イタリア人が考える人種差別とは~ジプシー、アフリカ編~

日本では、中国人や韓国人に対する差別がいまだに多かったり、逆に白人とのハーフとなればもてはやされたりと、日本独特の差別がありますね。それに対してヨーロッパでも独特の差別があり、それも同じく、自国以外の人々への嫌悪感や恨みで、特にジプシーやアフリカからの移民に対するものは大きな問題になっています。

国籍のないジプシー

 ジプシーとは

ジプシーの人々をご存知でしょうか。ジプシーは、日本にほとんどいないと思いますが、特にイタリアにはたくさんのジプシーが住んでいます。ジプシーは本来国籍を持たずに、定住することなく家を点々として暮らす人々で、祖先は東ヨーロッパのブルガリアあたりから来たのではないかとされます。昔、まだ国と国との国境がなかった頃は、特に問題にならなかったものの、現在特に移民に対して厳しいヨーロッパ諸国では、パスポートも持たずに好きに住みつくジプシーに対する嫌悪感が高まっているのです。

 トラブルメーカー

確かに、イタリアを旅行した際に母親にいきなり抱きついてお金を取ろうとしたのはジプシーでしたし、駅周辺にホームレスのような格好をしてうろついているのもジプシーが多かったのを覚えています。パスポートがないことで、仕事を見つけられない人が多い、さらに昔のように移動式のキャンプのような生活はもうできずに、暮らしていくにはそれなりの家が必要になったことで空き家に入り込んで勝手に住むようになったのは、泥棒のような行為ですが、住みついたジプシーを追い出すにも追い出す先の国がないのです。国籍がないとは一見自由のようですが、21世紀となってはもはや「トラブルを起こす人たち」とのレッテルを貼られてしまったのです。税金も支払わずに、勝手に住んでいるといって、多くのヨーロッパ人は怒っているのですが、誰もどうすることもできずにいます。

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アフリカからの移民

 深刻の移民問題

アフリカからの移民難民問題は日本でも大きくニュースになることが多々ありますね。2050年にはヨーロッパ住人の4分の1がアフリカ出身者になるといわれるほどに、移民の数は増える一方で、ヨーロッパではかなり大きな社会問題となっています。多くのアフリカからの移民がスペイン、または地中海のイタリアやギリシャに流れ着きます。その後よりよい暮らしを求めて、ドイツや北欧の国にたどり着きますが、たどりついた先で決してよい生活が待っているわけではありません。

 よりよい生活を求めて

特にイタリアにはアフリカ人移民が多いのですが、多くが無法に入国するために仕事に就くことが難しく、ジプシー同様に空き家探しを始めて勝手に寝床を作ります。最初は、食料はどこかから盗むなどして生き延びますが、多くがドラッグを売りさばき生活費とします。合法的に難民と認定されることはほとんどないといって良いので、不法滞在となりますが、戦火のアフリカで死ぬよりもましだというのです。

 右翼の方向へ

こうした状況で、現在イタリアでは右翼の政党「レガ」が少しずつ支持を得ています。法に従って高い税金を支払う多くの市民が、不法に滞在するアフリカ移民に対して憎悪を抱き、イタリア人の生活が困窮しているのに、なぜ移民を放っておくのかと憤りを感じているのです。私自身何度もイタリアを訪れていますが、駅に行けば、周りはアフリカ人だらけで、あまり安全な場所とは感じません。道を歩けば、アフリカ人が常にいるような状態で確かにイタリアに住むイタリア人にとっては、生活向上するためにターゲットとしたくなるのは理解できなくもない理論です。

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差別はどの時代にも存在する

悲しい事実ですが、どの国にもどの時代にも差別の対象となる人々がいます。ヨーロッパの移民問題は深刻で、特に経済が落ち込んでいるイタリアで移民が増加すると、世界第二次大戦の時のようにムッソリーニのような存在が現れて、民衆を間違った方向にコントロールしかねません。何とか戦争以外の方法で、よりよい移民政策を進めてほしいと思います。

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