ベルギーで住民登録!ベルギー人は「ハッタリ」が多い!?

ベルギーの夫と結婚し、3年が過ぎました。今まで中国で生活をしていましたが、最近ベルギーに引っ越してきました。引っ越してからは日本でいう住民登録のようなものもしなければならず、なかなか忙しい日々を送っています。正直なところ、ベルギーの市役所は本人たちは「自分たちは素晴らしい仕事をしている」と思ってはいるようですが、「は?」と思うことも少なくありません。ここではそんなベルギーの住民登録と健康保険について紹介します。

ベルギー人の住民登録

 登録自体は簡単

まず、最初に住民登録をしなければいけないのはベルギー国籍を持つ夫と息子になります。ベルギーに引っ越してきた時、息子は10ヶ月でした。

パスポートと、夫が持っている国民身分証明書を持参したように思います。また、息子は中国で生まれましたので、中国での出生証明書などを持参し、息子が確かに夫の子供であるということを証明しなければいけませんでした。

 警察官の訪問

住民票の登録が終わったら、2週間以内に警察官の訪問を受けます。日本ならば転入届を出した時点で終わりますが、ベルギーの場合はやはり不法移民等の問題もあるため、2週間以内に実際に警察官がその家を訪問し、本当にそこで生活をしているかということを確認します。
しかし2週間たっても警察官がやってこなかったため、夫が市役所に電話をしていました。警察官がやってきたらその警察官が市役所に調査結果を報告し、そのあとで本人たちがもう一度市役所に行くことによって住民登録が完了するのです。そのため警察官が来てくれなければ住民登録を終わらせることができないのです!

最初に市役所に行った時から16日後、警察官がやってきました。いつベルギーに戻ってきたのかなど、本当に形式的な質問をされただけのように思います。私のパスポートも見せましたが、日本のパスポート握り締めて「中国人?」と聞くのは本当にやめていただきたいです笑。
ただ、例えば日本人でも「イギリスの首都はパリ?」みたいな人もいるじゃないですか!それはこちらでも同じのようで、息子が北京で生まれたという「息子さんは日本で生まれたのかな?」と言ってくる人もいますし、私が東京生まれと言えば「中国人ですか?」と聞かれることもあります。世界における地理の概念というのはこんなもんかもしれません笑。

警察官が家に来た時、「今日の午後にでも市役所に行けば登録を完了できるようにしておく」と言われたため、その後すぐに市役所に向かいました。そして私の登録も進めることができました。

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外国人である私はどうなる?

 Family Reunificationという書類

私はベルギー国籍を持っていませんので、私がベルギーに3ヶ月を超えて滞在する場合はビザ等の証明書が必要になります。そして、夫と息子が住民登録を終えたら今度は私の登録をしなければいけませんでした。

家族が2つ以上の国にまたがって存在している場合、Family Reunificationという書類を提出することによって外国人家族の滞在を認めてもらうことができます。これは家族が一緒になるためのものですが、適切な日本語訳が見つからないため、このまま英語で紹介していきたいと思います。

私たちはベルギーに来る前、在中国人民共和国ベルギー大使館にてFamily Reunificationを作成してもらいました。ベルギー国籍を持つ夫、息子、そして日本国籍を持つ私は家族であり、だからベルギーで一緒に生活をしたい、日本国籍を持つ私にベルギーで生活をする許可を与えてほしい、という書類です。

 息子を通じて申請

ベルギー人の配偶者を持つ場合、その配偶者を通じて外国籍のメンバーの滞在許可証を申請することが一般的です。しかし、実は配偶者を通じて申請する場合、例えば収入がいくらあるかどうか、税金はきちんと払っているかどうか、借金は無いかどうか、などという証明書を提出しなければならず、とにかく時間がかかります。

そんな時、この申請を最も簡単にする方法が息子を通じて申請するという方法でした。16歳以下の子供がいる場合、その子供から親を引き離すことができません。そのため息子を通じて申請するとこのような書類の提出が一切不要になります。

極端な話、配偶者を通じて申請する場合は配偶者がその外国籍のパートナーを養うことができる収入があるという証明をしなければいけないのです。しかし、16歳以下の子供がいる場合はたとえ収入がなかったとしても、子供から親を引き離すことができないということで滞在が可能になるのです。市役所の人からも息子を通じて申請したほうが早い、手間がかからない、と言われたため、私たちも息子を通じて申請することにしました。

 市役所の人がわかっていない!?

息子が中国で生まれたとき、私たちは在中国ベルギー大使館に出生届を提出するため、病院から受け取った出生証明書を法定翻訳人にオランダ語に直してもらい、公証役場で公証をしてもらっていました。そして大使館から受理したという証明書を受け取っていたため、私たちはベルギーの市役所に行く際、それらの書類を全て持参していました。

しかし、市役所でその書類を見た3秒後に担当者が言った一言は「この書類にはベルギー大使館の印鑑が必要」ということでした。ベルギー大使館が出した書類にベルギー大使館の印鑑が必要ということです。それを聞いた瞬間、頭に血が上りました。そもそも、調べもせずにこの人たちに何がわかると思ったのです。その担当者は書類を見て何を調べることもせず「この書類には印鑑が必要」と言いました。私たちは中国にいる時、大使館にも何度も確認して書類を揃えたのです。それにもかかわらず、この地域のどれくらいの人が中国で子供を出産し、ベルギーに連れて帰ってきたのか、そしてこの担当者が過去何回そのようなケースを担当し、同じような書類を扱ってきたのか知りませんが(そんなに経験があるはずがない!)、ベルギー大使館が発行した書類に大使館の印鑑が必要だなんて、大使館さえ気づかなかったことを(言い方は悪いですが)、ただの役所の人間が一目で判断できるはずもないのです。

