アメリカに根付く起業家精神~日本で起業家が生まれない本当の理由

世界を変える新しい企業は、常にアメリカから出ているような気がします。Google、Apple、Facebook、Amazon、パッと思いつくだけでも、世界に名立たる企業がたくさんあります。では、なぜアメリカでこのような企業が育つのか、そもそも新しく事業を起こす起業家が多いのかということについて、あくまで私見ですが解説したいと思います。

論理的に起業家の道を選択

アメリカでは、優秀な人ほど起業します。それはなぜでしょうか?1番分かりやすい理由は、起業家として成功すれば多額の富を手にすることができるからです。また、自分でコントロールできる時間も多く、サラリーマンに比べて圧倒的に時間が自由になります。それ以外にも、好きなこと・得意なことを仕事にすることができたり、バカな上司の指示に従う必要もありません。

 大企業を選択する人とは?

アメリカでは、無能な人間ほど大企業で働くと言う人がいます。大企業に入ったら会社の歯車になり、自分の創造力を発揮する場もなければ、給与も低く(起業家と比べれば)、バカな上司の指示にも従わなければなりません。「そんな状況なのに、なぜ大企業で勤めるのか?=能力がないから」となるのです。よく考えてみれば、アメリカ人の考え方は論理的ですよね。
そして、日本の大企業と違い、安定なんてありません。アメリカでは大企業の社員であってもリストラされてしまうのです。

 起業家を尊敬する文化

そして、日本とアメリカの決定的な違いは、アメリカでは起業家こそが社会から尊敬されるという文化が形成されていることだと思います。これはやはりアメリカの歴史に関連していると思います。1776年の独立宣言以来、アメリカはたった200年で世界一の大国になりました。その原動力となったのが、フロンティアスピリッツ(開拓精神)です。新しいことを開拓することに価値を置き、国をあげて支援する。教育の場でも、家庭の場でも、新しいことに挑戦することや他の人と異なるオリジナルの考えを持つことを尊重する文化が根付いており、子供のころから起業家としてのマインドセット(気持ち)が育成されます。

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日本人は起業家を目指さないことが合理的

日本では、新しいことに挑戦するとことや人と異なる考え方を持つことは、家庭・学校において嫌がられ、コミュニティから排除されます。表面的に奨励されるケースはありますが、心の奥底では受け入れられない人が多いでしょう。なぜなら、自分が新しいことに挑戦したこともなければ、人と異なる選択を行ったことがないからです。
高校 → 大学 → 1つの会社でずっと勤務、自分の人生でリスクを取ったことがない人に、どうして挑戦者・開拓者を理解することができるでしょうか?また、自分でリスクを取ったことがない人が、どうして挑戦者のマインドセットを他者へ教えることができるのでしょうか?無理ですよね。だから、日本では起業家は育ちません。

 就活時の人気ランキングはあながち間違っていない

就職活動では今でも大企業が圧倒的に人気があります。大企業を目指す学生に対し批判もありますが、私は大企業へ入社することが間違った選択肢だとは思いません。
大金持ちになることなど望まず、学校教育で創造力を排除され、また、理不尽なことでも一生懸命努力ができる、我慢強い日本人が起業家になる理由はありません。更に、日本では起業家の社会的ステータスは低く、住宅ローンを組めなければ、クレジットカード審査すら通らない可能性があります。肩書文化の日本では、大企業に入社することこそ合理的な選択だと思います。
日本の大企業はリストラもなければ、信用力も抜群なので、若いうちからベンツやBMWを乗り回すこともできるし、東京の高級地域と言わる港区のタワーマンションを買うことだってできてしまうのです。私の周りにはそんな人が結構いました…

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エコシステムの議論をする前に

起業家育成の話になると、「日本には起業のエコシステムがない」と言う人がいます。確かに、ベンチャー投資の枠組みや、失敗したときのリスク回避の仕組みは大切です。日本に比べ、アメリカのほうが断然に整っています。しかし、最も大切な起業家としてのマインドセットをどのように育成するのかの議論を行う前に、安易にエコシステムの話だけするのは無意味だと思います。
また、世界を見渡しても起業家が育つのはアメリカだけです。他の国でも起業家育成に力を注いでいますが、1つも成功例はありません。こんな状況であるにも関わらず、小手先のアメリカ型エコシステムを日本社会に取り入れても失敗に終わるだけです。

 日本には日本の形があるのでは?

いろいろ考えてみると、日本はアメリカで発明された技術を改善することを前提に、これまで通り真似すること(暗記すること)に力を注いだほうが国際的な競争力を維持できるのではないでしょうか?アメリカで拡大した自動車産業において、トヨタが改善の力で逆転したように、日本には日本の勝ちパターンがあるような気がします。
表面的なアメリカ型エコシステムを導入することは、長い目でみれば日本の改善文化を弱体化させ、日本崩壊の引き金になるかもしれないと感じているのは私だけでしょうか?

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