フィリピンのセブ島で17年生活しています。独身時代にここにやってきてこちらの女性と結婚し、今は女の子と男の子と4人で生活をしています。結婚生活は15年になります。
私にとっては外国人とのコミュニケーションは当たり前のこととなりましたが、国籍が違う相手と結婚生活をするというのはなかなか大変です。ここでは、フィリピンの女性と結婚生活を送るにあたり大切なことについて紹介したいと思います。
日本人とフィリピン人の結婚とは
第二の人生を歩む
私は2000年に仕事でセブ島に赴任し、そのまま定住しています。こちらに来た時、私はすでに日本における日本人女性との5年間の結婚生活にピリオドを打ち、2年の歳月が過ぎていました。人生をやり直すにはちょうど良い頃合いだったのかもかもしれません。
歳の差結婚が多かった!
しかし、その当時の日本人とフィリピン人の国際結婚と言えば、日本に出稼ぎに来ていた若いフィリピン人の女性タレント、今でいうキャバ嬢とお客である日本人男性との出会いの中で生じるというケースが多く、20歳以上の歳の差結婚が主流だったと思います。今ではフィリピンへの語学留学、ベンチャー投資などが盛んになったこともあり、お店の中でのお客と接客担当といった半ば人工的なものから自然な出会いの中で生まれるカップルも増え、結果として歳の差も小さくなってきているように感じています。
そのような中で、日本人男性はフィリピン国内の共通語なり、その他フィリピンの地方言語、あるいはフィリピンでの旬共通語である英語が全くわからない中、フィリピン人女性が仕事上、必要に応じて身に付けた日本語を頼りにして結婚生活を送るケースが多く、ほとんどの場合、コミュニケーションに問題を抱えていたようにも思われます。
日本とフィリピンの経済格差
コミュニケーションに関して言えば現在もそのような傾向ありますが、特にフィリピン女性が日本人男性との結婚に踏み切る場合、日本とフィリピンの経済格差が大きく作用しているという事実も否めません。一昔前は、国籍や文化の違い、年齢差というものが経済格差という特殊事情により正当化されていたのです。しかし、やはり業者の愛情に基づいた関係という物を基本にしていない結婚の場合、その関係を維持するにはなかなかの苦労が伴います。また、昔も現在もフィリピン人男性と日本人女性の国際結婚はかなり珍しいようです。
日本とフィリピンの世代間ギャップの考察
フィリピンでは歳の差結婚は大歓迎
私は今50代で、家内は30代半ばです。16歳の年の差がありますが、これまでの日本とフィリピンの国際結婚の平均からすると、この年齢差は小さいようです。
また、経済格差によって年齢差を埋めるという力がある一方で、フィリピンの文化では日本ほど歳の差を気にしない傾向があります。実際に私の同年代の友人で運送業に携わっているフィリピン人男性がいますが、彼女の奥さんはまだ20代前半で、30歳近くの歳の差があります。まるで親子のようなものです。しかし、彼は「うちの嫁はラッキーだよ、だって俺と一緒になったことで夫と父親の両方を手に入れたんだから!」とよく言っています。日本人の感覚では意味がわからない気もしますが、まぁこういうことです。
歳の差が気になった事は無い
それはさておき、私たちの場合も出会ってからお付き合いを始め、結婚して15年間夫婦をしていますが、年齢差が気になった事は1度もありません。
ひょっとすると、日本とフィリピンの平均寿命の差もあるのかもしれません。フィリピンは男女とも60歳前後ですが、日本では80歳を超えており、その差は20年以上もあるのです。
彼女と出会った時、私は30代半ばを超えており、家内は20歳そこそこでした。彼女の雰囲気はとても大人びていて精神年齢がかなり上を行っていたため、当時フィリピンの文化がよくわからなかった私でも家内にアプローチするにあたって、躊躇のようなものは一切ありませんでした。実際に初めてデートをして初めて彼女の歳を確認し、本当に驚いたものです。
夫婦間に共通するもの
世代間ギャップがほとんどない
日本において年の差カップルを疑問視する意見の中には、例えばファッションや音楽の流行など共通の話題が見出せないのではないか、だからコミュニケーションが測れないのではないか、などというものがあります。
フィリピンという国の現状を見ると、昔から今に至るまでそうした面では例えばテレビ番組の人気者や流行の歌などそれこそ子供からお年寄りまで好きなものが共通しており、世代間ギャップというものがほとんどありません。
外国文化を受け入れる傾向
また、フィリピンの人は外国のもの、特に先進国のものを積極的に受け入れます。例えば私が若い頃に流行った日本のアニメが世代を超えてフィリピンの家内の世代に現地語に訳されたものが放映され、知ってるキャラクターがテレビに映っていたり、などということも少なくはありません。ですから共通の話題ができあがるのです。
また、笑いのツボやツッコミに世代間ギャップはありません。日常の些細なことで一緒に笑顔になれるという事は、幸福感に直結することですよね。
コミュニケーションは大切!
