アメリカの医療保険会社シグナと世論調査会社イプソスが2万人を対象に孤独に関する調査を行いました。その結果は驚くべきもので、アメリカ人のおよそ半数が日常的に孤独感や疎外感を抱えており、その傾向は特に10代後半の若者に顕著だったそうです。
今回の調査ではUCLA孤独感スケールという孤独や社会的孤立を評価するために考案された20の質問を対象者に答えてもらう形で行われました。43ポイント以上が孤独感があるかどうかの基準となっています。その結果、対象者の4分の1以上が自分を理解してくれる人はいない、約半数の人が自分の人間関係は無意味であると感じていることが分かりました。意外なことに調査結果にはSNSをやっているかどうかは影響していなかったそうです。
日常的に友人ときちんと会話を交わしたり、家族と良好な時間を過ごしている人はアメリカ人のわずか53パーセントだったというこの調査。人との密接なつながりを全く感じない人は20パーセント、話し相手がいない人は18パーセントにも及びました。
2017年にはアメリカで興味深い研究結果が発表されました。7年間かけておよそ30万人を対象に行われたこの調査は孤独と若年死に関するメタ解析実験。これらのデータから社会的に孤立している人と、人間関係の豊かな人の生存率を調べました。その結果、孤独を感じている人よりも人間関係が豊かな人の方が生存率が50パーセントも高いことが判明しました。
現在アメリカでは25パーセント以上が一人暮らしをし、既婚率と出生率は下がる一方、高齢化が急速に進んでいます。アメリカではあらゆる年代でうつ病や不安神経症が急増。抗うつ剤の使用量も年々増加しています。
長引く孤独は精神面だけでなく健康状態にも影響を与えます。これは決してアメリカだけの問題ではないのかもしれませんね。
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