中国と聞くと、なんとなく悲惨なトイレを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?「中国のトイレには便座がないため、中国人は日本に来たときに便座を買って帰る」などという話を聞いたことがある人もいるかもしれません。今回は北京で見てきた中国のトイレについて紹介します。少々上品ではない表現が含まれますことをお許しください。
トイレットペーパー
トイレットペーパーが設置されていないことが多い
中国のトイレの個室には、まずトイレットペーパーが設置されていません。もしもショッピングモールなどの場合は、トイレに入ってすぐそばの手を洗う場所などに大きなトイレットペーパーが設置されており、必要な分だけ取って個室に入ることになります。ただし、トイレットペーパーを設置する場所があるからといって、中身があるとは限りません。トイレットペーパーが空になっている場合も少なくはありません。
また、そもそもトイレットペーパーの設置がない場合もあります。そのため、中国人はティッシュペーパーを持ち歩きます。水に流す習慣がまだほとんどないため、ティッシュペーパーでも充分なのです。
財布よりもティッシュ!?
先日、中国で英語の試験を受ける機会があり、私たちは「控え室に、貴重品も含め荷物は全て置いていってください」と言われました。私と主人はとてもパスポートと財布を置いて行く気になれず、それだけは手に持っていったのですが、驚いたことに多くの中国人が持ってきたものはティッシュペーパーでした。財布よりもティッシュペーパーの方が大事なようです。
トイレットペーパーを流さない
中国ではトイレットペーパーを流さないことが多いです。どうやら、日本のように水に流れるタイプの紙を使っていないこと、それからトイレットペーパーを流せるだけの水圧がないことが理由のようです。
トイレの個室にはゴミ箱が設置してあるので、使用済みのトイレットペーパーはそのゴミ箱に捨てます。人口がとにかく多い中国ではトイレの掃除をするためだけのスタッフもおり、そのような人が定期的にその使用済みのトイレットペーパーを捨てるのです。長時間捨てられていない場合はなぜか床にトイレットペーパーが散乱する、という状態になります。
中国に慣れてしまうと・・・
以前、北京から韓国のソウル経由で日本に一時帰国した時、ソウルの仁川空港でトイレに行き、一瞬トイレットペーパーを流して良いのか考え込んでしまいました。韓国はまだトイレットペーパーを流さない地域もありますが、空港など国際的な場所では流しても構わないようになっています。また、実家に帰った後も今度はトイレットペーパーを流しても良いということに慣れず、冗談めかして、母に「トイレットペーパーは流していいの?」と聞いたことがあります。習慣とは本当に怖いものです。
さらに、女性の場合は衛生用品を捨てることもありますが、個室にトイレットペーパーがないため、衛生用品を取り替える際に置き場所がないのです。そのため、衛生用品は丸めて捨てるのではなく、そのままゴミ箱に捨ててしまう女性が多いです。そもそも丸めて捨てる習慣さえあるのかどうか疑わしいです・・・
トイレの構造
和式が多い
日本にも和式のトイレはありますが、今となっては洋式のトイレがほとんどです。中国は未だに和式のトイレがほとんどで、洋式のトイレはほとんど見かけません。
和式は大変そうなイメージもありますが、洋式よりも和式の方が良い場合もあります。洋式のトイレの場合、なぜか便座が汚れている場合もあり、となるとその汚れを拭いてから使わなければなりません。そのため、洋式の方が厄介という場合も少なくはないのです。
く、くさい・・・
また、中国の和式には日本で言う金隠しに当たるものがないため、とにかく飛び散ってしまい、床が汚れます。さらにトイレットペーパーを流さないという仕組みから、窓が開いていなかったり、換気がなされていなかったりするトイレは臭いがこもり、とても使えたものではありません。
私は最初、とにかく臭いに驚き、なかなかトイレに入ることができませんでした。しかし、中国には大気汚染用の3Mマスクという、PM2.5にも耐えられるフィルター付きのマスクが売られています。それをしてトイレに入ると多くの場合、臭いに圧倒される事はありません。この3Mマスクは私にとっては必需品です。中国に来る方は、まずこのマスクを買うことをお勧めします。
西洋人には和式トイレはきつい
