週間パリニュース!政治家にとっても大切な農業国際見本市開催

今週に入ってから大寒波で、フランス中が凍っています。先週「春はそんなに遠くない!」なんて思ったのは大間違いでした。明けても暮れても、テレビの話題は記録的な大寒波のことで始まり、大寒波で終わる毎日です。
というわけで、今日の話題は「モスクワ→パリ大寒波」。他に2本「パリ農業国際見本市」、「通り魔痴漢に罰金90€」です。

「モスクワ→パリ」大寒波

今、フランス中が大寒波で凍りついています。朝から零下6℃から12℃、午後になっても0℃を超えることがありません。今週火曜日にすでに4人の凍死者を出したこの大寒波は、「モスクワ→パリ」と名付けられ、世間ではモスクワからの有難迷惑な贈り物と呼んでいる人もいます。というのも、まさにモスクワからパリへ向けて大寒の波が、天気図にしっかりと写りだされているからです。
「モスクワ→パリ」はフランスだけではなく、イギリス、ドイツ、ベルギー、スイス、オーストリア 、ポーランドなど北東欧州に襲い掛かっています。

 快晴なのが不幸中の幸い?

あえて我慢できるのは、先週末からずっと素晴らしい好天気に恵まれていることです。耳がツーンと引っ張られるような寒さでも、晴天の青空に太陽が輝いているのを見ると、大寒波も許せる?とパリジャンたちは慰め合っています。しかし、道路の凍結、飛行場の運行遅れ、鉄道の不通と、公共交通網には多大の影響があるのは避けられません。
・温度と感度って何?
因みに、最近のフランスの天気予報は、「温度と感度」に分けて予報するのが習わしとなっています。温度とは、そのまま実際の温度ですが、感度とはその時のお天気状況、例えば風が強かったりすると、実際の温度は0℃でも肌身に感じる温度は零下5℃以下という具合です。
なるほど、「モスクワ→パリ」は強風というおまけ付きの贈り物なので、感度は文字通り身にしみる寒さで、みんなグラグラ凍結づいています。日本の感度はどうですか?

 ホームレスへの対応が問題化

冬は、ホームレスの人々にはつらい季節。ヨーロッパでは、先週の金曜日からすでに30人近い死者を数えています。パリでは、パリ東北部、ポルト・ドュ・ラ・ヴィレット(Porte de la Villette) にある緊急避難センターに169名のホームレスが避難していますが、これだけでは余りにも不十分で、政府はさらに2000件のベッド数を補充するとの決定をしましたが、それでも追いつかない、といった状況です。

パリ農業国際見本市開幕

この大寒波の中、毎年初春に開催されるパリの農業大見本市が、今年も恒例通り先週末から開幕しました。この見本市の歴史は古く、1843年の牛肉用養牛コンクールが最初のきっかけでした。因みに、フランスはヨーロッパ最大の農業国です。フランス人の農業に対する熱情は、今でも根強く人々の心に生き続けています。それが証拠に、パリを少しでも離れると、延々と田園や放牧地帯が続く風景を見ることができます。

 「食」を大切にするフランス人

アメリカ式の酪農や農作物の大量生産の波は、確かにフランスにも上陸してはいますが、小・中農家では、オーガニック農作に切り替える運動がここ数年著しく増えています。フランス人のおいしい物への執着心は、量ではなく質の世界へと変わりつつあるのかもしれません。今年の農業国際見本市では、オーガニックが話題の中心となっています。

 牛や羊に直接触れる

また、日頃田舎生活に慣れていないパリっ子たちにとって、毎年1度でもパリに巨大な農場ができるこの見本市は、児童教育に大いに貢献しています。テレビやビデオで見る牛や羊、山羊、鶏などを、実際に手に触れる、匂いを嗅ぐ、という臨場感のある経験は非常に貴重です。そう意味では、パリの農業国際見本市は、大人にも子供にも絶好のチャンス、非常に親しまれています。

 政治家たちの人気合戦の舞台

他方、各政治家たちが入れ替わり立ち替わり、見本市を訪れるのは例年のニュースの話題となっています。パリ農業国際見本市は、別名「政治家の人気合戦の舞台」ともいえるほど、過去ド・ゴール大統領を初め、歴代のフランス大統領が次々と必ず訪れた、国民の人気を勝ち取る貴重な舞台でもあります。マクロン新大統領は、早速開幕日に訪れ、何と12時間以上も参観し、見本市会場の隅から隅まで見て回りました。「都会派大統領」とあだ名をつけられた手前、この機会に何とか地方での人気をを取り戻そうという、イメージチェンジの効果を狙った?のかもしれません。

◆2018年パリ農業国際見本市情報
開催場所:Porte de Versailles Paris Expo
開催日程:2/24 ~3/4 9h00~19h00(毎日)
アクセス:メトロ12番線Porte de Versailles 駅、メトロ8番線Balard 駅
入場料:14€/大人 7€/子供(6-12歳) 5歳以下無料
https://www.salon-agriculture.com/

通り魔痴漢に罰金90€

この度、国会委員会は、「性差別や性的なワイセツ行為」に対する、新たな法律違反罰則を提案することにしました。要するに、公共の場所や歩道、公共交通機関内で痴漢ワイセツ行為を犯した者には、罰金最低90€を課す、というものです。この背景には、大抵のワイセツ行為はグレーゾーンのように曖昧な解釈しかなく、警察もあまり真剣に対処しようとはしない事実があることを指摘されたことによります。具体的な罰金制度をきちっと設定する構えです。

 罰金適用の簡素化

もちろん、以前にもワイセツ行為の現行犯で捕まった場合は、即刻罰せられる仕組みはありましたが、今回はこれをもっと簡素化かつ具体化させるということが目的だとか。さて、その内容は次の通り。
公共の場で次の行為を犯した?者には90€~350€の罰金が課される。
1. 執拗なハント行為
2. 女性への追跡行為
3. 女性への嫌がらせ行為
4. 女性へ口笛を吹く行為
など、とにかく公共の場で女性を屈辱する行為すべてを対象としています。
これからフランスへくる日本男性の皆様、フランス女性はこのように非常に厳しい!です。肝に銘じておきましょう!

   

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