中国のインターネット事情~VPNとWifiを使いこなそう!

私は現在中国に住んでいますが、中国のインターネット事情は非常に特殊なので時々頭を抱えます。中国のインターネット規制は世界的にも有名ですが、今回はどのような規制が行われているのか、また、中国の人々はどのように対応しているのか、という点について紹介したいと思います。

中国のインターネット規制

 閲覧できないサイトがある

中国でYouTubeやFacebookの使用ができないということは、もはや誰もが知ることだと思います。私も最初、中国に行く前は「YouTube、Facebook、Twitterが使えない」程度と単純に考えていました。私はFacebookユーザーなので、中国に引っ越しする前から色々と頭を悩ませた記憶があります。しかし、閲覧できないサイトはこの3つだけではありません。例えばGoogleやGmailも閲覧できませんし、実はそれ以外にも閲覧できないサイトがたくさんあります。

以前こちらの外資系の会社で入社試験を受けたことがありますが、その時の筆記試験はパソコンを渡され、「ここに書かれている英文を全て日本語に直して下さい。専門用語などはいくらでもインターネットで調べて結構です」と言うものでした。しかし閲覧できるサイトが限られ、さらにそれは開いてみなければわからない(普段できないサイトは開けない)ため、日本語訳そのものよりも検索に1番時間がかかってしまいました…

 回線が遅い時がある

中国で国際的な会議が開かれている時などは、全体にインターネット回線が遅くなることがあります。これはやはりインターネットによるサイバー攻撃などを防ぐための対策だそうですが、仕事をしていて「今日はどうやらインターネットの回線が遅い」と感じるときは、大体中国国内で、何かがが行われている時といえます。

例えば2015年9月4日には第二次世界大戦終結70周年を記念し、北京の天安門広場で式典やパレードが行われました。言うまでもなく、その時はインターネットの回線が遅くなりました。やはりこういった大きなイベントがある際は、セキュリティの観点からかインターネットの回線が遅くなるようです。いちいち厄介です。

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閲覧できないサイトを閲覧する方法

 VPNを利用する

どうすればFacebookなどの「閲覧できないサイト」を閲覧することができるのでしょうか。そのためには、VPNというバーチャル・プライベート・ネットワークが必要になります。インターネットをつなげると、IPアドレスというものが必要になりますよね。このVPNというのは、中国国内でインターネットを使用する際に、他国のIPアドレスを使用することによって電子機器にまるで他国にいるかのように錯覚させ、YouTubeやFacebookを利用することを可能にするネットワークのことです。無料のものもありますが、無料のものは政府から規制を受けることがあるためいつでも使えるとは限りません。もし長期的に中国に滞在する場合や中国でもインターネットをフル活用する必要があるという場合には、有料のものを購入する方が良いでしょう。

 VPNを購入する方法

VPNは基本的にインターネットで購入します。中国国外でパソコンやインターネット専門の店舗に行っても、中国のインターネット事情に詳しい人はほとんどいないでしょう。私は中国に来る前はドイツに住んでいたため、ドイツにあるインターネット専門のお店に行きました。しかし「他の国のIPアドレスを使うならば、中国とドイツは遠いから1ヵ月に200ユーロほど払わなければいけない」とよくわからないことを言われて終わりました。そもそもインターネットと言う仕組みを考えると、「距離があるからお金がかかる」と言う論理はおかしいのですが… その後、中国に住んでいる友人からお勧めのサイトを教えてもらい、インターネット上でVPNを購入しました。

 VPNを購入する場合のポイント

私たちが使っているExpress VPNは、1パック購入することで2つの電子機器にVPNをダウンロードすることができるため、それぞれスマホとノートパソコンで使用しています。1パックあたり1年間で98ドル(アメリカドル)です。また、VPNによってはIPアドレスが日本や香港と限られている場合もありますが、Express VPNは145カ国からIPアドレスの取得先を選ぶことができます。もしVPNの購入を考えるのであればこれも非常に重要です。そして何か質問があった場合、24時間オンラインで質問することができます。対応は常に早く、正確です。

2015年11月にはフランスのパリにてテロが起こりました。この後は、いろいろな国がテロを警戒するようになったせいか、IPアドレスの取得先としてフランス(パリ)を選んでいると、日本の金融機関のサイトは閲覧することができませんでした。おそらく日本の金融機関が警戒し、ブロックしていたのだと考えられます。

また、2016年3月に起こったブリュッセルの連続爆破テロの後も、同様のことが起こりました。IPアドレスにベルギーを選んでいると閲覧できないサイトが複数見受けられました。このような事情を考えると、IPアドレスの取得国家は複数ある方が安心です。ちなみに多くのVPNは香港と日本をIPアドレスの取得国家として選んでいます。

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街中で使える無料Wi-Fi

 スマホさえあれば、Wi-Fiが使える場所はたくさんある

日本ではまだまだ無料Wi-Fiが使える場所が限られていますが、中国には無料Wi-Fiが使える場所はたくさんあります。アプリが必要となることもありますが、バスやスーパーなどでも無料Wi-Fiを使えることが多いです。喫茶店やレストランではむしろWi-Fiが使えるということは当たり前で、もちろんインターネット回線の遅い早いはありますが、比較的Wi-Fiが利用しやすい国家だと思います。

しかし、この無料Wi-Fiを利用するためには電話番号を求められることがあります。自分の電話番号を入力し、携帯電話宛にSMSでパスワードが送られてきたらこのパスワードを入力して無料Wi-Fiに登録するというシステムが多いのです。機内モードにしているとSMSを受け取ることができませんから、海外の携帯を使っている場合は無料Wi-Fiをなかなか使うことができない可能性があります。

 中国のSIMカードを入手する

もしも長期的に中国に滞在するなど、携帯がインターネットに繋がらなければそれなりに不便になる場合、中国でSIMカードを入手することがおすすめです。中国のSIMカードはパスポートさえあれば誰でも手に入れることができます。そしてSIMカードそのものは無料です。ただし中国の携帯は、基本的に電話料金を前払いしなければいけないため、SIMカードだけを手に入れても使用することができません。購入したSIMカードを携帯に入れて、その携帯にお金をチャージして初めて使用することができます。とは言え、100元(約1,600円)もあれば1ヵ月は使用できますので、本当に電話料金はかかりません。ただし、日本の多くの携帯はSIMロックがかかっていますので、日本から持って行ったスマホにSIMカードだけを入れ替えて使用することは不可能に近いでしょう。もしも中国でSIMカードを購入するならば、日本でSIMフリーの携帯を購入しておくか、中国で携帯電話を購入する方法もあります。

中国のiPhoneは日本のそれよりも高いですが、それ以外のスマホならば1,000元(約16,000円)ほどから購入することができますので、長期的に中国に滞在する場合は決して損にはならない金額です。

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ネットがない生活は考えられない!

中国のインターネット規制は有名ですが、その規制を回避する方法に関しては意外に知られていません。今は中国在住の外国人も増えましたが、多くの人がこのインターネット規制に頭を悩ませています。さらにVPNを使うとインターネットの回線がさらに遅くなるため、それ自体がストレスとなる場合もあります。とは言え、今はインターネットがなければ生きていけない時代ですから、やはりうまく対応していかなければいけないと言えるでしょう。

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