アメリカ人だとおおらかそうなイメージがあったり、フランス人だったらフランス語しか話さないようなイメージがあったり、その人の出身国に対しては様々なイメージがありますよね。私の夫はベルギー人ですが、ベルギーと聞くとやはりビールやチョコレートを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ここでは、ベルギーの人とはどういう人なのか、ということについて紹介します。
ベルギー人だからといってベルギー出身とは限らない
これはヨーロッパならばベルギーに限ったことではありませんが、ヨーロッパには様々な国があります。そして、EU協定によりEU国籍を持つ人は、EU国内を自由に動き回ることが可能となります。そのため、ベルギーで生まれたからといってベルギーで育ったとは限らない可能性があります。
育った場所は異なる可能性がある
私の夫はドイツ育ちであり、ベルギーで暮らした経験は実はほとんどありません。大人になってからベルギーで少し生活をしたことがあるだけで、基本的にはベルギーの外で育ちました。そのため、本人は「出身はどこですか?」という質問を嫌がります。国籍はベルギーだけれど育ちは基本的にドイツ、そしてそれ以外にも様々な国家で生活をしていますから、特に「ここ」といった場所がありません。
他にも、ベルギーの人と話をしていると主にドイツで生活をしていたり、オランダで生活をしていたり、という人をたくさん見かけます。そのため、ベルギー人だからといって全員が全員ブリュッセルで育ったというわけでもないし、アントワープで育ったというわけでもないのです。
言語が多種多様
ベルギーの公用語はオランダ語、ドイツ語、フランス語です。そのため、ベルギー人だからといって全員が全員同じ言語を話すわけではありません。公用語が複数ある国家ならば同じですが、同じ国の人間同士であっても話す言語が違う、ということがあるのです。
しかし、そうとは言ってもさすが様々な言語の中で生活をしているからか、2カ国語以上話せるという人も珍しくありません。また、ほとんどの人が当たり前のように英語を話します。そのため、自分の母国語が通じないとなれば、他の言語で会話することができるため、母国語が違うからといって困る事はほとんどないようです。
直接的な表現を避ける
特にベルギーの人は、職場などで相手に何か指摘しなければいけない場合においても直接的な表現を避ける傾向があります。日本も同じであると思うかもしれませんが、日本とも少し違うようです。
その人の言い分をよく聞かなければならない
例えば、日本では「お茶を出されたらそろそろ帰り時」というパターンが決まっていますよね。相手から冠婚葬祭を理由としてドタキャンされてしまった場合、もしかしたら冠婚葬祭では無いかもしれないけれど少なくともこの人には常識がある人だということがわかります。日本語を知っていれば、本当のところはどうなのか、ということが把握できることばかりですよね。
ベルギーの場合はそうではなく、とにかく遠回しに物事を表現しようとする傾向があります。特にこの店はオランダと異なるようで、オランダ人は比較的はっきり物事を表現して何が必要なのか、何が欲しいのか、ということを表しますが、ベルギーの場合は遠回しに表現するため、とにかく人が何を言っているのか、一生懸命判断しなければいけません。
誤解が生じることもある
この場合、日本人のように日本語さえ知っていれば何が起こっているのかわかる、実際は何を言われているのか判断できる、という事とは違い、人によって言い分や言い方が変わってきますから、誤解が生じることがあります。例えば、ある人がAと言い、また違う人がAと言ったからといって2人が同じことを指しているとは限らないのです。
特にベルギーでずっと育ったわけではない人にとっては、このような考え方はわかりにくいと思うところがあります。ずっとベルギーで育ったならばこの考えに慣れているのですが、さすがに他の地域で育ったりすると他の地域の影響が多くていますから、ベルギー人は何を言ってるのかわからないと思ってしまうことも珍しくないようです。
家を自分で建てようとする
ベルギーは、アパートではなくて一戸建てが一般的です。しかし、経済的に不安定な時代を迎え、ベルギーの人は自分たちで家を建てようと努力をしてきたという傾向があります。
「お腹の中にレンガを抱えて生まれてきた!?」
不動産屋や建築業者にお願いするとその分お金がかかりますし、この不況のためにローンが借りられないということもあります。そのため、自分たちで家を建てようとする人が多く、街中には例えば「窓の店」など、家の部品を取り扱う店舗もたくさんあります。このようなお店に行き、自分の家を作ろうとする人たちがいまだにたくさんいます。そのため、「ベルギー人はお腹の中にレンガを抱えて生まれてきた」という諺が存在するのです。
見た目が悪いこともある
ベルギーからドイツに電車で行った時、もちろん目に見えた国境線など存在しないですし、「ここからドイツ」という看板があるわけでもないのに、なんとなく見た目の雰囲気が変わったと思った瞬間がありました。家の雰囲気が大きく変わったとでもいいましょうか。そこから「あ、ドイツに入った」ということがわかったのです。
つまり、自分たちで家の設計をし、建設し、必要に応じて増設していくベルギーの家々に対し、ドイツはプロがすべて行っていますから、やはり見た目にも違いが存在するのです。素人が設計した場合とプロが設計した場合では、もちろん見た目のおしゃれ感も全然違います。また、ベルギーは効率的な建築ではないことも多く、例えば1階部分は自分たちのものだけれど、2階部分には他人が住んでいる、などという不思議な現象も起こるのです。
小さな大国ベルギー
ベルギー人の特徴と言っても、必ずしも全ての人に当てはまるというわけではありません。また、ベルギー国内で過ごしてきた人と、ベルギーの外で育ってきた人とでは考え方も違いますので、必ずしも「ベルギー人はこうだ!」と決まったものは何一つありません。
しかし、やはりお国柄というものは存在しますし、大体ベルギーの人とはこういう人、という考え方も存在します。ベルギーと言えばヨーロッパの中では小さな国ですから、日本でもあまり知られていないことが多いです。しかし、様々な魅力がある国なので例えばヨーロッパへの観光を考えているならば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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