フランス生活20年!パリ通信!⑬フランスメディア(テレビ編)

フランスの地上波全国放送は、全部で27チャンネルあります。衛星放送を含めるととんでもない数になるので、今回はほぼ無料配信している地上デジタルテレビ番組について、いくつかをピックアップしながら紹介します。

国営テレビ フランス・テレヴィジョン

さて、フランスには国営テレビが8チャンネルあります。総合してフランス・テレヴィジョンFrance Télévisions グループとして成立しています。
France 2:主にニュース中心の全国総合テレビですが、映画やドラマなどもあります。
France 3 :地方ニュースも流す総合テレビです。前者に比べてローカル色に重点を置いています。クイズ番組も人気です。
France 4 :主にアート・音楽・カルチャーなどを中心にした教養番組です。
France 5:教育番組ですが、どちらかと言えば旅行や外国文化紹介などグローバルチャンネルという感じです。
Arte:仏独合体チャンネル ドキュメンタリー・映画・音楽・芸術など教養番組です。
La Chaîne Parlementaire : 国会放送チャンネル
France Ô : 主にフランス海外県をテーマにしたチャンネル
France Info:ニュース専門チャンネル

 国営テレビなのにコマーシャルがある

日本の国営テレビNHKにはコマーシャルは全くありませんよね。それが、不思議にもフランスの国営テレビにはちゃんとコマーシャルがあるのです。当時フランスに住み始めたばかりの頃、私はどうしても納得できず、友人と長々とこの点について議論したことがあります。友人の意見では、「フランスの国営テレビ局は受信料だけでは賄えないので、コマーシャル収入も必要としている」でしたが、どうも合点のいかない不満の残る結論でした。今でも、毎年秋に住民税を収める際に、テレビ受信料も同時に請求されるので、私はいつもぶつぶつ文句を言いながら、それでも仕方なく支払っています。

 仏独合体チャンネル、アルテ

さて、このように数多くある無料チャンネルの中で、私の最もお気に入りのチャンネルは、7チャンネル、ARTE アルテです。どちらかと言えば、マイナー?な映画(時には50年~60年代の昔懐かし白黒映画)やとても興味深いドキュメンタリーを放映する教養チャンネルですが、そんなにスノッブな雰囲気ではなく、とても質の高いチャンネルだと思います。何よりもプレゼンテーションがとてもアーティスティックで美しい。毎晩、さて今日はどんなテレビ番組があるのか探すとき、最終的には「今夜もやっぱりアルテ」となります。
前記でも紹介しましたが、アルテはフランスとドイツの共同出資でできたチャンネルです。1986年の仏独2ヶ国間会議の際、当時のミッテラン仏大統領とコール独主相の間で交わされた協定がそもそものアルテの始まりでした。ドイツ的な硬い粘り強さとフランスのオリジナリティーあふれる文化的要素が上手く合体した、とても上質な番組だと私はいつも感心しています。

民放テレビ

国営テレビのフランス・テレヴィジョン・グループと同じく、民放テレビも各々グループを形成しています。前記の民放テレビ(無料)18チャンネルの内、グループ配属は次の通り。
TF1 グループ:TF1, TMC, NT1, HD1, LCI (ニュース専門)
Canal ∔ グループ:Canal + (有料配信), C8, CNews (ニュース専門), CStar
*Canal +のみ有料なので別扱い
M6 グループ:M6, W9, 6ter
NRJ グループ:NRJ 12, Chérie 25
NextRadio TV グループ:BFM TV (ニュース専門), Numéro 23, RMC Découverte
Lagardère Active グループ:Gulli (子供向け番組)
Amauryグループ:L’Equipe (スポーツ専門)

 グループごとに分かれている民放テレビ

以上のリストから判断できるように、全部で27チャンネルある無料配信テレビ(TNT)の内、半分以上が民放テレビで、なおかつTF1グループが大幅に牛耳っている?というのがよくわかりますよね。しかしながら、アメリカから輸入された廉価な連続ドラマなどを放映するなど、TF1グループの番組の質に疑問を持つフランス人もいます。

 視聴率では民放チャンネルTF1がトップ

というわけで、フランスの民放テレビ(無料)は、全部で18チャンネルあります。視聴率では第1チャンネルのTF1がトップです。主に娯楽番組とスポーツ中継などが中心です。正直なところ、個人的には私はあまり好きなチャンネルではありませんが、若年層、特に思春期の子供たちに抜群の人気を博しています。特に「リアリティーショー」と呼ばれている種類の通俗番組?が軒並みの人気です。

  フランスのリアリティーショー

リアリティーショーとは、例えば、孤島に流れ着いた数人のグループは、さてどうやって生き抜いていくのか?などというサバイバル番組(Koh-Lanta)や、スターとカップルを組み 、毎週ダンスの勝ち抜き合戦を披露するショー番組(Danse avec les stars) などです。(因みに、私は一度も見たことがありません。)

テレビを見ないフランス人

さて、往々にしてフランス人はあまりテレビを見ない傾向があるようです。昼1時と夜8時からの全国総合ニュースは視聴率が高い方ですが、それ以外、私の経験では、フランス人がテレビにかじりついているという感じがしません。日本だと家族で食事をしながらテレビを見る習慣はごく普通ですが、このような光景はフランスでは稀な方です。

 テレビを隠す?

あるフランス人の友人から聞いた話しですが、1980年代頃まではフランスでは、テレビを見るという行為を恥じていたとのことです。「テレビを見て恥じる?」ちょっとピンこないかもしれませんが、要するに、当時のフランス人は、娯楽番組に没頭することを恥じて、テレビそのものをすっぽりと隠す家庭が多かったとのことです。それで、当時はテレビをわざわざ隠すための特別な家具があったそうです。今でこそ、そのような家具は無くなりましたが、テレビがひっそりと隠されていたなんて、フランスならではの話しですね。

フランスのテレビ番組

ところでフランスでは、日本のように芸能人を取り上げたニュースや三面記事を掘り下げたワイドショーのような番組は、ほぼ皆無です。それに引き換え、社会、政治問題などを喧々諤々と議論する討論番組の多さは、世界一ではないでしょうか?議論大好きのフランスらしい光景です。

 話題が外に向いているフランスのニュース

さて、次に多い番組はなんといってもニュース番組です。ここで日本ととても違うと感じるのは、ニュースの話題がフランス国内にとどまらず、フランス国外にも関心が向いているということです。ヨーロッパ諸国内の話題はもちろんですが、米国や先進途上国、とりわけアフリカ諸国や、現在(いつも)キナ臭い中近東諸国のニュースなどは、ほぼ毎日必ず紹介されます。世界で今何が起こっているのかを把握しようとするエネルギーは、並大抵ではありません。そういう意味では、グローバル化しつつある現代、とても大切なことだと思います。

テレビでわかる国の色

いかがでしたか?
フランスのテレビ事情でした。「テレビの内容でその国が解る」と言われるぐらい、意外にテレビはその国を知る上でなかなか手っ取り早い手段でもあります。これからフランスへ留学または転勤される方は、フランスのテレビ番組を見てみるのもいい手かもしれません。