外国人は仕事にドライ?明確な業務分担の裏にある濃密なコミュニケーション

8年間カナダに住んでいました。カナダの大学を卒業した後、現地の日本企業で少し働いたのですが、やはりせっかく海外なのだから元気な人と一緒に働きたいと思い、その後は衣料品店で働くことになりました。販売員の他に、商品の置き場を作ったり、ディスプレイを作ったりするお店作りの業務を任されました。その後は、語学学校でマーケター兼カウンセラーとして働いたこともあります。違う職種の仕事で緊張もしましたが、色々なことを勉強させてもらいました。ここでは、私が現地で感じたコミュニケーション方法を紹介します。

仕事に関係ないことでも積極的に話す

 相手を知ることが大切

語学学校で働き始めた時、マネージャーから「普段からコミュニケーションを取り合うようにしたいから、何でも話してね」「普段からコミュニケーションを取り合っていると、ミスをした時にも言いやすいから」と言われたことがあります。それから、マネージャーとは毎日、仕事のことも仕事には関係ないことも様々な話をしました。それによりお互いをよく知るということもできました。

 何でも話しやすい関係に

いろいろな話をし、お互いのことを理解しあうようになると、仕事もしやすくなりました。私がミスをしたときに指摘をされても全然嫌な気持ちにはなりませんでしたし、それだけではなく、マネージャーは私がなぜそのようなミスをしてしまったかということもしっかりと理解してくれました。
語学学校は本社がアメリカにあったため、毎日のようにスカイプで直接顔も見たこともない同僚や上司と会話をする機会がありました。しかし、彼らとも「元気?」と聞き合ったり、「週末はどうやって過ごしたの?」などと話をしたりするようにしていました。
そのおかげでなんとなく彼らを身近に感じることができ、離れていてもとても仕事がしやすかったです。日ごろから同僚や上司と話しやすかったのは、このような他愛ないコミュニケーションを頻繁に行っていたからだと思います。

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1日の始まりからコミュニケーション

 挨拶だけではダメ

朝、出勤したら挨拶をするという事は当然です。しかし、挨拶をするだけではなく、例えば「調子どう?」「週末はどうだった?」など、相手に質問をして会話を広げるということが大切だと思います。
この手法は同僚に対してのみならず、お客さんに対して使うこともありました。そこからコミュニケーションが広がっていったことも少なくはありません。つまり、確かに会話は挨拶から始まるのですが、挨拶で終わらせないということが大切なのです。

 相手を褒める

また、相手を褒めるということも大切です。例えば、朝の「おはよう、元気?」と言った後に「その靴、素敵。どこで買ったの?」など、相手の何かを褒めることで会話を広げることも可能です。褒められることもあります。
日本ではあまり人を褒めたりしませんので、慣れないと違和感があるかもしれません。しかし、「その服、きれい」「そのキーホルダー、かわいいね」などで良いのです。1日の始まりから少しでも世間話をしておくと、その後もコミュニケーションが取りやすくなります。むしろ、会話に困ったら何かを褒める!と覚えておいても良いでしょう。

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自分の仕事は自分の責任

 担当者は誰?

カナダで働いていた時、人の仕事を手伝おうとすると「それはあなたの仕事じゃないでしょう?」「放っておいていいんだよ」と言われたことがありました。また、同時に助けてほしいときは「私の仕事じゃないから知らないわ」と言われたこともあります。
誰がその仕事を担当しているのか、という基準がしっかりしていて、自分が関係なければやる必要もないし、「自分に与えられた仕事しかしない」という概念があるのではないかと感じました。そして、できないと思う仕事は引き受けないということも大切なのです。言われるがままに仕事を引き受けてしまうという人はいないようでした。

 チームワークは?

かといって、個人主義で仕事をしているわけではありません。きちんと仕事が割り振られているため、必要に応じて「この場合はあの人に聞いたら良い」「この場合はこの人に聞いたら教えてくれる」などとアドバイスをし合っていました。日頃のコミュニケーションが成り立っているからこそ、誰がその分野を得意としているのか、誰に聞けばよいのか、ということを皆が把握し合っているのだと思います。
もちろん、上司に意見を言ったり質問をしたりという事も普通でした。むしろ、曖昧な点やわからない点があれば、自分で勝手に実行するのではなく、すぐに聞くことこそが大切だとされていました。

カナダの人々は休暇もしっかりと取得します。担当者が休暇中の場合、確かにすぐには答えが得られないというデメリットもあります。しかし、あらかじめ誰が担当なのか、誰が得意分野なのかということがわかっているため、「この人がいる間にこの仕事を終わらせておこう」などと仕事の整理もしやすかったです。

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お互いに干渉しない

日本で「その仕事はあなたの仕事じゃないからやらなくて良い」「これは私の仕事じゃない」などと言ってしまえば、協調性がないと思われてしまう可能性がありますよね。そのため、お互いに干渉しないという海外の働き方は、日本とは全然違うと感じました。
しかし私は、責任がどこにあるのかということがはっきりしており、個人個人で自分の仕事を管理しているため、逆に業務分担を明確にしたほうが清々しい人間関係が構築されていると感じました。
カナダ、日本のどちらがいいのかは分かりません。これは合う、合わないの問題だと感じましますが、カナダの仕事のやり方を肌で感じ、その良さを実感することができました。

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