海外での乳児検診と急患!子供の医療に関する文化の違いは不安がいっぱい

中国、北京在住です。この地で妊娠し、出産を経験しました。今は息子が生まれた病院の小児科で毎月検診を受け、予防接種をしています。しかし、違う国ということでもちろん文化の違いもありますし、うちは夫がヨーロッパ出身で育った環境が違うため、夫婦の間においても考え方の違いがあります。ここでは、先日息子が経験した予防接種や健康診断での出来事と、急患についてお話しします。

主治医との文化の違いによる戸惑い

 薬の処方が日本と違う

もちろん主治医のことを信頼しているので、主治医がこれで大丈夫というならば不満はありません。しかし、やはり文化も違えばやり方も違うため、私には戸惑うことがありました。
まず、薬の処方の仕方が違うのです。前回、2ヶ月検診で予防接種を受けた際、主治医から「今夜は熱が出るかもしれないから、もしも熱が出たらこれを飲ませるように」と薬を処方されました。しかし、その薬を見てみるとその薬の対象年齢は1歳以上なのです。
もちろん、処方された量は1歳児が飲む規定の量よりも遥かに少なく、確かにその日の夜は息子が熱を出しましたので、処方された量を飲ませました。そんな薬を飲ませて良いのかととても不安でしたがすぐに熱が引き、安心しました。
日本の場合は赤ちゃんには赤ちゃん用の薬を処方しますから、考え方が日本と違うなぁと驚いたものです。

 保湿クリーム

2ヶ月検診を受けた時、息子の胸元はひどく乾燥していました。北京の冬の空気は非常に乾燥しているため、それが原因だったようです。そこで主治医から日本でも使われているアベンヌのクリームを処方されました。
しかし、赤ちゃんに対して大人が使うようなクリームを使った良いのかと不安だったため、インターネットで検索したところ、日本ではそのアベンヌは3ヶ月以上の赤ちゃんに使って良いと言われているものでした。2ヶ月も3ヶ月も変わらないと言われればそれきりですが、3ヶ月以上という事はそれなりに強い保湿剤ということになりますから、それで良いのかと不安だったものです。
確かに、アベンヌを使った2日後には乾燥して傷ついた肌はきれいに治りました。しかし、同時に肌の弱いお腹のところに霧が吹いたような湿疹ができてしまい、私の判断で、2日でやめました。

夫との文化の違いによる戸惑い

 お風呂にどれくらい入れるのか

実はこの時、主治医から「お風呂は2日に1回で良い」と言われていました。しかし、新陳代謝の良い赤ちゃんは毎日お風呂に入れるのが当然だと考える日本で育った私には理解ができず、そう言われた後でも息子を毎日お風呂に入れていました。
実は2ヶ月検診の時、息子は胸元がひどく乾燥していたわけですが、それ以外にも肩のところにも赤い湿疹ができ始めていました。しかしまだその時点では多少赤い、という程度だったため、あまり気にしていなかったのです。
しかし、その湿疹は徐々に肘の内側にもでき、お腹の汗が溜まる場所にもできてしまいました。2ヶ月検診から約10日後、夜中オムツを変えた時にその湿疹がさらにひどくなっている様子を見て、私は焦ってしまい、夫をたたき起こし、どうしようと泣きついたのです。そしてその時、夫から「毎日お風呂に入れるから肌が乾燥するんじゃないのか」と言われました。
ヨーロッパ出身の夫は、肌のためには毎日お風呂に入るべきではないという考え方を持っているのです。新陳代謝が良いのだから汗をきれいに流し、肌を清潔に保つために毎日お風呂に入るべきだ、という日本人の私とは違うのです。

 病院に行くタイミング

息子の湿疹がひどくなってしまったことを見て私は焦りましたが、基本的に夫は「様子を見よう」という姿勢を崩しませんでした。日本の場合はすぐに病院に行くことができますよね。インターネットで乳児湿疹について検索をしても、「医師に相談しましょう」という回答が一般的です。私一人の判断で病院に行くことは可能ですが、予約がなければ診てもらえない病院で、さらに予約をするにも全然電話が繋がらないなど、厄介な病院なのです。私一人では気が狂う可能性がありましたので、どうしても夫の助けが必要でした。
日本ほど病院に行くことのない国で育った夫は「様子を見よう」と言っていました。むしろ、私が騒ぎ過ぎである、乳児湿疹は誰にでも起こると腹が立つほど落ち着いて言われたものです。確かに体の部位で言えば肩と肘の内側、そしてお腹の一部だけなのですが、体の小さな息子にとってはかなりの広範囲になるじゃないですか!?また、夫からは「処方されたクリームをしっかり使い、お風呂に毎日入れないという主治医の言い分を守っていないんだから、まず言われたことを守って様子を見るべきだ」とも言われました。
夫は家事育児に協力的であり、この時にもしも私が「何があっても病院に行く」いう姿勢を見せていたら、きっとすぐに病院に電話をしてくれていたと思います。しかしその時点でそこまでするべきなのか自信が持てず、強気な姿勢を見せることができませんでした。ただ、夫に対して「毎回自分がおむつを変えたり着替えさせたりするわけじゃないからそんなことが言えるんだ!」と思ってしまった記憶があります。とりあえずその日の夜は、処方されたアベンヌの薬をもう1度息子に塗り、様子を見ることにしました。

