パキスタンの人と働いて得たもの

現在40歳になる会社員です。正社員として初めて勤務することになった製造現場において、パキスタン国籍の人と6年ほど仕事をさせてもらいました。その時の様々な思い出や出来事を振り返りつつ、外国の人と楽しく仕事をするためのアドバイスをお伝えしたいと思います。

言葉の違い

 継続こそが成功への道

会社が公用語として英語を使うなどということを決めていない限り、外国人と一緒に働くためにはまず言葉の壁というものにつまずくことが多いと思います。私の同僚の日本語はかなり片言でしたから、日本人同士のような円滑な業務連絡を取る事はまず困難でした。
しかし同僚の日本語が上達し、彼らの聞き取りにくい英語も何度も会話を重ねると徐々にわかるようになったため、お互いに都合よく理解し合える範囲で日本語と英語をうまく使い分けながらコミュニケーションをとっていました。その結果、次第に日本人とほぼ同様に円滑な業務連絡が取れるようになり、仕事の事のみならず、プライベートなこともたくさん話せるようになりました。

 非言語コミュニケーションも大切

コミュニケーションには言語を使う言語コミュニケーションと、言語を使わない非言語コミュニケーションいうものがあり、実は非言語コミュニケーションが全体の7割を占めていると言われています。
私たちも、時には私が片言の日本語で喋ってみせたり、アドリブやジェスチャーを使ったりして会話を成り立たせるということがありました。相手にどのように伝えるかいろいろ工夫をしたり、その結果うまく伝わって喜んだりなど、最初は辛く感じたことを楽しめるようになっていったのです。

 意思疎通を大切にする

確かに公用語を設けておくのが1番有効だと思います。私たちも意思疎通が取れるようになるまで数ヶ月間は本当に大変でした。しかし、意見が通じ合うことを認識できた時の喜びは本当に格別でした。
私たちは決してお互いの言葉をマスターしたわけではなく、言葉の意味も理解できないことがたくさんありました。イントネーションでお互いに何を求めているのか徐々に感じ取れるようになり、人として近しい存在になれたように感じています。
もちろん、ビジネスでは円滑な業務を行うということが先決ですが、言葉が通じなくても意思疎通を大切にすることによって言葉の壁は乗り越えられると思っています。国籍や言葉の違いなどを言い訳にせず、柔軟に相手の考えや立場を理解しようとする姿勢、尊重しようとする思いが大切なのだと思います。

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文化の違い

 信仰している宗教に対する意識

外国の人と仕事をする場合、日本人とは異なるライフスタイルに寛容な姿勢が求められるのではないでしょうか。これは私の個人的な見解ですが、パキスタンの人たちの宗教に対する崇拝の意識には非常に深いものを感じました。
業務を中断して礼拝したり、断食による休憩時間の調整が施されたり、宗教にまつわる時間と食事の制限には色々と考えさせられるものがありました。例えば、彼らが断食をしている期間などは私たちも彼らの目の前で食事をしないように配慮したり、様々な注意事項がありました。

 食事に関して

宗教上、彼らの食事にはある程度の制限があったため、親睦会などでは食事の内容にも常に配慮が施されていました。
食事の好みにも日本人とは差があったようで、彼らは香辛料の強い料理を好み、昼食は手作りのカレーなどをよく持参していましたが、香辛料の香りは日本人が食べるようなカレーよりも少々きついような気がしました。
一部の日本人の従業員たちは臭いに敏感で、まれにパキスタンの人たちの食事の香辛料を気にしていましたが、私は勧められるままに試食し、とてもおいしいと感じたことをよく覚えています。不思議と香辛料の不快さはなく、コクがあって美味しかったです。
どうしても匂いや見た目が日本と異なると違和感を覚えてしまいますが、相手のものを受け入れるという姿勢が重要なのです。

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容姿の違い

 人種による見た目の違い

外国人の中には、日本人の感覚からすると違和感を覚えるような容姿の人もいます。しかし、それはあくまでも文化の違いだと認識をしなければいけません。
容姿の違いは同じ日本人にもありますが、外国人であれば顔の彫りの深さ、目つきや肌の色など、さらにその違いが多岐に渡ります。私の同僚の中には色黒の肌に細くて鋭い目つきをした人がいて、体も大きかったため迫力を感じていましたが、とても気さくでジョークの大好きな優しい人でした。

 日本人がマイナスのイメージを持ちがちな容姿

行き過ぎた宝飾品やタトゥーなど、マイナスのイメージを持ってしまうものもありますが、日本と文化の違う外国ではそれが普通だということを忘れてはいけません。日本国内でマイナスだからと言って、海外でも同じだとは限らないのです。むしろ日本人の感覚の方が外国から理解されないことも少なくありません。
確かに見た目や第一印象が肝心という理屈はわかりますが、国を越えて文化の異なる外国人と一緒に働く時、外国人に対して日本の常識を完全に当てはめてしまうのはおかしいと思うのです。日本における社会人としての身だしなみを相手に求めるのではなく、相手の文化を理解し、尊重した上でコミュニケーションを図ろうとすることこそが大切だと思います。

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人と人、という認識を忘れてはいけない

グローバル化が進む昨今、これからは日本国内においても一部の人だけが外国人と関わり合うのではなく、より多くの日本人がより多くの外国人と関わる時代になっていくのではないでしょうか。
確かにグローバルなスキルを身に付けることも大切ですが、国は違えど、人と人という認識を決して忘れてはいけません。日本人だから、外国人だから、ということにとらわれるのではなく、お互いに考えや立場を尊重し、支え合っていく姿勢が必要だと思います。

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