海外での出生届!ビザやパスポートはどうする?

中国、北京在住です。この地で妊娠し、先日、長男を出産しました。赤ちゃんが生まれたら出生届を提出しなければいけませんよね。我が家は夫がベルギー国籍、私が日本国籍を有するため、ここ北京のそれぞれの大使館に長男の出生届を提出しました。ここでは、その時の経験をお話ししたいと思います。

在中国日本国大使館への提出

 出生医学証明の提出

中国の病院で生まれた赤ちゃんには、赤ちゃんの名前や出生日時、出生時の身長と体重、両親の名前等が記載された再発行不可の「出生医学証明」というものが病院から発行されます。そして出生届を出す時には、たとえ大使館に届け出るにせよ日本の市町村役場に届け出るにせよ、この原本を提出しなければなりません。

大使館を通じて届けると戸籍謄本に赤ちゃんの名前が登録されるまで1ヵ月ほどかかってしまうため、日本の家族に出生届を代理で市町村の役場に提出してもらうケースも多いそうです。先ほども述べた通り、日本の市役所でも出生医学証明の原本が必要になるため、再発行不可の書類を日本に郵送しなければなりません。

しかし、ここで問題が生じるケースもあるようです。赤ちゃんの中国ビザを取るためにもこの原本が必要なのでこの出生医学証明は市町村役場から返してもらわなければいけないのですが、日本の市町村役場は「また再発行してもらって下さい」というばかりで、1枚しかない出生医学証明書を返してくれないことが圧倒的に多いそうです。

そのため大使館からは「私たちは絶対原本をお返ししますから、できるだけ大使館を通じて届け出て下さい」と言われました。大使館の人の話によれば「市町村役場はお金を出せば何枚でも戸籍謄本等の重要な書類が取得できると思っているから/お金を出せば何枚でも手に入るというシステムに慣れているから、『再発行できない』という概念がない」とのことでした。

 出生医学証明の日本語訳

出生医学証明に書かれた漢字は日本人に分からないほど難しいものではありませんが、やはりこれは中国の書類であり、出生届などは日本に提出するわけですから、出生医学証明を提出する際にはその日本語訳が必要となります。

しかし、出生医学証明の記載内容は既に決まっているため、私は大使館より、赤ちゃんの名前など、必要事項を埋めるだけの日本語訳の書類をメールで送ってもらいました。これは日本らしい、合理的な方法だと思います。出生医学証明と言えど、赤ちゃんの名前や出生日時など書かれている事は既に決まっているわけですから、日本語訳の雛形が存在しているのです。大使館からは「出生医学証明に基づき、空欄を埋めてくださいね」と言われました。

 書類を事前に持参

出生医学証明以外に必要な書類は出生届だけですので、私たちは書類を最低限記入し、事前に大使館に持参しました。産後、出生届の提出は日本語が話せない夫の仕事になります。そのため書類に不備がないようにと、大使館が「一度持って来てもらえたらチェックするから」と気を遣って下さいました。

出生届には届出人について書く欄があり、私はそれを父親としていました。届出人は署名をする必要があり、大使館から「署名は日本語で」と言われていたため、父親である夫にカタカナで署名をさせるつもりでした。しかし、夫と2人で大使館に出向いたことにより、「ご主人の顔もわかりましたから、届出人のところはお母さんということにしてもらっていいですよ」と言っていただけました。実際は確かに夫が届け出るのですが、書類上が私が届けたことにして良いとのことだったのです。そのような配慮がとてもありがたかったです。

長男が生まれた後、長男の名前で出生届を書き直し、出生医学証明の日本語訳の紙にもしっかりと記入をし、スキャンを取って添付ファイルとして大使館に送りました。そこで最終チェックをしていただき、電話で話をし、翌日夫が提出しに行ってくれました。大使館の方が何度もチェックを重ねてくださったおかげで、夫が提出しに行った時は何の問題もなく、受理していただくことができました。

