世界の宗教!タイの4つの顔を持つ仏様

タイに在住する中で、仏教との関わりは大きいものです。例えば、会社の行事は何かと仏教関係の儀式となります。マンションのエントランスにも仏様の像がありますし、会社の10年記念式典の時なんかも、お坊さんを呼んで将来の安泰を祈ります。そこで、私が印象に残った会社の新オフィス1年式典での様子をご紹介します。

仏様はこのお方

 その名はプラッポーム

お祈りは、東西南北4つの方角にそれぞれ顔を持つ、プラッポームという仏様です。ヒンデュ教のブラマ神という世界を表現した神のタイ版が、プラッポーム。幸運と防護の守り神とされています。確かに、一見ヒンデュ教の神様?と思わせるような風貌です。しかもキンキンに全身金色で塗られているので、すごく目立つ存在で、いかにも守ってくれそうな気がします。仏様は、通常台座に座り、その周りには召使いや動物などの人形が飾られています。バンコクでプラッポームで有名なお寺は、エラワン寺で、バンコクの中心街にあります。

 どこにあるか

会社だけでなく、マンションにある仏様も同じ種類で、建物のエントランスによくある仏様ということになります。マンションの仏様は、毎日管理人さんが掃除からお供え物からちゃんと欠かせずお世話をしていますし、お祈りも欠かしません。同じマンションに住む住人の多くが、その神様の前を通る際に、両手を合わせて仏様に一瞬祈る姿も何度も見てきました。

お祈りの準備

 お供え物

オフィスのあるビルは50階ほどある高層ビルですが、仏様は1階のエントランス近くの外にいらっしゃいます。同僚たちと一緒に1階へ降りて、お祈りに使用するお供え物を準備します。ろうそく、御線香、お菓子、ココナッツ、バナナ、ジャスミンのお花、タバコ、そしてタイのお供え物には欠かせない赤色のソーダ水(ファンタ)です。いつから始まったかわかりませんが、おもしろいことにそのソーダ水にストローを差してちゃんと飲みやすいように仏様側に向けます。

 儀式にかかる費用

また、いくら会社の儀式とは言え、この費用は社員で持つ必要があります。一人120円ほどの負担です。私は仏教徒ではないので、経験のためにお祈りを一緒にしてもいいですが、費用まで負担となると、ちょっと違うかなと、多国籍多宗教のアメリカなどではありえないことかなと、思ったりもします。

お祈り本番

 お祈りの方法

出来れば、まず靴を脱ぎます。そして、女性は左回り、男性は右回りで線香を各方面4本ずつ差しながら、日本と同じように顔の前で両手を合わせ、御願い事をして1周します。この時、4つ異なるお願いごとをしても構いません。

 同僚たちを見真似て私も挑戦

普段はすごく明るい同僚たちですが、この時ばかりは静まり返って、すごく真剣な面持ちです。ここから、信仰心の強さがひしひしと伝わってきます。1周するのに、5分以上かけて祈っている同僚もいたくらいです。そこで、経験のため私も一緒になってやってみました。日本人の私としては、なんだか一気に4つもお願い事をするなんて厚かましいような気がしてしまって、私は4つではなく1つの御願い事を強く願うことにしました。このお祈りでかかった時間は準備も含めて約1時間くらいです。いくら忙しくても勤務時間内に、仏様へのお祈りは欠かすことなくするのがタイスタイルですね。こういう時に、タイの伝統文化を体で感じます。

現代のバンコクらしい風景

私たちのオフィスはバンコクの中心街にあるのですが、この伝統的に続く仏様への祈りと、周りに堂々とそびえ立つ高層ビルのアンマッチが何とも言えない風景です。それだけ経済発展しても、素敵なタイの文化だけは変わらないでほしい、と私は願います。

   

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA