は無いですが、中途半端に英単語を覚えてしまうことにより、日本語の中に無理やり英語を混ぜてしまうのではないかといった懸念があるのです。

 カタカナが多い国、日本

そして、今の日本社会にはカタカナ用語がたくさんあります。テレビを見ていても、例えばテレビに出ている吹き出し等にとにかくカタカナが多い、意味が分からない、といった経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
例えば、政治用語でも、アセスメントやデフォルト、アライアンス、インサイダー、キャッチアップ、コミットメント、など、とにかく様々なカタカナ様が存在します。一昔前にはなかった用語もあり、最近では選挙の公約を聞いても意味がわからない、と思う人もいるのではないでしょうか。日本社会はすでにカタカナ用語が満ち溢れており、そもそも話をしている者同士がお互いをちゃんと理解しているのか、謎なところでもあります。
幼稚園の頃から英語を中途半端に勉強してしまうと、このようなカタカナが多い日本語にさらに拍車がかかってしまうのではないかという懸念が掲げられているのです。幼い頃に覚えた単語やその発音はなかなか正すことができません。だからこそ、日本語の中に英単語を混ぜてしまうような可能性のある事はせず、もう少し日本語をしっかりと覚えた後で英語を勉強するべきである、という考え方があるのです。

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英語は言語として教えるべき

英語はかっこつけるためのものではありません。しかし、あまりに小さい頃から中途半端に英語教えてしまうと、どうしても英語が競争道具になってしまい、いくつ単語を知っている、どのような表現を知っている、などという競争で終わってしまう可能性もあるのです。
英語は言語として教えなければいけません。ゲーム用語ではありませんし、もちろん競争するための競争道具でもないのです。だからこそ、英語を教えるのであれば周りがしっかりと環境を整えた上で教える必要があります。ただただ単純に「英語教育を始めよう」ということで「はぅ あー ゆー?」と言えるようにすれば良いというわけではないのです。

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