タイのドラッグ市場の恐怖

煌びやかな文化に、青い海と空、多くの観光客で溢れるタイ。そんなタイにも裏の顔があります。それは薬物が横行する社会であるということです。数日間タイを旅行するくらいではその恐ろしさは見えないかもしれません。しかし、タイに数年間在住して見えてきたタイの別の顔があります。

タイにおけるドラッグの現状

 ドラッグの輸入ルート

一番有名なドラッグの輸入、製造地域がゴールデントライアングルと呼ばれる場所です。北部タイはラオスとミャンマーと国境を接しており、ここにいくつもの輸送ルートが存在します。ラオスやミャンマーで製造されたドラッグは、国境付近まで現地の運び人が運び、タイとの国境からタイ人の運び人が北部のアジトまで運ぶケースです。

 主なドラッグの種類

覚せい剤(タイ語でヤバ、英語でアイスと呼ばれる)やアシシュ、マリワナ、MDMAそして昔からオピウム戦争でも有名なオピウムも今でもたくさん製造され密売されています。ヤバは1タブレットが7バーツ、約25円くらいで入手可能なために、所得の低い多くのタイ人が購入しています。マリワナに関しては、タイの観光地に行けば道端でも簡単に手に入れることが可能です。観光で有名な繁華街を歩くだけで、吸うものがあるがいるか?と聞いてくるタイ人がいたり、レゲエバーでオーナーが売っていたりと、薬物はかなり身近に存在しているのです。

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タイ国内でどのように使用されているのか

 タイ人による使用

タクシーやトュクトュク、長距離トラックドライバーなど長時間労働者による薬物の使用が多いとされます。人が多く行き交うバンコク市内の道端でも吸引器具などの薬物摂取に使用される道具が普通に売られています。特にヤバは低価格で簡単に入手できるために、数時間に1度アルミフォイルにヤバを1錠載せて、火であぶることでその煙を吸引している者が多いといいます。その低価格さは未成年者の使用にも繋がっており、タイのリハビリ施設には10代の姿も見受けられます。使用者の多くは男性で、養わなければいけない家族がいるにも関わらず、薬物に手を出しお金を使い果たすなどして、大きな社会問題になっています。事実、私がトュクトュクに乗った際、明らかに行動がおかしいドライバーに出会いました。ひたすら鼻をすすり、瞳孔が安定せずよく左右に動いていて、クレイジーにバンコクの街を運転するのです。途中で降りようかどうか迷ったくらいですが、何とか事故に遭わずに目的地に到着することができました。

 外国人による使用

主にタイ北部がドラッグが多く収集される地域になるため、多くの西洋人が質の良いドラッグを求め北部へ向かいます。確かに、私が北部の街チェンマイを旅した際にホステルで出会った西洋人の多くはある決まった小さな街へ皆向かうと言っていました。それは、ドラッグが簡単に入手でき、ヒッピーが多く集まる場所だったようです。また、タイではビーチパーティやレイブが多く開催されるために、欧米諸国同様にMDMAはタイ南部でも多く売買されます。西洋人の購入者は多く、1g8000円~の値段で取引されているようです。

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取締りは年々厳しく

 ドラマのように警察が押し入る

こういった状況の中、警察による取り締まりは年々厳しいものとなっています。2018年である今年は、バンコク市内のバーやクラブが夜12時で全て閉まるような週末が何週にも続いたこともありますし、クラブにいきなり警察が押し寄せてクラブを締め切ってドラッグテストを実施したことで逮捕者が出たこともあります。その際に外国人と未成年者の飲酒やドラック使用も確認されています。さらに、道路でもよく検問を実施しています。所持品を調べられたり、ドラッグテストを行ったりと、使用者が出そうなエリアや時間にはいつ警察が現れてもおかしくないような状況です。

 根本的な解決を

街中で消費者を取り締まるよりも先に、輸送ルートやタイ北部の売人アジトを徹底して取り締まるべきです。フェイスブックをたまに見ると、警察がアジトを押さえて、何億円にも相当する何トンものヤバが見つかった、とのニュースを見かけることがあります。警察はバーなどの営業を強制的に止めたり、最終消費者を街中で逮捕するよりも根本的に北部からの輸送ルートを絶たなければ解決することはできません。

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今後の課題は

この通り、タイは素晴らしい自然に囲まれた楽園のように見えがちですが、多くのタイ人は物価高やいつまでも整備されない社会保障システムに苦しんで、薬物に逃げているのが現実です。まだまだ先進国の援助が必要ですし、教育制度を整えて未成年者の薬物使用を絶つような社会作りが急務でしょう。観光でタイを訪れるようなことがあれば、ぜひタイの裏側にも目を向けてみてほしいと思います。

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