タイからマレーシア国境越えをしてみる

前回、タイからカンボジアを陸路で越えた話を書かせて頂きました。徒歩で境界線を越えるドキドキさ、不安さ、そして一瞬で変化する街や人の様子は飛行機や電車での国境越えでは決して味うことができない経験です。今回は、陸路で越える、タイ・マレーシア編をご紹介します。

タイからマレーシアへ向かう

 パンガン島から出発

今回の出発地点は、タイの南にあるパンガン島です。パンガン島からマレーシアのペナン島までいっきに行ける片道チケットは約3500~4000円。パンガン島を朝7時のフェリーで出発し、約3時間かけてタイの本島を目指します。リゾート地で有名なサムイ島を通り過ぎ、綺麗な海を眺めてやっと港に到着すると、ミニバンに乗り換えます。ここでやっと長旅を共にするメンバーがわかります。メンバーが大事な理由。。。それはなぜなら、ここからなんと10~12時間小さな車に乗りっぱなしなので、メンバーによって車内の雰囲気がガラッと変わるからです。日本人に遭うことは滅多にありませんが、ある時はタイ人だらけだったり、ある時は欧米人だらけ。1度中国人3名のおば様たちが同行していましたが、12時間大きな声で喋りっぱなし、タンを車内で吐くなどして、英語もタイ語も通じないので注意もできず、全くの大迷惑でした。。。だからもう1度言いますが、メンバーは意外と重要なんです!

 ミニバンに乗っていざマレーシアへ

ともかく、ミニバンに乗ったらまずはタイ南のハットヤイというイスラム教徒の多い地域で休憩があります。そこに到着したら、食事やトイレを済ませますが、ここに降り立つと観光客が一般的に知るタイではないことに一瞬で気が付きます。なんだかまだマレーシアに入ったわけではないし、でも仏教徒が大多数のタイとは雰囲気が全然違う。。。イスラム教徒の作り出す独特なタイ。正直、開放的なタイではないですね。しかも外務省ホームページにも、タイの南はレベル2と3の地域で渡航は控えてください、渡航は止めてください、とあるのです。この街から南は長い間イスラム教徒によるテロや争いが続いているためです。ハットヤイはまだ大丈夫ですが、ここからマレーシアに降りていく際は気を付けなければなりませんね。そして、下っていくとたまに警察が車を止めるんです。。。最初はナニコレ?って感じだったのですが、実はこれ、警察が金欲しさにタイから出国する(主に)外国人を見つけては金を渡せと命じてくるのです。未だにこういうこと、タイではまかり通っている。運が良ければ1回、運が悪ければ3回でも4回でも止められることがあります。そうして警察の検問を通過してミニバンに揺られること6~7時間。マレーシアとの国境に到着です。まあ、出国する時は別に問題ありません。何年も続けてタイに滞在しようとする外国人は主にマレーシアでビザ申請をして、ビザランに出国する外国人がほとんどだからです。国境をちょっと越えたくらいじゃ、んーあんまり変わらないですね。雰囲気。だけど、やっぱりちょっと街が綺麗。しかも、看板がタイのぐにゃぐにゃ文字から、アルファベットに変わるんです。これがなんといっても大きい!マレー語を理解できなくても、アルファベットというだけでストレスが激減するんです。なんて読むかがわかるというだけで。これすごい効果です。

 ペナン島へ向けて

そしてペナン島へいざ最終ラン。3時間位でしょうか。また警察いるんですよこれが。腐敗しているのはタイだけじゃなかった。。。しかも警察はミニバンを見たら、絶対にビザラン目当ての外国人だと目を付けているので、止めやすいようです。ミニバン運転手も最初からわかっているので、会社から事前にお金をもらっているのかわかりませんが、あまりに止められてお金が無くなったときは、一人100円ずつ警察に渡したときもありました。そして、安息のペナン島に到着。。。タイより何もかも綺麗です。海は正直汚いけど。

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マレーシアからタイへ戻る

 アートの街を出発

ペナン島はアートの街と呼ばれており、アートが散らばる街全体が世界遺産です。こんな素敵な島から、またこんだけの時間をかけてパンガン島まで戻る。。。一言で、きつい。しかも帰りのスケジュールというのが、午後3時にペナン島を出て、夜9時位にはハットヤイに到着。それから港には夜中の2時や3時に着いたあとに、始発フェリー5時まで待たなければなりません。しかもほぼ外のような待合室。それもタイに入国できれば、の話です。

 タイへの入国

というのも、マレーシアからタイへ入国する国境がなんといっても厳しい、というかおかしい。税務官たちは、外国人に嫌がらせをしたくてしょうがないというような顔で待っていて、外国人はみんなパスポートに700円くらいのお金を挟んでから渡すのです。私の友人は言いがかりをつけられて危うく、タイに入国できないこともありました。ビジネスビザの場合、本ビザをペナン島で取得して、それから労働許可証をタイ国内で申請、取得する流れが一般的なので、友人はそれに従ってビジネスビザをペナン島で取得した帰り道でした。しかし、その女税務官は、労働許可証がないと入国できないと言い出したのです。そりゃ、このビジネスビザを持って、タイ国内で労働許可証を申請するんだから、タイ入国前に持っているわけないじゃないですか。。。でも通じない。女は続けて、ペナン島に戻って労働許可証を取得してきてから戻ってきなさい。。何を言う出すのか。労働許可証はペナン島では取得できないのに。本当に適当、そして嫌がらせ極まりない。あまりの動揺と嫌がらせのひどさに、友人はその税務官を飛び越えて、タイ側にある警察署に走っていきました。一歩間違えば逮捕される行為。でもその大胆な行為が功を奏して、警察官が入国OKしてくれました。というか、友人は何も悪いことをしていないので、これが当たり前。でも当たり前が通じない国、それがタイです。

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おすすめしない

このエピソードからわかって頂けた通り、タイとマレーシア国境越えはあまりおすすめしないというか、あまり愉快なものではありません。一度観光で訪れる、くらいのものであれば、いい経験になるかもしれませんが、言いがかりをつけてくる国境警官には要注意です。

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