SNSは今や私たちの生活に欠かせないものとなりました。しかし今SNS依存症という存在が注目され始めています。今回はSNS依存症に関するアメリカのニューヨーク州立大学ビンガムトン校のアイザック・バゲフィ博士の論文を紹介したいと思います。
アイザック博士は大学生300人の被験者に対してSNSに関するアンケートを実施。アンケートの中では「SNSを使っていないと落ち着かないか」「SNSに夢中で大切なことを無視することがあるか」などSNSに関する質問がなされました。
博士はそれらの質問と被験者の性格の特性を分析。「外向性」「共感性」「開放性」「勤勉性」「協調性」という5つの要因が普段のコミュニケーションの中でどのように反映されているのかを学術的な尺度で判断する「Big Five理論」と呼ばれる方法で被験者の性格の傾向を探りました。
すると「神経症傾向」「誠実性」「協調性」の3つの要因がSNS依存症と関係があるのではないかという仮説が持ち上がったのです。特に注目すべき点は、神経症傾向が高くストレスや不安に敏感に反応するタイプの人ほどSNS依存症を発症しやすいということです。今回の研究ではネガティブで不安に敏感な人ほどSNS依存症になりやすいということが分かりました。
また総務省が行なった調査によると10代〜50代のインターネット依存の割合は日本では45.7パーセント、英国では56.2パーセント、フランスでは65.5パーセントにも及ぶそうです。SNS依存症も10代や20代の若者の間で広まってきていますが、まだまだ認知度は低くアルコール依存症などの他の依存症と同じように積極的に研究はされていないのが現状です。
今回の研究では性格の特性とSNS依存症という新たな仮説が生まれました。これからの研究に期待が高まります。
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