 大使館から言われて驚いたこと

日本で赤ちゃんが生まれた時は14日以内に出生届を提出しなければいけません。海外で赤ちゃんが生まれた時は3ヶ月以内に届け出をする必要があり、大使館からは我が家のようにハーフの赤ちゃんの場合、3ヶ月以内に届け出をしなければ日本の国籍の取得ができなくなると言われました。

むしろ、3ヶ月も経って出生届を提出しないような親がいるんですかと聞き返したところ、「実はたまにいらっしゃるんです」との事でした。びっくりです。しかし、おそらくハーフの場合、相手方の国に出生届を出せばそれで良いと思っている夫婦もいるのかもしれません。ちなみに3ヶ月以上経って日本国籍が取得できなくなった場合、日本に帰国してそこで生活し、家庭裁判所に申し立てをして認められれば、国籍が取得できるそうです。

また、これもハーフの場合ですが、2つの国に同じ名前で届け出を出すようにと言われました。我が家の長男は西洋の名前(ファーストネーム)と日本の名前(ミドルネーム)を持ちますが、日本はミドルネームが認められていないため、日本ではミドルネームとファーストネームをくっつけて届け出をしました。例えば女の子でファーストネームをシャーロット、ミドルネームを佳奈、にしたい場合、日本では名前を「佳奈シャーロット」或いは「シャーロット佳奈」として届け出ができます。

これに関しても、大使館から「日本とベルギーで違う名前を登録しないで下さいね」と言われました。例えば、日本では佳奈として届け出を出し、ベルギーではシャーロットとして届け出を出す、といった夫婦が実際にいるそうです。お互いの国で通用する名前を選んでいるのかもしれませんが、違う名前で届け出をするというのは常識的におかしいだろうと感じました。世の中には色々な夫婦がいますね。

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在中国ベルギー王国大使館

 出生医学証明書の翻訳を作成

日本では出生医学証明書の日本語訳は「空欄を埋めれば良い」というだけで基本的に最初から存在していましたが、ベルギーの場合はそうはいきませんでした。ベルギーの公用語はオランダ語、フランス語、ドイツ語ですが、夫の第一言語は登録上オランダ語になっているため、中国語をオランダ語に訳す法廷翻訳家に依頼し、出生医学証明書をオランダ語に訳してもらわなければいけませんでした。

この時点で既に日本語の手続きを終えていたため、出生医学証明なんて記載する内容は既に決まっているのに、翻訳家に頼まなければいけないなんていちいちオーバーだと感じ、なんて非効率的な国なんだと感じました。もっとも、出生医学照明の中国語は日本人ならば誰もが理解できる程度のものですが、ベルギー人にとっては全く違う言語ですから、そのような手続きが必要なのかもしれません。この翻訳は1通20ユーロ、約2650円でした。

 翻訳に公証・認証を受ける

出生医学証明は正式なものですが、この翻訳は正式なものではないため、公証を受けなければなりませんでした。公証とは「私文書に記載されている作成者の署名や記名押印が偽造されておらず、本人によって作成されたものに間違いないということを公的機関である公証人が証明すること」です。出生医学証明の翻訳は私文書ですから、その翻訳が確かに出生医学証明の内容と同じである、確かに法廷翻訳家によって訳されたものである、ということを証明しなければならなかったのです。公証は1通320元、約5400円でした。
その後、認証を受けました。認証とは公証人の署名及び押印が本物であるという確認です。認証は200元、約3400円でした。公証も認証も、どちらも1週間程度かかりました。この書類が揃い、初めてベルギー大使館に出生届を提出することができました。

日本大使館に提出する際にはお金もかからなかったのですが、ベルギー大使館に提出するための書類を揃えるだけで大金がかかり、国によってこんなに制度が違うのかと驚いたものです。ここまでで1万円以上かかっており、まだこれからパスポートとビザの取得に万単位のお金がかかります。