夫婦間のコミュニケーションと言えば、やはり体の相性も重要ですよね。日本では避けられてしまうような話題ですが、例えば夫婦において体の関係というのはとても大切なのではないでしょうか。最近の日本では相手の経済力や会社での立ち位置などが重視される傾向もあり、むしろ結婚と恋愛は別々だという考え方もあります。婚活というものが一般的になっていく中で、ますますその傾向が強くなっているように感じます。このような考え方はフィリピンではなかなか受け入れられないでしょう。
結婚はあくまでも恋愛の延長
フィリピン人にとって、結婚というのはあくまでも恋愛の延長線上にあります。特に一般階級の女性にとっては男性の経済力はあまり興味の対象となりません。ここの社会構造を考えるとよくわかるのですが、特権階級以外で学歴がない男性の場合、そもそもまともな職がないのです。そして日本人女性とフィリピン人男性のカップルが成立し難い要因かもしれません。
言い換えれば、フィリピンの一般階級においては女性の方が職を得やすく、収入も高い傾向があります。女性の方が男性を扶養するというケースも珍しくはありません。こうしたフィリピン女性が自分の気持ちを言葉にするならば、「あなたが私のことを愛してくれさいれば、私はあなたを一生食べさせてあげる」のような感じなのです。
日本人女性にとっては受け入れられないかもしれませんね。しかし、そうしたハートの部分が怪しいのに、経済面だけを根拠にして成立したカップルというのはうまくいくわけがないのと思います。かつてフィリピンでも、事実婚状態にあった女性が日本に出稼ぎをしに来て、かなり年上の経済力のある男性に言いよられ、それを受け入れて法律的な婚姻関係を結んだとしても、彼女たちは日本人男性から受ける援助を利用し、フィリピンで暮らしている事実上の旦那を助ける、ということもあったのです。大事なのはハートの部分、という考え方です。
家内と私の結婚生活の基盤
なかなか離婚はできない
先ほど「事実婚」「法律的な婚姻関係」という話をしましたが、実は結婚というのは非常に人工的なものであるということを感じます。実は、フィリピンでは事実婚というのは非常に多いのです。なぜならばカトリックという強い影響を受けているため、いちど結婚してしまうと弁護士を雇い、裁判で婚姻の無効宣言を勝ち取らない限り、事実上の離婚ができないという背景が存在したのです。だからこそ敢えて法律の婚姻をしないという状態になっているカップルもかつては多かったように思います。
とは言え、事実婚状態のフィリピン人の旦那を持つ女性が日本にやってきて、日本で効率的な婚姻を結んだとしても、どちらが彼女にとって本当の旦那なのか、という事は非常に明白ですよね。
私たちのケース
私たちの場合、当時の家内に私は結婚を前提にアプローチをし、半年ほどで家内も結婚しても良いと感じるようになってくれました。しかしその際、様々な問題があってすぐに入籍するということができなかったのです。そんな時家内は私が当時住んでいた家に押し掛けてきて、そのまま居座り、そこから仕事に出かけて自分の家には戻らない、ということをしました。そしてすべての結婚の準備が整うまでの約1年間、日本的に言えば事実婚か、同棲か、といった状態を保っていたのです。これが結婚生活として認められるのであれば、私たちの結婚生活は16年になります。
実をいうと、その1年間は子供ができてしまったという事でもなく、離れようと思えばいつでも離れられました。しかし、そのような状態を乗り切ったことこそ、今日まで続く正式な婚姻状態を継続させることができた基盤になっていると感じています。
小さな幸せを見出して喜ぶ
