これまで60か国を旅してきた私ですが、クウェート空港でトランジットした際は、なんだかおもしろい光景を見たなあという印象が残っています。他の空港にもあり得ることなのですが、とても独特な雰囲気が漂っていたので今回ご紹介したいと思います。
なぜクウェートだったのか
安さを求めて
ヨーロッパからの旅行の帰りに、ドイツからタイへのフライトを探していました。マレーシア航空が安かったのですが、当時は旅客機が行方不明になった事件があり命だけは取られまいと2番目に安いKuwait airwaysを予約しました。フランクフルト発クウェート経由バンコク行き。イランとサウジアラビアに国境を接する国に降り立つと両親へ連絡した時は、お願いだから航空会社を変更してくれと頼まれましたが、元々安いチケットだったためキャンセル不可。両親には絶対に次回からは安全な国の航空会社を選ぶように、と忠告を受け、そして遂にフライト当日。
フランクフルト空港にて
フランクフルト空港の専用カウンターに向かうと、何やらいきなり怪しい雰囲気。怪しいと言ったら本当に失礼に当たるかもしれませんが、でもヨーロッパを旅していた中でいきなりカウンターの周りに洋服ではない黒や白のワンピースのような服装(ディスダッシャーと呼ばれるらしい)の人たちで溢れていて、もはやカウンターに到着した時からクウェートへ入国したかのようなのです。アジア人と思われるのは私だけ。こんな旅の始まりだったのですが、いざ飛行機に搭乗してみると、もっと面白かったですね。クウェートのフライトアテンダントさんはどんな人なのだろう、とか、どんな音楽がかかっていて、どんな装飾があって、どんな食事なのか。。旅の始まる前から色々疑問があったので、それを色々謎解きしたかったのです。
クウェート航空のなぞ
そして、搭乗の時間に。
フライトアテンダント
まず、フライトアテンダントさん。私の勝手なイメージは、クウェートはイスラム教の国なので、女性は働いていない。または、働いていたとしても顔以外は露出しない服装で業務にあたっている。。。それが、全く違いました!普通にいる!というか、メイクもばっちり、髪型もばっちり、スカートの女性はおらず、上から下まで確かに肌が見えないような服装でしたが、でもイスラムの国とは思えない、洋服です。他の航空会社のアテンダントさんと変わりなく、業務にあたっていました。
音楽
聴いたことのない曲。クウェートで流行っているのかな。。でも間違いなく欧米系ではありません。
装飾
たまに個性的は装飾をした航空会社があるので、ちょっと楽しみにしていましたが、これも普通。照明の色が青色で、これはJALやANAではありえないという感じでしたが、そこまで驚くほどでもないです。
食事
食事も何かと思えば、本当に一般的なもの。驚いた食材などは特にありませんでした。
このように、これがクウェート!というほど、物凄く特徴のある機内ではなかったのですが、いつもと違う点といえば、基本的になにもかも地味。カラフルなもの、ギラギラしたものは目につきません。さらに、機内の雰囲気を作っているといえば、やはり乗客。クウェートの人かどうかは全員に聞くことはできませんが、服装で明らかにわかるアラブ系、イスラム系の人はみんなすごーく静か。たぶん、これがお国柄、なんだと察しました。隣に大国を抱える小さな国は細々と暮らしているうちに、国民は静かになったのではないかと。。。
クウェート空港の実態
そして市街から南に16kmに位置するクウェート空港が段々近づいてきて、夜だったので街の光がくっきりと見えだしました。ほぼ全ての光がオレンジ。しかもちゃんとまっすぐ列に並んでいて、くねくね光が並んでいるものはあまり見当たりません。全体的に暗いですが、何とか無事に上陸。ここから、遂にクウェート空港の中に潜入です。
とにかく暗い
到着して驚くのは、空港内の暗さです。本気で電気がついてない。だから余計怪しく見えるんですよ、この空港。節約?電気不足?夜だから、空港で寝泊まりしている人のために軽い消灯?色々考えたのですが、それにしても暗いです。1928年に造られたというので、なんだかタイムスリップした気分。ちょっとあまりに怪しい雰囲気に、自分を落ち着かせるために、誰か安心して話のできそうな人を探してしまいました。。。
イスラム系の男性たち
そして、私が本気で探したのは、女性。その辺に見当たるのは、みんなディスダッシャーを着た男性たち。でも顔の様子を伺っていると、やはりどこか純粋さの残る顔というか、他のアラブ系の大国で見てきたイスラム教の男性たちとはどこか違う控えめの雰囲気で、このちょっとした時間でもどれだけクウェートがのどかな小国であるか、感じられた気がします。それはともかく、とにかく、洋服を着た女性がいないか、空港中をキョロキョロ、ウロウロ。乗り継ぎの時間が4時間はあったので、どこか安全でくつろげる場所を探したかったのです。何か、少しウトウトしている間に男たちに囲まれて襲われないかとか、貴重品を盗まれないかとか、不安感を脳いっぱいに100回くらい巡り巡りさせて。バンコク行の搭乗口近くにはアジア系の女性やバックパッカーの欧米人が何人かいたので少しだけ安心しました。でも、そこには、あまりゆっくりできそうなスペースがなく、仕方なく他の場所を見つけに行くことに。空港中をウロウロしているうちに、少し明るい廊下を見つけたので、そこで座って父親に一報をいれることに。私は生きています、と。無事に何事もなく、残りの時間を過ごすことができ、改めて搭乗口に行くと、多くのタイ人らしき女性たちと欧米人が。あぁ、よかったあ。なんだか、久しぶりに自分の家に帰ったような居心地感。こうして、地味だけど、何ら変哲もない飛行機に再び乗ってバンコクへ戻ることができたのでした。
安全第一
あまり知られていない航空会社に乗るのは、不思議と不安が大きいものです。旅慣れた私も、ちょっといつもとは違う雰囲気にドキドキしてしまいましたが、これが旅のいいところ。でも、戦争中の国の空港へ着陸や、事故の多い航空会社はなるべく利用しないように気を付けましょう。
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