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パスポートとビザの取得

 パスポートの取得

出生届を出したら、今度はパスポートを取得しなければいけません。赤ちゃんといっても外国にいるわけですから、早急にパスポートを取得し、その国のビザを取らなければいけないのです。実は、今はまだパスポートを申請する直前ですので、ここから先は過去形ではなく、現在形、そして未来形になります。

私たちは、最初から長男にベルギーのパスポートでビザを取ろうと決めていました。日本でも良いのですが、日本の場合は戸籍謄本に登録されるまでに時間がかかり、さらに私の両親に戸籍謄本を中国まで郵送してもらわなければパスポートの申請ができないため、とにかく時間がかかります。それに対し、ベルギーならば出生届を出すまでには数週間かかるけれど、出しさえすればすぐにパスポートが申請できるというメリットがありました。

なお、海外に滞在しているわけでなければ新生児や乳児、幼児は親と同じパスポートを所有することができますが、海外に滞在している場合、それぞれにビザが必要ということで、それぞれがパスポートを持たなければいけません。そのため、長男も長男自身のパスポートが必要なのです。

ベルギーにせよ日本にせよ、赤ちゃんの場合は5年もののパスポートになります。新生児の時の顔写真で作ったパスポートを5歳の時に使ったら、入国審査や出国審査で本当に問題なく本人だと認めてもらえるのか、少し楽しみです。

 ビザの取得

パスポートが取得できたら、今度はビザを取得します。中国に滞在する人は、自分の国や大使館でビザを発行してもらい、中国に来てから1ヵ月以内に居留許可証というものを得なければいけません。中国に住む外国人の間に生まれた赤ちゃんが得るビザとは、この居留許可証になります。

長男はベルギーのパスポートでビザを取りますから、夫が公安局に出向き、出生医学証明書で長男との親子関係を証明することで、確かに中国国内で仕事をしている人の息子である、ということが認められればビザが取得できます。中国のビザ自体は複雑な事はありませんので、特に問題なく手続きができるだろうと思っています。

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二重国籍を持つならばパスポートは2つ必要?

長男は20歳になるまで二重国籍になります。確かに今回はベルギーのパスポートで中国に滞在するためのビザを取得する予定ですが、長男が私の戸籍に登録され次第、日本のパスポートも取得する予定です。

なぜならば、近々日本に一時帰国する予定があるのですが、長男が日本に入るときには日本のパスポートで入った方が融通が利きます。確かにベルギーのパスポートで入ることもできるのですが、ベルギーのパスポートで日本に入ってしまうとあくまでも長男はベルギー人として日本に入ることになってしまうのです。

今度一時帰国するときには、諸事情により転入届を提出するつもりです。その際は長男も一緒に住民票に入れる予定ですが、もしも長男がベルギーのパスポートで日本に入ってしまった場合、長男はベルギー人として扱われることになり、住民票に入ることができません。確かにその時点では長男の名前が記載された戸籍謄本もあるはずですし、確かに日本国籍を持つことは証明できるのですが、海外に拠点がある場合は「どこの国の人間として入国したのか」が大切になるようです。転入届を出すためにはパスポートに記載された「帰国日」が大切になるため、ベルギー人が日本に入った入国日ではなく、日本人が日本に帰ってきた帰国日が必要なのです。

ただし、そもそも日本に一時帰国しても転入届を出す必要がない場合などは、二重国籍を持つ人が外国のパスポートで日本に入国しても、特に問題はないようです。もちろん外国人として入国するわけですから、基本的には3ヶ月以内の滞在しかできません。しかし、それでも支障がない場合はパスポートを2つ持つ必要はない、という考え方もあるようです。

私もその点に関しては興味があり、いろいろ調べたのですが、中国は日本と同じく血統主義だそうで、中国人の親を持たなければ中国国籍は取れないようです。
その点、アメリカは出生地主義ですから、アメリカ国内で生まれさえすれば誰であっても国籍が取れるようですね。

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