私は5年ほど、アメリカに本社を持つ製造メーカで勤務をしていました。英語力はメールやちょっとしたコミュニケーションには困らない程度でしたが、大体TOEICで600点くらいだったと思います。関わった職務は、商品開発のマーケティングでした。私は日本で働いていましたが、日本国内では業務内容は主に営業と開発エンジニアとの橋渡しであり、製品の開発スケジュールと顧問のスケジュールがあっているか確認したり、業界の展示会準備をしたり、広報部と協力して製品のプレスリリースを勧めたりしていました。そのような中で、アメリカで開発する製品も多く、業務中は英語を使う機会の方が多かったのです。ここでは、外資系の企業で働いて築いたアメリカ人と楽しく働くコツについてお話しします。
英語力とコミュニケーション能力は比例するか
比例しない
私の英語力はTOEIC 600点くらいであまり高くはありませんでしたが、幸いにも、私はアメリカ本社の社員たちから良い評価を得ていました。
もともとアメリカに住みたいという目標があり、積極的に本社の人々と電話やメールで連絡を取り合っていたということもありますが、私は彼らとの意思疎通の方法を少なからず知っていたからだと思っています。
そのため、英語力とコミュニケーション能力は決して比例するとは言い切れないと考えています。もしも比例するのであれば、私の英語力では到底コミュニケーションができたとは思えません。
ディスカッションの重要性
基本的に、英語で痴話げんかができると英語のレベルはかなり高いと言われます。しかし、比較的海外では、痴話げんかというよりもディスカッションをするという認識で意見交換をしている印象があります。しかしその一方で、TOEICでハイスコアを取る人たちの中にもこのことを知らない人は多く、日本人で部長クラスの上司であっても、アメリカ本社に対して感情的になり、いつも喧嘩腰になってしまうような人が少なくはありません。
ディスカッションをするという習慣を知らないことにより、結果的にイエスマンになってしまって多くの仕事を抱えてしまい、体調を崩した同僚も少なからずたくさんいました。私はそのような反面教師を見ながら、出来る限り喧嘩腰にならず、ディスカッションでアメリカ本社の社員たちと関わるようにしていました。
学生時代の経験
学生時代、私はマンツーマンで英会話を習っていたことがあります。私が英語を学んだネイティブ講師は、日本人はすぐに他人の意見に同意することが良いと考えているが、英語圏では様々な国の出身者がいるから、どんなに仲が良くてもディスカッションをすることは当たり前である、ということを教えてくれました。この経験が仕事では大いに役立ったと思っています。
困っている人には手を差し伸べる
仕事の進捗状況を伝える
それ以外にも、私は何か困ったことがあったら躊躇せずに同僚と連絡を取り合い、助けを求めることがありました。自分が何を必要としているのか、何を助けて欲しいのかということを明確にすることにより、多くの人に助けてもらったと思っています。
また、私の同僚の中にも同じように、助けを求めたら必ず助けを得られる、という経験をした人がいます。このようにすることで、素直に自分の仕事の進捗状況を話すことができ、アメリカ本社の社員たちから高い評価を受けることができたと思っています。
手を差し伸べるのに立場は関係ない
当時、私はしがない平社員でしたが、そんな私を助けてくれた人の中には部長レベルの人思いました。シリコンバレーでもかなり高度な技術を持つエンジニアにも助けられたことがあります。
理系大学のエンジニア出身の私は、最初はアメリカでMBAを取得している人たちに苦手意識を持っていました。しかし、その人たちと一緒に仕事をしたり、助けてもらったり、逆に相手を助けることにより、彼らの仕事のスキルから学ぶことができ、今でも仕事ができています。
こんな要素もあるかも
アメリカ人は自分の仕事を他人に取られることを一般的に嫌います。しかし、私の場合は住んでいる場所が違うので、アメリカ人からすれば仕事をとられる心配なく教えることができたのかも知れません。また、私は彼らが知らないであろうアジアの情報を丁寧に伝えるように心掛けていたので、はからずもWin-Winの関係ができていたのかもしれません。
個人の人間性を見抜くことと白い歯の重要性
人間性を磨く努力
私がアメリカ人と接する中で失敗したと思っていることは、相手の人間性に応じて接し方を変える、いうことをしなかったことです。アメリカでは転職は日本より当たり前であり、様々な背景を持つ人が多いため、同じ会社にいても、仕事の仕方や信頼関係の築き方には個人差があります。
そのため、役職にはこだわらずに相手の人間性を判断し、また自分の仕事を助けてくれるのは誰か、ということを把握することも効率性を上げる上では重要です。
白い歯の重要性
アメリカ人にとっては、階級にもよりますが、白い歯の笑顔が重視されることがあり、歯の矯正や歯磨きには力を入れるという傾向があります。
私は銀歯が多く、歯を見せてしっかり笑えないということが常にコンプレックスでした。もしも将来は英語を話せるようになりたい、アメリカで生活したい、と感じているならば、虫歯ができても銀歯ではなく白い歯にこだわった方が良いと思います。
ディスカッションゲームをやってみよう!
私は学生時代に通っていた英会話学校で、ディスカッションのゲームをしていました。1つのテーマを決めて意見を言い合い、どちらが勝つかを単純に競うようなゲームです。日本の感覚では、ディベートに近いかもしれません。
そのテーマの中には、例えば「結婚したいか」「テレビゲームは好きか」など、イエス、ノーで答えられるものが多かったです。自分の意見を言い合い、相手の意見を聞くという姿勢を身に付けるために、良い経験となりました。そしてあくまでもゲームであり、決して喧嘩ではありませんので喧嘩腰になる必要はありませんでした。
この経験が後々、仕事をする際にもとても役にたったと思っています。
将来外資系の企業で働きたいと思う人は、ぜひこのようなディスカッションのゲームを日常的に取り入れてみてほしいと思っています。
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