イタリアに15回訪問、6ヵ月レストランで働いた経験があり、現在はイタリア人の彼氏がいる28歳女性です。そんなイタリア好きな私ですが、イタリアを観光するのと、実際に住んだりイタリア人と多くの時間を過ごすことは全く異なること。そこで、イタリアで暮らすとこんな裏側が見えてきちゃう。。というびっくりエピソードをご紹介しようと思います。
銀行の窓口
なかなか担当者に会えない!
イタリア、ローマのレストランで働いていたとき、レストランのオーナーの家に居候していたので、毎日車で一緒に出勤していました。オーナーなので、レストラン以外でもやることはたくさんあって、よく行ったのは銀行。日本であれば、銀行へ行けばドアマンがいて、用件を聞かれて待受番号のレシートをもらって、呼ばれたら、受付で丁寧に対応してもらえるのがほとんどですよね。イタリアではこうです。ある日オーナーが銀行に用があるというので、いつもより早めに家を出発。到着するとそこは街の中心地の大手銀行です。午前中の朝早い時間で人混みもなく、少し待てば受付まですぐ辿り着けそうな様子。5分くらい待ったところで呼ばれた通りに2階へ行ってみると、誰もいません。そこで他の窓口へ行って、~の件で~とお会いしたいのですが?と聞くと、5分ほどで担当者が戻ってくるはずだから待ってくれというのです。まあ待たされるのは世界共通のこと。待たされても待たされても誰も来ないときもあるのが海外です。こういうときは、腰を据えて辛抱強く待つしかないかと思っている矢先、オーナーが、なんか待ってても来なさそうだからとりあえず外へ出ようと言いました。
え?あの人って・・・
待たされるときにすぐ寄りたがるのがイタリア人。これがザ・イタリア文化のバールです。日本でいうカフェですが、イタリアではバールと呼ばれ、お決まりのコーヒーやクロワッサンなどの甘いパンやお菓子が並び、朝食時や昼食後などは特に混雑します。テーブルに座らなくても、立ち食べ飲みが可能で、一日に何度でも寄れるような雰囲気です。エスプレッソを好むイタリア人が多いので、本当に早い人は、お金を払った瞬間に一口で飲み干して出てっていく人もいます。とにかく、そんなバール文化のイタリアで私も担当者を待ちぼうけするべく、カプチーノを注文。と、そのとき!担当者発見です。休憩時間でもないのに、なんと呑気にコーヒーを飲んでいる。。。こっちはお客として待たされているのに。信じられない。仕事放棄かとも思いましたが、オーナーは慣れた感じで、よくあるって顔をしていました。イタリアではそういうことが簡単に許されてしまう。。もちろん仕事中も何回かはお休みが必要だし、飲んだり食べたりたばこを吸ったり談笑したり、、もちろんいいけど、でもこっちは大分待ってるんだからさっさと自分の席に戻ってくれと思うわけですよね。待っている分、私たちもレストランでの仕事ができないわけですから。それから10分くらいしてやっと重い腰を上げて銀行へ戻るようだったので、やっと一安心して銀行へ向かいました。。。銀行に足を踏み入れてから30分以上は経っていたと思います。。。イタリアの経済状況良くないのは、こういうところからも読み取れます。
南アフリカ人のホームレス
思い出のシチリア島観光
仕事が休みの際に、シチリア島に遊びに行った時のことです。友人が街の色々な場所に連れて行ってくれましたが、その中でもいつも散歩に行く家の近くの公園がありました。公園は、イタリアにはよくある落書きや犬の糞が落ちていて、物凄く美しい公園ではないものの、海に面しているので遠くを眺めれば美しい公園にいるようでした。何度か行ったときに、いつも同じ男性に出会うことに気付いたのです。スラっとした体形で、白い肌にブロンドヘア、ひげもじゃでなかなかハンサムなお方です。でも、なんかおかしいんです。いつもそこにいる。しかも服があまり綺麗じゃない。なんでかと思って、今日は彼の様子をちゃんと見てみようと決めました。んーなんか、シェルターのようなところに住んでいるっぽいじゃないですか。
思い切って話しかける!
ドキドキしながらも、海辺を散歩しているマネをして話しかけてみました。すると英語が達者で、好印象。ハンサムなだけじゃない。なんでこんな素敵な男性がこんなところに住んでいるのか、本当に疑問でした。友人は遠くにいたので、いつ襲われるかすごく怖かったですが、色々聞いてみると素性を話してくれました。本当かどうかは別として。南アフリカに、家族がいるそう。でも奥さんとうまくいかなくなって、それ以上祖国にいるのも嫌になった。そこで、ヨーロッパに渡り、アフリカから近いシチリア島に移り住んだ。でも定職に就くわけでもなく、ふらふらしているうちにビザの有効期限も切れ、イタリアから出ることができなくなり、ホームレスとして不法滞在しているというのです。そんな人に出会ってこうやって普通に話してるなんて。。。でも、旅人の私もふらふらするという意味では共通しているせいか、なんだか意気投合してしまって、海に飛び込んで一緒に泳ぐことに。濡れた体でさすがにここで襲われるかもと思っていたが、全くそんなことはなく、泳ぐことが好きなことも共通点だったらしく、すばらしい透明度の海で、本当に楽しい時間を過ごしたのです。そのあと、じゃあまた。と言って、公園を去ったっきり、その公園に戻ることはありませんでした。今頃あのハンサムなお方は元気かな。。。
最後に
イタリアは表は綺麗だけど、色々と裏の事情を知るとなかなか難しい国です。マフィアの存在や、賄賂の横行、経済状況の悪化で多くの国民の生活が苦しい状態になっているのも確かです。少し住んでみると面白いと思える部分と大変に思える部分がありますが、それでもイタリアの美しさとイタリア人の陽気さはいつも私を元気にしてくれます。観光で行かれる方も、ぜひ、住んだ気持ちで色々とイタリアの裏の顔を覗いてみてください。
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