ホームスクール、飛び級、留年もOKなアメリカの教育制度

アメリカ在住、4人の子供を持つ母親です。私は日本人であり、生まれも育ちも日本のため、アメリカでの子育ては全くの手探り状態です。夫はアメリカ人ですが、子育てには疎く、何かを聞けば「自分が子供だった時とは時代が違う」という言い訳ばかりなので、2人でいろいろ調べながら子育てをしています。ここでは、私がアメリカで子育てをして感じたことをお話しします。

州によって違うCUTOFF-DATE(カットオフ・デイト)

 小学校0年生の幼稚園

日本では、小学校の1年生になるということは一大ベントですよね。アメリカの場合、幼稚園に入ることが一大イベントです。幼稚園は大体小学校と同じ敷地の中にあり、校長先生も同じですし、カフェテリアも共用です。分かりやすく言えば、小学校0年生と言ったところでしょうか。
幼稚園に入るときには、小学生と同じようにリュックを買い、学校見学に行き、まるで日本の入学式の簡易版のようなオリエンテーションを行います。子供にとっても親にとっても大事な成長の証となる瞬間です。

 幼稚園児の年齢とカットオフデイト

アメリカでは、どの子供たちも入園する際に5歳、というわけではありません。州によって、「何月何日までに5歳ならば幼稚園に入れる」という日にちが違うのです。この日にちのことをCUTOFF-DATE、つまりカットオフデイトと呼びます。
例えば、アラバマ州では9月1日までに5歳になっていれば幼稚園に入園できます。アメリカではこの日付が一般的です。しかし、ハワイ州では7月1日がカットオフデイトですし、コネチカット州では翌年の1月1日までに5歳になれば大丈夫です。

同じアメリカの中でも半年も違うのです。アメリカの幼稚園や学校は8月末に始まりますから、入学までに5歳になっていれば良い、という訳では無いのです。8月末に入園する時点で4歳であったとしても、例えばコネチカット州ならば、年内に5歳になれれば良いのです。

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幼稚園に入れるという選択肢

 幼稚園に入れる時期について

このカットオフデイトは、あくまでも幼稚園に入るのに必要な最低限の年齢ということです。そのため、必ずしも5歳になったら幼稚園に入らなければいけないというわけではありません。
州によって細かい違いはありますが、親やその他の保護者が子供がまだ幼稚園に入るには早いと判断すれば、1年や2年、入園を遅らせることも可能です。また、家庭で親が指導をするホームスクールという選択をすることもできます。
そのため、幼稚園に入ったら周りの子たちはみんな5歳だけれど自分は7歳だった、などということもあります。それでも特に問題はありませんし、これが原因でいじめに遭うなどという事はありません。体の大きさが違っても、そもそもそれは個性として見なされているのです。

 本人の能力に応じた学年に入る

アメリカは移民の多い国ですが、他の国から移住してきた子供も、年齢に応じた学年に進級するのではなく、必要に応じて1年遅らせたり、同じ学年をもう一度繰り返したり、ということも珍しくはありません。同じ学年をもう一度繰り返すなんて、日本では留年や落第として扱われ、良いイメージはありませんよね。しかし、アメリカではそのような心配はありません。
例えば、アメリカの高校の多くは4年制です。日本から高校2年生が8月からアメリカの高校に留学する場合、多くの場合、留学生は英語の試験を受け、その英語の能力に応じて学年を決められます。英語の能力が高ければ4年生になれますが、英語の能力が低ければ、1年生や2年生に振り分けられることも珍しくありません。
これはアメリカならではの特徴です。年齢に応じたギリギリのラインで成長するよりも、しっかり学び、成長に合わせた学年に入るということが大事だと考えられているのです。

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私立学校に入るためには

 飛び級制度

私立の小学校も公立と同じように幼稚園を併設していることがほとんどです。しかし、州が設定しているカットオフデイトはあくまでも公立学校の基準ですので、同じ州の中であっても私立となれば話は別です。
私立学校の良い点は、入学や入園の際に学力試験をすることが多く、子供は学力に応じて上の学年に入れる可能性もあるということです。いわゆる飛び級が認められているという事ですね。一昔前は公立でも飛び級が行われていたそうですが、今はほとんど実施されていないようです。

 長女の経験

私の長女は私立の幼稚園に入る機会がありました。学力試験の際に飛び級が認められ、小学校0年生にあたる幼稚園ではなく、1年生から始めることにしたのです。娘は入学した時点で既に6歳になるところでしたし、正直、私から見ても1年生からで十分だろうと感じていました。そして、娘は自分に合ったクラスで楽しく学校生活を送ることができました。

アメリカの学校は非常にフレキシブルですので、もしも自分の子供を学校に入れるのであれば、子供に合った教育環境を探すことが重要です。また、州によって規定は大きく違いますし、規定は年々変わっていくこともありますから、その都度最新の情報を手に入れる必要があります。

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「留年」も普通の教育制度

日本では留年に対してマイナスなイメージがありますが、アメリカの「子供は子供の能力に応じた学年に入れる」という考えは面白いと思いませんか?もちろん、そのような子供があちこちにいるわけではありませんが、それでも個々の子供の能力を伸ばそうとする教育制度には魅力を感じます。

特に日本人のお母さんやお父さんが自分の子供をアメリカの学校に行かせるとなると、わからないことだらけで不安なこともあるかもしれません。そのような場合は、遠慮なく学校に相談してみてください。学校の制度も年々変わっていきますから、誰かからの情報を頼るのではなく、直接学校からの情報を入手したほうが確実ですよ。

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