外国人と働くときには、色々と心掛けるべきことがあります。というのは、同僚はあなたとは違う文化の背景を持つ人たちであり、考え方やものの言い方によっては角が立ってしまうからです。ここでは私の主人が経験した、外国人と働くコツを紹介します。
先入観を持たない
インターネットが普及し、私たちは1つの国にいながら他の国の情報を容易に入手できるようになりました。その中には「この国にはこういう文化があるらしい」「あの国では、こうすることがマナーらしい」などという情報を耳にすることもあります。 しかし、もしかしたらそれらは昔の話かもしれません。
文化は変わる
例えば、海外では「日本のマナーでは、受け取ったものをその場で開けてはならない」と信じられています。でも、確かに以前はそうだったかもしれませんが、今の日本の若い世代ではむしろ、その場でプレゼント開けて喜ぶ、お礼を言う、ということが一般的になりつつあります。むしろ、若い世代の前で外国人がプレゼントの包みを開けなかったら、「喜んでくれなかったのかな」という感情を持つ若者も多いでしょう。
このように、私たちが海外に対して持つ先入観には、世代による違いがある場合があるのです。同時に、そのような先入観を職場の人に持ってしまったら、人間関係がうまくいかなくなる可能性もあります。そのため、先入観は持たないことが大切です。例えば、もしプレゼントをもらったら、「この場で開けてもいい?」「私たちの国ではこの場で開けるんだけども、この国ではいいのかな?」などと正直に聞くことが大切です。
人による違いを受け入れる
主人はドイツ人ですが、主人がよく周りから受ける質問の中に「ドイツ人ならソーセージは好きだよね?」というものがあります。実はうちの主人、ソーセージは大嫌いです。
日本人だからといって全員が寿司好きとは限りません。アメリカ人だからといって全員がハンバーガーとフライドポテト好きとも限りません。このように、人によって好き嫌いには違いがあるということを覚えておく必要があります。職場の人と話をしているときにうっかりと「あなたはどこの国出身だから、これが好きに違いない」などと口にするべきではないのです。 個人を尊重すること、その国の人を一般化しないこと、それが外国人と一緒に働く上で大切です。
自分の家の自慢をしない
あり余るお金があるという人もいるし、堅実に生活をしているという人もいるでしょう。しかし、どれだけお金があったとしても、どれだけ周りが羨ましがるようなものを持っていたとしても、持ち物には気をつけなければなりません。 例えば、どれだけ規則がなかったとしても、職場に高価な装飾品やブランド物のバックなどを持っていく事は感心できません。
職場には様々な家庭環境の人がいますので、「我が家は裕福である」「私にはお金がある」などと見せつけるような持ち物を持参するべきではないのです。 あまり日本では見かけないようですが、中には高いスーツやサングラスを自分のオフィスに置いているという人もいるようです。見せつけているとしか捉えられないような高級品の見せびらかしは、人間関係を壊す原因になります。
金持ち自慢話をしない
職場にはいろいろな家庭環境の人がいます。子供がたくさんいて家計のやりくりに奮闘している家庭もあれば、毎年のように海外旅行に行き、高級品を買いだめできるような家庭もあるでしょう。 確かに恋人や家族と一緒に旅行をしたり、美味しいものを食べに行ったりしたら、職場の人に話をしたいという気持ちもあるかもしれません。そして、一般的なことならば問題はありません。
楽しかった話をするのは構いません。しかし、話す目的を「自分の家が裕福なのかということを周りに伝えること」にしてはいけません。特に海外は様々な家庭環境の人がいますので、自分にはそんなつもりがなくても、自慢話と捉えられてしまう可能性もあります。
コミュニケーション方法
違う国の人と仕事をするという事は、多くの場合は母国語ではない言葉、つまり日本語以外の言語ででコミュニケーションを取る必要があるという事かもしれません。共通語がお互いに母国語ではない場合(第二外国語としての英語等)はまだ平等ですが、もしも片方が母国語である場合、言い換えれば片方にとっては母国語ではない言語で話をする場合、言葉のニュアンスや言い回しから衝突する場合があります。
分からない場合は聞いてみる
自分が母国語とはしない言語で話をしている場合、うっかりと相手を傷つけている可能性もあります。相手を不愉快な気持ちにさせているかもしれません。周りの言語に耳を傾け、自分の語学能力を向上させることも大切です。 また、何か自分の言葉で誰かを傷つけたかもしれないと思ったら、その言い回しが正しいかどうか周りに聞いてみることも大切です。たとえ辞書に書いてある表現であったとしても、ネイティブの人には違う意味で伝わっているかもしれません。辞書に書いてある言葉は100%正しいとは限らないのです。
衝突しないように気をつける
違う言語を話す人と衝突してしまうと非常に厄介です。問題に対する対応の仕方も国によって違いますし、言語による衝突さえも大きなものになってしまうかもしれません。そのため、外国人と働くときには衝突しないように気をつけることも大切です。 もし、相手がものすごい勢いで文句を言ってきたとしても、自分は落ち着いて冷静に対応できなければいけません。もしも自分の母国語で喋っているわけでは無いならばなおさら、冷静に対応することが大切です。
また、周りが衝突していたらどちらかの味方をするのではなく、中立の立場を守るようにしましょう。どちらか片方の味方をしてしまうと、後々人間関係をこじらせるきっかけになってしまうかもしれません。そのため、周りが喧嘩をしていたり、周りがトラブルに遭っていたりする様子を見かけたら、中立でいるようにしましょう。
相手の文化を理解する
いかがでしょうか。特に相手の文化に対する理解を示すことが大切です。相手の文化に理解を示すという事は、相手の文化を知っている気になるのではなく、相手の話に耳を傾けると言うことです。この場合はどうしたらいいんだろう、と悩むことがあったら、インターネットで調べて不確かな情報を実行するよりも、本人に聞く方が確実です。
わからない事はわからない、と割り切り、新しい文化に馴染む努力をしましょう。「自分の国はこうだから」と、自分のやり方を押し通すということも考えものです。 相手のやり方に理解を示し、スムーズな仕事ができるといいですね。