 最終的に問題なし

それに対し、夫は「大使館の印鑑があろうがなかろうが、大使館が発行した書類なんだから何も問題は無いはず」「息子の出生証明書は大使館でしっかりと受理されている、それで何が問題なのか」と冷静に問い詰めました。すると担当者たちはお互い顔を見合わせ、「少々お待ち下さい」と調べ始めたのです。

最終的に何の問題もなく、私の滞在許可証を申請することができました。担当者たちはなんだか素晴らしい魔法でも使ったかのように「調べたところ、うまくいく方法がありますよ」などと言っていました笑。

 これは国民性!?

実はベルギーではこのような事は珍しくありません。私はオランダ語がわかりませんので夫が誰かと話をしている時、何を話しているのかはよく分かりません。しかし会話を聞いていて思うのが、夫が何かを訪ねた時、その相手は大抵止まることなくしゃべり続けます。そして夫が「違う、そうじゃなくて」と説明をし直すとそこで初めて「あ、ちょっと待ってください」と調べ始めるのです。

「知らないと思われたくない」「知っていると思われたい」という潜在意識があるようで、たとえ間違っていることであったとしても最初に自分の意見を言い、問題が生じると調べ始め(ただ、調べ始めるといってもただインターネットを検索して検索結果を読み上げてくれるだけのこともあります笑)、最初から調べていれば何の問題もなかったことであったとしても後から「自分が調べてあげた」「私のおかげで解決した」と言った雰囲気を醸し出すことがあります。幸い夫にはこのような雰囲気はありません笑!

 滞在許可証について

私の滞在許可を求める申請が完了した時点で、私はオレンジ色のカードもらいました。これで私は半年間この国に滞在することができます。このようなものがなければ3ヶ月しか滞在できませんので、少なくとも私はそれに加えて3ヶ月ここに滞在できる許可が下りたということになります。

半年経つと、今度は5年間使える滞在許可証をもらうそうです。そして5年後、永住許可に変わるそうです。ちなみにその間にベルギー国籍を持つ配偶者と離婚をした場合はこの許可証はもらえないようです。

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健康保険証について

 中国にいる間の税金納付証明書!?

日本の場合、海外から帰ってきたら転入届を出すことによって健康保険等の手続きも同時に済ませることができます。しかし、ベルギーの場合は健康保険は別物です。息子がいるため、なおさら夫も出来る限り早く健康保険に入りたいと言っていました。そのため夫と息子の住民登録が済んだ後、すぐに健康保険について問い合わせを始めたのです。

しかし、ここでも問題がありました。夫と息子の健康保険について窓口で問い合わせたところ、また調べもせずに「あなたは中国で生活をしていた3年間、ベルギーの健康保険に入っていない、だからその間にきちんと滞在国で税金を支払っていたという証明を提出しなければいけない」とまたわけのわからんことを言われたのです。つまり、中国で夫がしっかりと税金を払っていたという証明書を出せと言われたのです。
中国を離れた今、そんな証明書が簡単に手に入るわけがありません。またその証明書を手に入れたとしてもそれは中国語ですから、また法定翻訳人などにオランダ語に訳してもらわなければならず、それには数万円といったお金がかかります。どこに問い合わせたら良いのかもわかりませんし、それを聞いたときには一体どうしようと思いました。

 いつもと同じ魔法で解決!

しかし、ここも同じベルギー人の国民性です。その担当者は「ちょっといろいろ調べてみるから待ってて」と言い、あちこち電話をかけ始めました。そして約30分後、「何とかなる方法が見つかった」と言ってきたのです。そしてそこから5分、何の問題もなく夫と息子は健康保険に入ることができました。そして、私自身もオレンジ色のカードをもらった時点で健康保険に入ることができました。特に問題もなく、窓口に行って署名をしただけです。

本当にこのやりとりは腹立たしいです。決して適当なことを言っているとは思いませんが、調べもせずに「こうしなければいけない」「ああしなければいけない」と無理難題をふっかけて、後から調べて「自分が解決してあげた」といった態度は本当に頭にきます。正直、自分の無能さをごまかすな!とさえ思います。

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移民の問題に悩まされる国家

ベルギーに入ると、移民の問題は本当に複雑だと感じます。例えば、私はオレンジ色のカードをもらい、これ自体が私の身分証明書になるわけですが、場合によってはこれだけでは信用してもらえない場合もあるようです。というのは、不法移民はこのようなオレンジ色のカードを簡単に偽装するため、これに加えて例えば住民票を提出しなければいけないなどといった必要性が生じてくるようです。ただ、このようなオレンジ色のカード偽装できるのであれば住民票も簡単に偽装できると思ってしまうのですが!偽装されるから他の書類の提出を求めるなら、まず最初に偽装されないような証明書にすれば!?と思ってしまうのは私だけでしょうか?

またそのような不法移民に備え、法律自体も頻繁に変わっていきます。そのため、つくづく最新の情報を得ることが大切だと感じました。

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