西洋から来た人は和式のトイレがなかなか使えないようです。それは抵抗があるからという理由ではなく、しゃがんだ後に立ち上がることができないそうです。日本人や中国人など、和式のトイレに少なからず慣れている人は、股関節が鍛えられているため、しゃがんだ後でも立ち上がることができます。しかしそのような姿勢に慣れていない西洋人は立ち上がることができないため、この和式のトイレはなかなか使えないようです。
扉がないトイレがある
時々、扉がないトイレを見かけることがあります。先日、日本から来た留学生に聞いたところ、中国の田舎のトイレには地面に穴が彫ってあり、隣の人と並んで用を足すと言う「お見合いトイレ」と言われるようなトイレもあるそうです。さすがに北京ではそのようなトイレは見かけませんが、扉がないトイレなら少なからず存在します。
先日、近所のスーパーに行った時にどうしてもトイレに行きたくなり、今まで行ったことがなかったために緊張しながらトイレに向かいました。窓が開いていて喚起がなされていたため臭いは全然こもってなかったのですが、なんと扉がありませんでした。いろいろなトイレを見てきましたが、扉がないトイレを使う勇気は出せず、その時は家に帰るまで我慢しました。しかしこちらにはそれが普通の人もようで、扉がなくても違和感がない人たちもいるようです。
勇気を出して使ってみる
しかし妊娠中、どうしてもトイレに行きたかった時に行ったトイレに扉がなく、かなり迷ったことがあります。妊婦にとって我慢は身体に悪いと思い、誰もいないことを確認し、「赤ちゃんのため!」と覚悟を決めて一度だけ扉のないトイレを使いました。きっと誰かが入って来ても、その人たちには違和感はないのだと思います。でもやっぱり、誰もいなかったからこそできることだと思っています。
衛生に対する意識
手を洗う習慣がない
トイレから出てくる中国の人たちを見ていると、あまりに多くの人が手を洗わないという事実に驚きます。大学にある学生用のトイレは、個室が20個近くあるのに水道が1つという状態で、本当に手を洗わずに出て行く学生も少なくありません。ただ、手を洗わなければいけないと言う意識はあるという人もいるようで、こっちが驚いてその人をじーっと見ていると、焦ったように手を洗いに戻っていく人もいます。また、水道の水が出ないトイレもあります。そもそも手が洗えないという状態になります。
水を持ち歩く
これに対応するためには、出かけるときには常にペットボトルに水を入れていくことがおススメです。中国はコンビニもそれなりにありますし、飲み水であったとしても安いものならば1本1元強(約20円前後)で購入できますから、常にカバンの中に1本入れておけば、簡単に手を洗うことができます。
トイレ=喫煙所
これは主人から聞いた、男性用トイレに多い話ですが、トイレは喫煙所という意識を持っている人が多いようです。しかしもちろん、トイレには灰皿がありませんので、吸い殻はトイレに流されます。
もちろん、トイレットペーパーさえ流せない水圧のトイレですから、水がしっかりと流されるはずもなく、それが原因で詰まってしまうこともあるようです。そして、トイレに吸い殻が浮かんでいると言うこともあり、トイレの匂いとタバコの匂いが混ざってさらなる独特な匂いを発していることもあるそうです。
トイレは行けるときに行く
私はとにかく不愉快な臭いが嫌いなため、小さい時でさえ、動物園が大好きといった子供ではありませんでした。そのため、中国に来たときにはどうやってトイレに行こうかと本気で悩んだものです。
考えついた解決策としては、前述の通り3Mマスクを利用すること、そして、トイレは行きたい時に行くのではなく、行ける時に行くということです。すべてのトイレが汚いわけではありません。中にはきれいなトイレを有しているお店などもありますので、そのような店舗を利用することも大切です。また、ショッピングモールやホテルのトイレは大体きれいですから、そのようなトイレを利用させてもらうこともあります。
旅行の際はトイレ対策を忘れずに!
観光客として北京に来る場合、観光地などでとんでもないトイレに出くわすこともあるかもしれません。そのようなときのために、ぜひ3Mマスクとペットボトルに入った水を用意しておくと良いでしょう。もちろん、抗菌のウェットティッシュなどもオススメです。
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