国際結婚はカップルだけの問題ではありません。国際結婚をしたいという息子や娘を持つ親たちもまた、非常に沢山の問題に悩まされ、時には反対することもあるのです。筆者はアメリカ留学中に韓国系アメリカ人と付き合い、3年半の交際を経て結婚、そしてアメリカに永住してしまったので、家族からの心配の声は絶えず、説得に苦労しました。そこで今回は、国際結婚における、親や家族の心配要因と解決策について、筆者の体験談を元にご紹介します。
心配要因1:夫の収入
娘が結婚する際、親なら相手の職業や収入が気になるのは当然でしょう。しかし国際結婚となると、このハードルは更にあがります。外国で仕事を探すのは非常に難しいですので、パートナーがしっかり自分の娘を支えることができるかどうか、親の目も厳しくなります。
夫のキャリアチェンジ
筆者の夫は結婚当時、転職したてで、あまり高収入ではありませんでした。元々夫は医者になるつもりでメディカルスクールを目指していました。アメリカではメディカルスクールというのは、大学卒業後に行く大学院ことなので、当時大学生として付き合っていた私たちは、両親の目にも好印象に写っているようでした。しかし勉強していくうちに、夫は医者ではなく、コンピューターのプログラマーとして仕事をしていくことを決意しました。突然の進路変更に筆者の両親は戸惑い、「物価の高いアメリカで二人で暮らして行けるの?」「あなたの仕事はどうするの?」などと、一時は難を示されました。
心配要因2:パートナーの国籍に対する偏見
筆者の夫は韓国系アメリカ人で、中身はアメリカ人ですが、見た目は完全に韓国人です。筆者の両親は夫が韓国系アメリカ人であることを特に気にしていませんでしたが、祖父母の世代は韓国に対するネガティブなイメージが少し残っていました。ですので、韓国のどの辺りの出身なのか、なぜアメリカに移住したのか、両親は何をしていて、アメリカでどのように生計を立てているのか、、、など説明をする必要がありました。
世代による異なる認識
日本では、若い世代の人たちは中国や韓国人に対する偏見は少しずつ薄れてきています。しかし祖父母の世代では、まだまだアジアの国々に対する偏見的な目はなくなっていません。ですので結婚する相手の国籍によっては、家族からの反対を受けることもあるでしょう。
心配要因3:何かあってもすぐに会いに行けない
日本国内であれば、何かあった時、少なくともその日のうちに会いに行くことが可能でしょう。娘や息子が怪我をした時、親族に不幸があった時など、日本にいればすぐに会いに行けますが、国際結婚の場合、家族が地球の裏側にいて、電話をしても寝ていて通じない!などといったこともよく起こります。
親にとっては不安だらけ
筆者の母親は特に心配性だったため、留学当初から「万が一怪我をしたら、近くに病院はあるの?」「国民健康保険みたいなものは?」「治安は大丈夫なの?」「アメリカはみんな銃を携帯してるのかしら?」「私たち親に病院から連絡があっても、私たちは英語が話せないから、どうすればいいの??」「国際電話はどうやってかけるの?」など、ひたすら質問ぜめにされました。
心配要因4:国籍と子供のこと
永住権と国籍、戸籍の違いを、完璧に理解している日本人は少ないです。
筆者の場合はアメリカの永住権(グリーンカード)だけを取得し、国籍は日本のままにしました。ですので、戸籍もパスポートも日本人のままですが、アメリカに「永住する権利」を持っているということです。生まれた子供は、日本とアメリカの国籍を選べることになります。
丁寧な説明が必要!
しかし、筆者の両親は永住権と国籍の違いがよくわかっていなかったため、老後は日本の年金は受け取れるのか、税金はどちらに払うのか、生まれる子供の国籍や苗字はどうなるのか、など1から100まで全て説明しないといけませんでした。
家族の心配を減らす方法はただ一つ、納得してもらえるまでひたすら丁寧に話し、見せ、説明し続ける、ということです。
パートナーについてわかってもらうためには、直接会って話してもらう。言葉が通じなければ、通訳を通してでも話してもらうようにしましょう。
アメリカに来て、どのような生活をしているのか実際に見てもらうのも心配性する一つの手です。見たこともない未知の世界に子供が移住してしまうのと、実際に行ったことがある国に行くのでは全く違います。
親は子供の幸せを祈っている
いかがでしたでしょうか?日本人同士のカップルではこのようなことはありませんが、国際結婚するとなると家族に色々な国の違いの説明をして説得しなければいけません。
日本人同士であれば歓迎されていた結婚も、相手が外国人であるというだけで家族からの反対を受けてしまうこともあります。
しかし、親は子供の幸せを願っているものですので、反対するのは単に心配だからです。その心配を丁寧に解消してあげることで、国際結婚への理解と協力を得られるでしょう。
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