急患

 症状の悪化

しかし翌日、また霧が吹いたような湿疹がお腹にできてしまい、私は焦って息子にシャワーを浴びさせ、体を洗いました。その後は良かったのですが、息子は徐々に機嫌が悪くなり、食欲もないように感じました。夕方になったらとにかく泣き、いつもは授乳しようとすれば泣き止むのに今回は泣き止まなかったのです。そこでこれはさすがに医師に相談した方が良いと考え、夫が病院に連絡を取ってくれました。
私たちが通うインターナショナルの病院は名前こそかっこいいのですが、連携が取れていないところがたくさんあります。案の定、24時間繋がるはずの救急の番号には繋がらず、病院の電話番号にも繋がらず、最終的には予約を取るための電話番号にかけ、「小児科にかけろ」と言われる中、何度も説明をして小児科に繋いでもらいました。折り返して主治医から電話があり、事情を説明したところ、これからでも診察してあげるからすぐにおいでと言われたのです。病院の外来は5時で終わりますが、その時点で夕方の4時半を過ぎていたため、急患で診てもらうことになりました。

 対処法

急患で主治医に診察してもらい、最終的には湿疹の原因が北京のひどい乾燥であるということが分かりました。お風呂に入れるタイミングを質問すると、主治医からは、お風呂そのものはいいんだけれど、北京の水はカルキが多く、赤ちゃんの肌には刺激が強すぎるから毎日お風呂に入れない方が良いのだと説明を受けました。夫がお風呂やシャワーのタイミングは夫婦間でも意見が分かれるのだと説明したところ、濡れタオルで体を拭くのは問題ないし、汗を流すためにさっとシャワーを浴びさせる程度ならば大丈夫だと言われました。そこで夫とは、1日置きにお風呂に入れ、お風呂に入れない時はお湯で濡らしたタオルで体を拭く、ということで合意しました。
この時は私が息子の湿疹に塗ったベビーローションやベビーパウダー、ワセリンなどを全て持参し、アベンヌの薬を使った後にお腹に霧状の湿疹ができたと話しました。主治医からは「それならアベンドはやめなさい」「ベビーローションとベビーパウダーはダメ、ワセリンは良い」と言われました。湿疹がそれなりにひどかったためステロイド剤を処方してもらい、「ステロイド剤を湿疹がひどいところに塗り、時間を置いてからワセリンを塗って保湿するように」「ワセリンは頻繁に塗るように」と指示を受けました。
お風呂に入れるタイミングや病院に行くタイミング、薬の使い方など戸惑うところがたくさんありましたが、処方されたステロイド剤を使って数日後、湿疹はほとんどきれいになりました。夫も「病院に行って良かった」と言ってくれています。

疑問は必ず解消すること

私は英語をしゃべりますが、医学用語になるとわからないものもたくさんあります。そのため、検診では基本的に夫が主治医と話をします。しかし今回、やはり納得できないことや疑問はその場で聞かなければいけないということを学びました。
また、赤ちゃんがいるならば、おむつを変えたり着替えさせたりと、赤ちゃんの1番近くにいる人間が何かを感じたのであれば、たとえ直感であったとしても重視されるべきだと感じました。子育てというのは時に孤独な仕事です。ゴールが身近にないため、周りから「それでいいと思う」「よく頑張った」と口に出して認めてもらえる事は滅多にありません。それに対し、不安でパニックなどを起こせば「騒ぎ過ぎ」などと相反することだけは言われてしまい、自分は母親として大丈夫なのかと悩んでしまうこともあります。しかし、やはり赤ちゃんのすぐそばにいる人間が違和感を覚えたら「騒ぎ過ぎ」と一言で片付けず、一緒に考えてあげてほしいと思います。

誤解のないように申し上げておきますが、うちの夫は本当に家事育児に協力的であり、今は息子の世話で手一杯な私の代わりに料理や洗濯など、ほぼ全ての家事をこなしてくれています。今回の件は、どのくらいお風呂に入れるのか、病院に連絡するべきなのかどうか、という「文化の違い」が招いたことだと思っています。
なお、ベビーローションやベビーパウダーについては医師によって考え方が異なります。医師によってはこれらを良いとする人もいれば、使わない方が良いとする人もいます。息子の主治医はこれらは使わないほうが良いとする人でしたが、もしもこれらを良いとする医師の下に通っているのであれば、その医師の言い分に従ってください。