あっという間の1週間でした。皆さん、お元気ですか?因みに、先週末からフランスはサマータイムに変わっています。これで、日仏間の時差は、8時間から7時間と1時間だけ短くなりました。何となく、日本が近づいたような気分です。
さて、今週のフランス全土を飾った主な話題は、「仏義務教育6歳から3歳へ」、「アマゾン社とスーパーモノプリと提携」、「ニューカレドニア独立国に?」、「パリで2つの追悼式」の4本です。
仏義務教育6歳から3歳へ引き下げ
27日、マクロン仏大統領は、義務教育の適用年齢を現行の6歳から3歳へ引き下げると発表しました。
対象家庭はわずかながらも
フランスでは、共働き家庭が多いことからか?、3歳から幼稚園に入学している割合は、すでに97%近くあり、実際に対象となる園児数はわずか2万6千人ほど。今回の学齢引き下げの影響を直接受ける家庭はほぼ少数派とのことですが、フランス国民教育省では、3歳時における教育の影響を重要視して、この度の方針を固めました。2019年9月より正式に適用するとのことです。
新たな配置体制が必要
しかしながら、どんなに小さくても改革には費用が掛かるもの。今回の新たな改革で、約800カ所もの新しい配置部署を創出しなければなりません。そのための予算も大変です。すでに、経済困難区域の小学校の1クラスの生徒数を半減するという改革、大学進学手続きの改定、バカロレア制度と職業育成教育の改革等々、新政府になってから、次々と新たな改革方針が打ち出されました。それに伴う新しい配置体制にかかる費用は、馬鹿になりません。
今の仏政府にそれだけの余裕があるのか、ちょっと疑問です・・・・?
アマゾン社とスーパーモノプリ提携
パリ市内やパリ近郊に住んでいる人なら、誰もが知っているスーパーモノプリ( Monoprix)。今回は、このモノプリ(Monoprix) の耳寄りな情報です。
この度、米大手ネット通販会社のアマゾン社と、フランス大手スーパーのモノプリが提携しました。
食料品配送サービス
これを機に、アマゾン社では今まで手掛けていなかった新しい分野、食料品配送サービスに乗り出しました。他方、スーパー・モノプリでもまた、出遅れていたネット通販サービスを強化できるという、お互いに持ちつ持たれつのコマーシャル作戦というわけです。
1時間以内に配送
手始めに、パリとパリ近郊がターゲット。アマゾン・プリームの定期会員となっているパリジャンは、ほんの1時間以内にモノプリの食料品を配送してもらえるというものです。また、アマゾンのサイトからモノプリのe-Boutiques で買い物もできるという一隻二鳥の便利さです。
ニューカレドニア独立国に?
日本では、南太平洋に浮かぶリゾート地としてとても人気の高いニューカレドニア島ですが、ここは、フランスの海外領土の特別自治体です。原住民の数々の激しい独立運動の末、1998年に当時のフランス政府はヌメア協定を締結しました。その中に、フランスより独立するかどうかを決定する国民投票を2018年中に実施することが決められていたのです。
投票日は11月4日
これに伴い、フィリップ仏首相は28日、投票日は11月4日に実施するとの発表をしました。今後の課題は、国民投票の質問事項のあり方を協議決定することだそうです。
さて、ニューカレドニアは独立国となり得るでしょうか?
パリで2つの追悼式
今週28日、パリで2つの追悼式がありました。ひとつは、前回の「パリ・ニュース」でも紹介しました、仏南部カルカソンヌ近郊のスーパーで起きたテロ襲撃事件で、人質の身代わりとなって死亡したアルノー・ベルトラム中佐を悼む国民追悼式。もう一つは、このテロ襲撃事件と同日にパリで起きた反ユダヤ殺害事件で、高齢のユダヤ人女性ミレーユ・クノル (Mireille Knoll)さん(85歳)が「反ユダヤ主義」の元に殺害された事件に対する「ユダヤ人排斥主義 (Antisémitisme) 反対」の追悼市民行進デモです。
「アラー・アクバル!」と叫んで殺害
反ユダヤ殺害事件の容疑者は、2人の若い男性で、内1人はクノルさんとは近所の知り合いだったとのこと。もう1人の男性容疑者の証言によると、クノルさんを殺害した男性は、殺害時に「アラー・アクバル!」(アラー神は偉大なり!) を叫んだということです。
どちらもイスラム過激主義の色濃く
「週間パリ・ニュース⑥」(2月5日付) でも紹介したパリ近郊、サルセル市で起こった事件、男の子がキッパを着けていたために襲われた反ユダヤ事件でもあったように、今でもなお、このような「反ユダヤ主義」が根底に流れている事件は、イスラム過激主義が大きくなればなるほど、増えている傾向にあるようです。
コメントを残す