フランス生活20年!パリ通信⑫フランスのメディア(新聞)

一言にメディアと言っても、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどという媒体に加えて現代ではインターネットがあります。フランスにおけるメディアも例外ではありません。同じような媒体形態を通じて活動しています。
今回は現地より、フランスのメディア、特にペーパーメディア(新聞)に絞って紹介したいと思います。

フランス革命の落とし子「報道の自由と独立」

近代のフランスを語るとき、どのような部門においてもフランス革命の亡霊と向き合うことは避けられません。メディア部門においても然り。フランス革命のあった1789年に掲げられた世界人権宣言の中ですでに「思考と表現の自由」の下、「プレスの自由」が認められています。そして、その後1881年7月29日法によって「報道の独立」が完全に合法化されました。このようにフランスでは、フランス革命を機に、メディアの自由と独立が認められたのです。フランスのメディア界は、フランス革命の落とし子として生まれたと言っても過言ではありません。

 政治色の強いフランスのプレス

さて、フランスには全国日刊紙が30種類以上もあります。その中で主要全国紙は以下の通りです。
ル・モンド紙(Le Monde)、リベラション紙(Libération)、ル・フィガロ紙(Le Figaro)、レ・ゼコー紙(Les Echos)、ラ・トリビューヌ紙(La Tribune)、ルマニュテ紙(L’Humanité)、ラ・クロワ紙(La Croix)
さてここでおもしろいのは、各々の新聞は左派・右派という政治色がはっきりしていることです。日本では、確か朝日新聞はどちらかと言えば中道左派?、読売新聞は中道右派?というのが私の感想でしたが、どちらかと言えば、政治色を明確にすることはできる限り避ける姿勢が見られたような気がします。今でもそうでしょうか?
それでは、上記に掲げた全国紙の中から、各々の政治色を示すと以下の通りとなります。
ルマニュテ紙 (共産主義)
リベラション紙(左派系)
ル・モンド紙(中道左派)
ル・フィガロ紙(右派系)
レ・ゼコー紙 (無所属)
ラ・トリビューヌ紙(右派系)
ラ・クロワ紙(カトリック系すなわち右派)

 読んでいる新聞を見れば思想がわかる

ですので、フランスではその人がどんな新聞を読んでいるかで、ほぼ、どのような政治色の持ち主なのかがすぐに判明できてとても便利です。しかし、ここで少し補助説明を加えると、上記に掲げた全国紙を毎日読むという人はほとんどいません。フランスでは主にパリジャンたちがこのような全国紙を好む傾向にありますが、地方の人は、各々の地方紙にとても愛着していますので、一概には個人の政治色を決定することは地方では難しい気がします。
どちらにしても、フランスでは政治的な意味で自分の意見を持つことはごく自然なことで、少しでも気が合うと割りと簡単に自分の政治色を示します。また、左派右派に関係なく、お互いの意見を尊重し合うところは、個性を尊重するフランスらしい個人主義の世界だと思います。

イギリス留学!留学しただけじゃ英語は話せない!

2018.06.16

フランスの新聞購読

フランスには、日本のように新聞の月間購読、まして朝刊と夕刊と日に2回も購読するなんてあり得ません。まさに、フランスの新聞社にとっては夢のようなあこがれの世界です。しかも、新聞が毎朝、毎夕自宅まで配達されるなんてほぼ皆無です。では、フランス人が新聞を読むとき、どのように購読するかというと、街の至るところにあるキオスクで買い求めるのが一般的です。インターネットの普及に伴い、ペーパー新聞の今後の行方が少なからず問題になってきています。ましてパリなど主要都市で配布される無料の新聞(Metro, 20minutesなど) がかなり出回っている現在、各々の新聞社では頭の痛いところです。

 報道の自由度

2002年以降、毎年パリに本部をおく「国境なき記者団」が公表している180ヵ国を対象にした「世界報道自由ランキング」の今年の調査によると、フランスは39位、日本は72位となっています。2010年の鳩山内閣時代には、日本は11位と非常に好得点だったのに、残念なことです・・・。
さて、本題のフランスのメディアについてですが、意外にもフランスは欧州諸国の中では報道の自由度が芳しくありません。せっかくフランス革命から譲り受けた「報道の自由と独立」の国なのに、何とも恥ずかしい?ことです。https://rsf.org/en/ranking

 新大統領に期待

さて、当サイトの分析によると理由は次の通りです。
「総体的にはフランスのプレスは自由で、法によりその自由と独立が守られているが、各新聞社グループは、ジャーナリズム精神から離れたところに関心が集まっている。このような状況下では、同じ新聞社内に派閥を生み、報道の自由と独立、また経済状況の悪化を生み出している・・・。(中略)・・・・数々の反政府暴動が繰り返され、それを武力で鎮めようとする警察権力がジャーナリストにも影響したことと、今年の仏大統領選のキャンペーン中、ジャーナリストに対する政府と国民の不信が大きくなったことがこの度のフランスランキングの原因・・・・。」
と、最後に当サイトは締めくくっています。
新大統領の誕生とともに、フランスのメディア界にも新しい風が吹き込んでいるのかもしれません。

コロンビアで学んだ南米流コミュニケーションとは?自分の気持ちを伝える!

2018.06.29

自由であり続けて欲しい

いかがでしたか?フランスのメディア(新聞)についてでした。
メディアは、立法、行政、司法に次ぐ「第4の権力」と言われるほど、多大な影響力を持っています。しかしメディアの権力が強いという裏には、その国の民主主義の強さも意味するのではないでしょうか?今後、日本でもフランスでも、メディアの自由と独立があり続けることを願います。

フィリピンへ旅行するならセブ島へ!安全で魅力がいっぱい!

2018.07.04
   

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA