私は若い頃は、国際結婚はとてもかっこいいと単純に思っていました。「国際結婚するの」と言えば、「すごいね」と称賛される類のものだとさえ感じていました。実際、私がアメリカ人男性と結婚した際、祝福を称賛のように勘違いしていた若い私が存在したのも事実です。私の主人はアメリカ人ですが、もちろん憧れだけで結婚した訳ではありませんし、結婚自体、責任ある大きな、そして一生もののイベントですから、それを乗り越えるのには大変な苦労がありました。国際結婚だから大変というよりも、日本以外の文化を背景に持つ人と「一生添い遂げる約束をする、そしてそれを実行する」ということが大変なのは当然です。
責任の重さ
国際結婚だろうが、同じ国籍の人との結婚だろうが、「結婚」自体大きな責任を伴うことです。我慢も忍耐も、妥協も必要とされます。国際結婚に関しては、やはりどちらかの国に住むことになるので、両方の家族に平等に接することはできませんから、そこで大きな責任が生じると思います。
外国の身内
私はアメリカに住んでいますし、こちらには自分の身内は子供以外誰一人いませんから、もし自分に何かあったら主人が責任を持って、日本の家族に知らせたり、手続きなどをしなければいけません。しかし主人は日本語が堪能ではありませんし、私の日本の家族も英語ができるわけではないので、簡単なことではないのです。夫婦間ではコミュニケーションが取れているので普段はあまり問題に感じませんが、いざとなった時に周りを巻き込んでまでコミュニーケーションが図れるかは大きな違いだと思います。
いざというときの不安
私はアメリカで長く暮らしていますが、万が一、主人が亡くなり私一人になった時、全てのことに余裕を持って対処できるのか心配になります。主人の母も亡くなっていますので、身近に頼れる人はいません。いざという時のバックアップなどの計画を考えておくのも、国際結婚をするにあたって、他人に大きな迷惑をかけないための一つの大事な責任と考えていつも行動するようにしています。
宗教の違いの問題
日本でも最近では、小さい頃から、多くの文化に触れている人は多いかもしれません。それでも、世界に有り触れる「文化」の数は星の数ほどあり、必ずしも、全てに精通しているわけではないでしょう。
宗教は国によっては生活の一部
国際結婚でもよくあげられる文化の違いの中でも、「食生活の違い」などはお互いの趣味、嗜好を妥協できることがあるかもしれませんが、「宗教の違い」となってくると簡単に妥協できることではありません。日本人は多少、宗教に関して、曖昧なところがあるかもしれませんが、他文化の人にとっては、それは生活の一部であることが多いので、あまり軽々しく扱うことははばかられます。
早いうちに話し合おう
友人間でも結構気を遣うことがあるのですが、結婚となると尚更です。これは予め早いうちにしっかり話し合っておかないと、後に色々と支障が生じると思います。結婚する本人同士がまだ若い年齢で、あまり気にしない、という姿勢をとっていても、周りの方、特に家族にとっては大きな問題であることも多いのです。そういうことをよく理解しておかないと、あとあと自分たちが困るだけではなく、周りを巻き込むことにもなります。私の主人は普通のクリスチャンでしたが、私たち夫婦には「宗教」は非常に大きな課題となりました。
国際結婚をする相手の国によって様々ですが、考えられるあらゆる課題について、あらかじめよく話し合っておく必要があると思いますし、それが、国籍を超えてまで結婚する者の責任だと思います。
微妙で繊細な部分を乗り越える
少し現実的なお話をさせていただきましたが、国際結婚は、お互いの文化が触れ合う大変微妙で繊細な線を乗り越えて、継続していくものだと思います。若かった自分も、結婚自体の責任の重みをここまで考えていた訳ではありません。恋愛中は楽しいことばかりが頭にあったため、こんなことはほとんど考えていませんでした。
そんな私ですが、アメリカで長く暮らし生活していく中で、国際結婚を続けることの難しさを理解し、お互いの個人としての違いと、また、お互いの文化の違いを尊重できるようになってきたと思います。
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