その秘訣に特別なものはありません。しかし日々楽しく、小さなことに喜びを見出して過ごす、ということが重要なのではないでしょうか。私はここフィリピンで半分フリーランスのような形で働いています。とことん仕事に没頭しなければならない状態になることも少なくありませんが、時間の使い方は自分の裁量次第であり、毎日毎日残業続きで家族と顔を合わせる暇もない、という状態ではありません。家族と顔を合わせる時間さえ取れないという状態は2週間ほど続いたことがありますが、それ以上継続した事はありません。
私自身は資産らしい資産もなく、今も借家住まいですが、ありがたいことに日々食べることに困るレベルではありません。10日に1度ほどは家族で外食をしても困らない位の稼ぎはあるつもりです。日本的な感覚で言えば、その外食などを惜しんで土地を買い、家を買うためのローンを組んで、となるのかもしれません。しかしこれはフィリピンの人の気性には合わず、もしもそんなことをすれば、おそらく私ではなくて家内の方がパンクしてしまうでしょう。家内の場合は日本人の中ではありえないことですが、育ちが良すぎて家にメイドさんがいるような状態で育った女性であるため、家事がかなり苦手で、特に料理にはほとんどレパートリーがありません。逆に私は昔から食べることが好きで、自分で料理することも好きなため、よほど仕事やら付き合いやらで追い込まれない限りは私が料理を作ることの方が多いのです。しかし、これは私がおいしいフィリピン料理を作れるというわけではなく、日本で普通に食べられるようなものを地元で購入し、作っているだけです。家内がそれを受け入れてくれるからこそできることです。
パートナーを認める
一般的に日本人は男女とも様々なことが同時にできるという傾向がありますが、フィリピン人に対してこれは期待できません。能力といいますか、できることに偏りがあるのです。うちの家内の料理もそうですが、できないとなったらとことんできませんし、それで一旦成人したら完全にそれで固まってしまい、そこから新しい能力を身に付けるということもまず不可能です。
また彼らはお金の管理が苦手です。私たちの場合は私が稼いできたお金を半年ごとに使い切られても構わない程度の固定額を生活費として家内に私、後は私が管理しています。私は日本人としてもお金の管理はかなり甘いですが、それでも家内に任せるよりはマシなのです。
賛否両論あるかもしれませんが、彼らの文化的な背景もあり、成人したものに対してそれ以上の能力を期待する事はなかなかできません。ですから相手をしっかりと認め、できないことをフォローするということが大切だと思います。
柔軟に合理的に、そして今を大切に
まず普通に良いコミュニケーションができること、結婚前に相性の良し悪しをしっかりと見極めておくことが大切だと思います。例えば笑いのツボが似ているか、食事の好みが合うか、なども大切です。そのようなことを基盤にお互いがお互いの国籍に固執することなく、どこまで柔軟に合理的に対応できるか、そして相手がフィリピン人ならば将来のために今を犠牲にするという考え方はほぼ受け入れられませんから、別格ぜいたく三昧の暮らしができなかったとしても、日々の暮らしに余裕を持つ工夫をし、小さな幸せを感じるということが大切です。例えば同じものを食べて、お互いにおいしいと思えたら幸せ、ということも大切です。
結婚が恋愛の延長であるような感じが強いですから、ときには子供抜き、夫婦水入らずで映画を見に行ったり、お茶を飲みに行ったりということも大切です。相手に欠けているものを責めてはいけません。いかにこちらがカバーしてあげるかといった積み重ねがフィリピン人との結婚をうまく活かせるためのコツになるのです。
コメントを残す