中国のコピー商品の変化はある意味おもしろい~正規品 → コピ ー 商品 → オリジナル派生商品

中国はコピー商品で有名ですよね。私が先日日本に一時帰国したときは、上海にできた「大江戸温泉物語」の話題が人々の関心を集めていました。日本側が「一切関係ない」と主張するのに対し、中国側は「日本が許可した」という証明書まで提出しています。
今回は、このような中国にどのようなコピー商品が存在するのかということを紹介します。

正規品をコピーした商品

 値段の違い

まず、中国には正規品の完全なコピーが存在します。その1番の例はレゴと言えるかもしれません。例えばレゴはスター・ウォーズのミレニアム・ファルコンやデス・スターなど、正規品ならば100,000円近くするような商品を売り出しています。その一方で、中国にはそれらのコピーが存在します。
北京にある日本の外資系ショッピングモールでは、正規品のデス・スターは5,999元(約100,000円)で売られていました。日本で購入すれば、Amazonならば70,000円で送料が12,000円ほどかかります。しかし、これのコピー商品ならば、北京でも2,400元(約40,000円)で購入でき、さらにお店の常連だったり、上手に交渉したりすると650元(約11,000円)ほどで購入することが可能になります。

 LELE? STAR WART?

このようなコピー商品は非常に多く、例えばハリーポッターやパイレーツ・オブ・カリビアンなど、誰もが知るような映画に出てくるもののレゴも、ほとんどにコピーが存在すると言えます。ただし、さすがに”LEGO”とは書かれておらず、”LELE”、”LEPIN”など全く違った名前が書かれています。さらにスター・ウォーズは”STAR WARS”は”STAR WART”だったり、異なったスペル、単語が用いられています。

 品質は?

ちなみに、品質にはほとんど問題ありません。問題点があるとすれば、レゴならば足りない部品があったときなどに発注することができますが、コピー商品の場合は発注できない可能性が高いと言うことです。しかしお店の常連だったりしてお店のスタッフと知り合いでいれば、足りない部品を取り寄せてもらうことは不可能ではありません。説明書もしっかりしていますし、本物そっくりのコピーといえます。

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コピーが存在する社会的背景

 高級品には手が出ない

中国は発達が著しい国家ですが、北京や上海などを除くと未だに多くの都市が発展途上の状態です。首都の北京でさえも平均収入は110,000円程度と言われ、アルバイトをしても時給は約200円から300円、レストランでフルタイムで働いても月給は50,000円程度です。そのような国家において、世界中に出回る正規品のおもちゃを購入することができる人はほんの一握りといえます。

 高級品もMade in China

そして、世界中に出回っているおもちゃのほとんどは中国製です。つまり、今まで正規品の製造にかかわっていた人が職を失ったとき、そこからコピー商品が作成されるようになると言われています。正規品を製造してきた彼らは当然ノウハウを持っているのです。また、コピー商品ならば著作権や肖像権がありませんので、安く、大量に販売することができるのです。

 見分けるポイント

本物そっくりのコピー商品を見分ける方法は、なんと言っても値段です。どれだけ本物に似ていたとしても、コピー商品は正規品ほどの値段では売られていません。そのため、正規品の半額以下で売られているものはコピー商品だと言って間違いないでしょう。

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正規品→コピー商品→オリジナル派生商品

 中国ならではのオリジナル品

先ほどレゴのコピー商品について紹介しましたが、中国には、ここから派生した軍隊のレゴ(オリジナル派生商品)がたくさんあります。これは正規品には存在しないので、中国ならではのオリジナルと言えるでしょう。
軍隊の「レゴ(オリジナル派生商品)」の中には、中国軍のみならずアメリカ軍やロシア軍、ドイツ軍や日本軍も存在します。中には、中国軍が白い顔でアメリカ軍が黄色の顔だったりと、不思議なものも存在します。1番の驚きは、ナチス・ドイツのマークであるハーケンクロイツやナチス・ドイツの旗があしらわれたドイツ軍の車やバイク、さらにはヒトラーも存在します。これらは特にドイツでは禁止されている商品です。まだ見かけた事はありませんが、もしかしたら東条英機をイメージした「レゴ(オリジナル派生商品)」も存在するかもしれません。

 有名キャラクターのコピー商品

ジブリやサンリオ、ディズニーのキャラクターも中国のあちこちで見かけます。そしてそのほとんどは、正規品ではありません。魔女の宅急便に出てくる黒猫、ジジの置物に”I love Totoro”と書かれていたり、トトロのキーホルダーに”Tototo”と書かれていたり、目を疑うような商品もたくさんあります。
北京オリンピックが開催された2008年、北京にある石景山遊楽園はディズニーやサンリオ、ドラえもんなどによく似たキャラクターが使われているとして話題になりました。また、ディズニーランドのアトラクションとよく似たアトラクションも存在します。世界各国から批判を受けた後、どうやらこれらのキャラクターは撤去されたようですが、それでも園側はあくまで「キャラクターの変更」と主張しています。

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文献のコピー

 翻訳について

専門書の翻訳を行う場合は、もちろん作者と翻訳家が密に連絡を取り合い、内容確認をしながら訳す、ということが当たり前です。しかし、中国にある英語の文献などを見ていると公式ではない翻訳が存在することに気づきます。特に研究書に多く、明らかに筆者の主張を無視した翻訳も存在します。
これを鵜呑みにしてしまうと、大学院生や研究者が文献を論文に引用などする場合、原本を使わなければ大変なことになるかもしれません。

 文献のコピーも可能

日本の法律では、著作物をコピーする場合はその著作物の半分までのコピーが許可されています。まるまる1冊コピーする事は許されていません。
それに対し、中国では著作物のコピーが可能のようです。明らかに文献をまるまる1冊コピーしたものが存在するのです。しかもただのコピーではなく、しっかりと表紙が作られており、確かにコピーである事はわかりますが、コピー商品としての品質はかなり高いと言えるでしょう。
中国には、街中に印刷屋さんが存在します。1ページあたり2角程度(約3円)でコピーできるため、例えば200ページの文献をまるまる1冊コピーしたとしても、600円ほどにしかなりません。そのため、本を購入するのではなく、図書館などで借りた本をまるまるコピーしてしまうケースも存在するそうです。

消費者として賢くなろう!

このように見てみると、中国には限りないコピー商品が売られているということがわかります。コピー商品を売りにしたお店もたくさん存在しますし、観光客を対象としたコピー商品のお店もあります。おもちゃや文献だけではなく、衛生用品などもパッケージがコピーされたものなど、様々な分野でコピー商品が存在するのです。
また、それらの商品がコピーであるということに気づいていない中国人もたくさんいます。中国の人にしてみればそのような商品を日常的に見かけており、さらにそれらが中国製であることから、それらこそが正規品だと信じている人も少なくはありません。

 値段は1つの判断基準

正規品かコピー商品かを見分けるためには、消費者自身が賢くなる必要があります。あまりにも精巧すぎて本物か偽物か分からないという場合は、値段を確認するようにしましょう。偽物の場合、値段は本物の半額以下に設定されているケースが多いからです。

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