ブリュッセルと言えば、グランドパレスや小便小僧など、有名な観光地だと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、ここブリュッセルはベルギーに住んでいる人にとっては最も悪名高い地域の1つでもあり、最も行きたくない場所の1つかもしれません。ここでは、ベルギー人である私の友人がブリュッセルで経験したトラブルを紹介したいと思います。皆さんもブリュッセルでは気をつけてください。
事の始まりは電車が動かなくなったこと
発車2分後に1時間の立ち往生
彼女は電車でブリュッセルからアントワープに向かったのです。しかし、電車は2分ほど走った後、ぱったり止まってしまいました。何の説明もなく、そこから1時間立ち往生となったそうです。ために、ベルギーではこのようなことが珍しくありません。
しかも、電車の中はエアコンがかかっておらず、蒸し風呂状態だったそうです。また、車の中にはトイレもありますが、でもそのトイレも常に鍵がかかった状態(切符を購入していない人が車掌のチェックを免れるためにトイレに立てこもるのは珍しくありません)だったそうです。
最寄りの駅に停車
最終的にその電車はエンジンに問題があったということでそれ以上の運行ができず最寄りの駅で停車することになりました。その駅は小さな駅のため、多くの電車が止まるわけではありません。そのため、多くの乗客は自分たちの力でブリュッセルの駅に戻り、また電車を探さなければいけないということになったそうです。
トイレに行きたい!
トイレに行くには50セント必要
彼女は最寄りの駅で降り、真っ先にトイレに向かったそうです。ヨーロッパのトイレは50セントなり、お金を支払わなければいけないということで有名ですよね。
もともとこれはチップなのですが、ベルギーではどちらかというと50セント支払ってトイレに入る権利を購入する、といった感じです。田舎やスーパーなどではそこまで厳しくありませんが、電車の駅などではチップを払うことを要求されます。
1時間の立ち往生に遭ったのに…
確かに50セントは大した金額ではありませんが、電車が1時間も立ち往生しなければ彼女は既に家に帰っていたということ、そして誰かがトイレに立てこもっていたためにトイレに行けなかったこと、などという背景から、文書は50セント支払うことに納得がいかなかったそうです。しかし事情を説明してもわかってもらえず、彼女は50セントの支払いを拒否したため、トイレの係員はなんと、通り掛かった警備員を呼び止めたそうです。
係員も彼女の話を聞こうとせず、彼女はまるで泥棒をしたかのような扱いを受けたそうです。これ以上の問題に巻き込まれたくないと判断した彼女は、最終的に50セントを支払いました。
「ここはブリュッセルですからフランス語を話してください」
ブリュッセルではフランス語しか通じない!?
ベルギーと言えば、オランダ語、フランス語、ドイツ語を話す国ですが、それは地域によって違いがあり、国民の6割から7割はオランダ語を話します。その中で首都であるブリュッセルはフランス語を話す地域です。そしてこのブリュッセルは基本的にフランス語しか通じず、英語が通じないことも珍しくありません。
彼女はフランス語が話せましたが、常にブリュッセルでは国民の大多数が話す言語であるオランダが軽視されていることに問題を感じており、この時、彼女はフランス語を話す気にならなかったそうです。しかし、係員に呼び止められた警備員はフランス語しか話さず、彼女がオランダ語や英語で話そうとしても、最終的にケビンは「ここはブリュッセルですからフランス語を話してください」と言ったそうです。
「ここは日本ですから日本語を話してください」と同じだぞ!!
この発言、違和感があると思いませんか?例えば、ベルギーを訪れる外国人であればフランス語が話せなくてもおかしくありません。しかし、「ここはブリュッセルですからフランス語を、話してください」という理屈が通用するのであれば、どの国も外国人観光客に対して工夫をする必要がない、その国の言語だけを大切にすればよい、ということになります。
例えば、日本は2020年の東京オリンピックに向けて外国語表記などにも工夫を加えていますが、もしも日本人がブリュッセルでこのように言われたら、「それなら日本からすべてのフランス語表記を消し去ってしまえ!」と思ってしまうのではないでしょうか。つまり、フランス語しか話したがらないという他の国でフランス語が排斥される元になる可能性があり、それこそ、極端なことを言えば人種差別が人種差別を呼ぶということになるのです。
特にブリュッセルは要注意
ヨーロッパに旅行する日本人からしてみると、ブリュッセルはEUの中心地であり、華やかだと感じることもあるかもしれません。電車はブリュッセルだけの問題ではなく、ベルギー全体で問題がありますが、トイレでのお金の支払いは非常に厳しく、言語においてもフランス語を話さない、あるいはフランス語を話したがらない人にとっては厄介な地域です。もしもブリュッセルを訪れることがあれば、ぜひ気をつけてください。
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