海外旅行などに行くと、言語がわからなくて食事をどうしようか悩む、という人も多いのではないでしょうか。そんな時に強い味方なのがマクドナルドやケンタッキーフライドチキン等のファーストフードですよね。実は、ベルギーではこのような日本で馴染みのあるファーストフード店を見かけることがまずありません。ここではその理由を考えてみたいと思います。
フライドポテト専門のお店がある
フライドポテト、チキン、ハンバーガーなどが購入できる
ベルギーにはハンバーガーやフライドポテトで有名なマクドナルド、フライドチキンで有名なKFCがありませんが、そのかわり、フライドポテトの専門店があります。フライドポテトの専門店ではそれ以外にも牛肉、鶏肉、豚肉などをその場で揚げてくれ、ソーセージやフライドチキンなども食べられます。
また、それらを用いたサンドイッチやハンバーガーも提供しており、それに合わせてビールや清涼飲料水が購入できます。
マクドナルドやKFCが必要ない
もともとベルギーと言えば、フライドポテトに誇りを持っている国です。だからこそ、自らの国で発祥したそのような専門店に誇りを持ち、マクドナルドやKFCなど、アメリカからやってきたファーストフード店には関心を持たないようです。
私も、ベルギーで半年以上生活していますが、ベルギー国内では2カ所マクドナルドを見た程度でしょうか。KFCに至っては先日ドイツに行った時に1カ所見かけましたが、それ以外は見かけません。ただ、このように滅多にないからこそ、マクドナルドやKFCに憧れる若い人たちも多いそうです。
ちなみに、このようなフライドポテトの専門店で働く人の中には移民も少なくありませんので、英語が通じることも多いです。あるいはショーウインドウを見て指差しで会話ができますから、とりあえず食べてみたいという人でも安心です。フライドポテトのソースを聞かれることがあり、ケチャップやマヨネーズなど、オーソドックスなものもありますが、マヨネーズに唐辛子のソースを混ぜた「サムライソース」が特にオススメです。
トルコの料理、ケバブが浸透している
移民によってもたらされた料理
先日、私が通っているオランダ語の授業で、ポーランド人の友人が先生に「ベルギー料理といえばなんですか?」と質問していました。先生が考えた瞬間に他の学生が「ケバブでしょう」と冗談めかして言っていました。それくらい、ベルギーにはケバブが浸透しています。
日本ではケバブというとなんとなく高級なイメージがあるかもしれません。しかし、ベルギーにおけるケバブは本当にファーストフードそのものです。ケバブというものはもともとトルコからもたらされたものですが、ベルギーにトルコからの移民がたくさん来たことでキャバブがベルギーにも浸透していきました。例えばアントワープなど移民が多い地域に行くと、ケバブのお店が立ち並んでいる光景を見かけることも珍しくありません。
簡単に購入できるケバブだからこそ、ファーストフードとして浸透し、マクドナルドやKFCなどが浸透しなくなったのかもしれないとも思えます。もともとアメリカからの移民が多い国ならば、マクドナルドやKFCが多かったかもしれません。しかし、ベルギーはアフリカや中東からの移民を多く受け入れている国ですので、どうしてもそちらの移民が好む食品が浸透していくようです。
日本食はとにかく高級!
お寿司のレストランはチベットの人に運営されていることが!?
マクドナルドやKFCが流行らないベルギーですが、お寿司屋さんはそれなりに見かけることがあります。むしろ、今まで見かけたお寿司屋さんの数の方が、今まで見かけたマクドナルドやKFCの数よりも多いです。
お寿司のレストランはチベットの人が運営しているケースが多く、まず店内は日本なのか中国なのかチベットなのかよくわからない装飾品でまとめられています。私は、海外で食べる日本食には高い期待をしてはいけないと思っていますし、やはり値段が高いですから頻繁に食べたいとは思いませんが、それなりに食べられる味だと思っています。
「カミカゼ・サーモン」という名前のお寿司
なぜかどこのお寿司屋さんのメニューを見ても、サーモンとアボカドが一緒になった巻き寿司の名前は「カミカゼ・サーモン」です。なぜその名称を取ったのか明らかではありませんが、そして日本ではアボカドとサーモンを組み合わせるなんて考えにくいですが、結構おいしいですよ。
海外に行くとどうしても日本食が恋しくなりますが、このようなお寿司屋さんでは揚げ餃子なども提供されています。揚げ餃子はかなりおいしかったです!
チベットの人などはオランダ語やフランス語が話せない状態で生活していることも多いため、基本的には英語が通じます。もしも言語に不安があり、こちらのレストランに入れない、などという人がいたら、いっそお寿司を経験してみても良いかもしれません。
食文化はその国の背景を反映する
食文化は、その国の文化や習慣を反映させると思っています。だからこそ、やはりフライドポテトに自覚があり、アメリカからやってきたファーストフード店が受け入れられないのだと思いました。その上で、移民が多いからこそケバブが浸透しており、それでもなかなか手に入らないようなオリエンタルのものには高級感が漂う、といったイメージがあります。
ベルギーにはKFCが1つしかなく、治安の悪さから警察が入り口に立っていると聞きました…