海外で生活をしていると、どうしても日本の良さが目につきます。日本は郵便制度も発達していますし、健康保険制度も素晴らしいですよね。トイレは綺麗ですし、人々もルールを守ります。お店の接客も非の打ち所がないですし、100円ショップでさえも何でも揃います。しかし、「日本は便利だ」と思う一方で「これは日本にも導入してほしい!」と思う部分もあります。ここでは、海外で生活して感じる「日本にも欲しいサービス」を紹介していきます。
レストランで食べきれなかった!残りはお持ち帰りで
日本は食中毒などの防止のために持ち帰りができない
日本で食事をすると、たとえ残したとしても基本的に持ち帰りができないですよね。これは食中毒などの防止だと言われています。例えば、持ち帰ったものを数日後に食べて食べた本人がお腹を壊した場合、お店側に責任を問われる可能性があります。持ち帰った結果、その食事が古くなってしまい、それに気づかずに食べただけであったとしても、万が一食事に原因があったとなれば、お店が非難されてしまうでしょう。
最近はインターネットが発達し、誰でもSNSなどで簡単に情報発信できるようになりましたので、万が一「あのレストランの食事を食べてお腹を壊した」などと書かれてしまえば、お店は大打撃を受けてしまいます。このような状況を防ぐために、持ち帰りができないようになっていると言われています。
海外は普通に持ち帰りができる
しかし、海外のレストランでは持ち帰りが可能です。持ち帰ったものを食べて何かあった場合は自己責任、という考え方が浸透しており、食べきれなかった分は箱に入れて持ち帰るようにしてくれるケースが多いのです。例えば、子供が注文したけれど食べきれず、かといって親も食べ切れない、という場合に持ち帰りにしてもらえば、親が無理やり食べなければいけないいうこともありませんよね。子供が騒いでしまって親が食事をする暇もなくお店を出なければならないとなったとしても、食べられなかった分を持ち帰りにしてもらえば、食事を残すということもありませんし、親としてもストレスがたまらないのではないでしょうか。
もちろん、「注文した分は責任を持って食べる」ということは大切です。私は小さな頃から「外食をする際に残してはならない」と教えられましたし、それはそれで大切だと思っていますが、やはり食べ切れない事はありますよね。そんな時、まるで修行のように食べ切るのではなく、「持って帰って明日いただきます」とする方がよほど経済的ではないかと思うのです。
確かに、この方法を日本に導入するためには、「残り物を食べるならば自己責任で」という考え方が浸透しなければいけないため、なかなか難しいかもしれません。しかし、例えば消費期限などを明確にした上で持ち帰り用の箱を用意するファミリーレストランなどがあれば、特に子連れの家族からは人気が出るのではないかと思うのです。
サイクリングロードが用意されている
歩行者とは別のサイクリングロード
日本でも最近はサイクリングロードが整備されつつあります。サイクリングロードというのはあくまでも自転車に乗っている人のための道路であり、歩行者用ではありません。ヨーロッパはサイクリングでもよく知られていますが、大通りには基本的にサイクリングロードが整備されています。
たまに、歩道はないけれどサイクリングロードがある、という場所も存在します。サイクリングロードしかない場合は歩行者が歩くこともできますが、自転車もそこを通るということを意識しなければいけません。また、歩道がない状態で歩行者がサイクリングロードを歩いていたら、自転車に乗っている人も歩行者に配慮する必要があります。
自転車が歩道を走るよりも安全
日本では、自転車は歩道を走るべきなのか車道走るべきなのかと議論が続いていますよね。狭い歩道を自転車が通っていくのは危険ですし、かといって自転車が車道を通るというのも安全ではない気がします。そのような時に、自転車が通るサイクリングロードが用意されていると、やはり安全なのではないかと思います。
もちろん、サイクリングロードを用意するためにはそれなりの道幅が必要になりますので、そう簡単にはいかないかもしれません。しかし、最近では日本でもサイクリングロードが普及しつつあるということで、歩行者にとってもドライバーにとっても安心なのではないかと思っています。
学会ではコーヒーを用意してほしい!
海外の大学では飲み物などが普通に用意されていることが多い
海外の大学で学会に出席すると、コーヒーなどが用意されていることに気づきます。選択肢が少ない場合はコーヒーと紅茶、さらにソフトドリンクやちょっとしたクッキーなどが用意されていることもあります。海外の大学の場合はそもそもどこでコーヒーが購入できるのかわかりませんし、朝早い学会等の場合はまだ頭がぼんやりしているため、コーヒーが飲めるとありがたいですよね。
私は今まで中国とアメリカの大学で学会に出席したことがありますが、どのような規模のものであったとしても、基本的にコーヒーや紅茶が用意されていました。中国などでは言語がわからないため、簡単にコーヒーを買うこともできません。だからこそ、既にコーヒーが用意されているというのはありがたかったです。
日本では学会の規模によってコーヒーなどが用意されない
それに対し、日本では大規模な学会の場合、そのようなものが滅多に用意されていないように感じます。小規模なものであればコーヒーメーカーなどが用意されていることもあるのですが、全国から参加者が集まるような大規模な学会の場合、自分でコーヒーを買わなければいけないことも多く、そもそも開始時間にコーヒーを買えるようなお店が開いていない、土地勘のない場所ではどこで買ったら良いのかわからない、などという問題があります。
これは外国人にとっても同じです。外国人の研究者の知り合いは、「日本の学会ではコーヒーが用意されていないから、朝早い学会は辛いんだよね」と言っていました。特に外国人にとっては日本人以上にどこに行ったら良いのか分からないということもありますし、コーヒーが用意されている学会に慣れているということもあり、全て自分で用意しなければいけない日本の学会はそれなりに辛いようです。
もちろん、このような飲み物の準備は予算の都合にもよりますので、予算がない場合はなかなか困難だといえます。しかし、世界全国から参加者が集う大規模な学会の場合は、土地勘のない人間が多いからこそ、それなりに飲み物を用意するなり、飲み物を購入できるお店を参加者に紹介するなり、工夫があったら良いのに、と思います。
「よく知っている」という気持ちにならないことが大切
海外で生活をしていると、その地域のことに関してはよく知るようになりますが、少し離れた場所に行くと、そこはさらに違った考え方を持っている、違ったシステムを導入している、ということに驚きます。たとえヨーロッパの1つの国で生活したからといって、その国の全てを理解しているわけではありませんし、同じヨーロッパの他の国のことを理解しているわけでもありません。いつまでたっても「よく知っている」とは言えないのです。
しかし、やはり海外には「日本にも欲しい」と思えるシステムが存在します。もちろん簡単に導入できるわけでは無いものもありますが、視野を広げるためには海外との違いも理解しなければいけないなぁと感じる今日この頃です。
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