高校生の時、アメリカに1年間留学していました。その時ホストマザーが花屋さんで仕事をしていたため、私も頻繁にその花屋さんに通い、仕事を手伝っていたこともあります。ここではその時の経験を紹介したいと思います。
お祝いの時などは花を贈る人が多い
クリスマス、母の日やバレンタインはとにかく混む!
花屋さんでお手伝いをして感じた事は、とにかく日本よりも花を贈る習慣があるということでした。日本では、例えば演奏会に出た友人に花束を持っていったり、卒業する友人に花を送ったり、という事はあるかもしれませんが、そもそもクリスマスや母の日などに花束を送るという人はそこまでいないのではないでしょうか。もちろん母の日といえば赤いカーネーションですが、最近は母の日が大きなビジネス市場となっていますので、カーネーションは贈らないという人も増えているかもしれません。
しかし、アメリカの花屋さんではクリスマスや母の日、バレンタインデーなどはとにかく混雑していました。その日に向けて注文が殺到し、その日が近づくにつれてスタッフが1日中立ちっぱなしでアレンジメントを作成します。そしてできた順番に配達をするということもありました。
ダンスパーティーの時期にも混む!
また、アメリカの高校ではホームカミングやプロムなど、大きなダンスパーティーが開かれます。ダンスパーティーに行くときには男性が女性のためにコサージュを購入し、女性が男性のためにブートニアを投入します。そのため、このダンスパーティーの時期も花屋さんは忙しそうでした。
折り紙で特別にコサージュやブートニアを作ってもらった
私がプロムに行く時は水色のドレスを着る予定で、それに合わせて私のボーイフレンドも青色のネクタイをする予定でした。それをしたホストマザーからある日いきなり、水色の折り紙で花を折るように言われたのです。
実はホストマザーが店長と相談し、その折り紙の花に本物のかすみ草などを組み合わせ、オリジナルのコサージュやブートニアを作ってくれることになっていたのです。店長はこのような粋な計らいをしてくれる素敵な人でした。
花の配達について
注文を受けた花を配達する
花屋さんでは花の配達をする男性がいたのですが、週末などは私も一緒に連れて行ってもらいました。花屋さんが所有するトラックに完成したアレンジメントを詰め、その花を届けに出発します。
もしも不在の場合は不在票を残します。ときにはチップをもらうこともありました。「花を届けて幸せを運ぶ素敵な仕事ね」と言われたこともあります。
消防署に花を届けたときの事件簿
いちどだけ消防署にも花を届けたことがあります。山のど真ん中にある要望書でしたが、私たちが花を届けた時は不在でした笑。
その日の夕方、ホストマザーともう一度花を届けに行ったところ、若い消防士さんが出てきたのです。その男性に「さっき誰もいなかったね」と言ったら、「この辺りは火事にならないからね」とわけのわからない返事をもらいました。火事にならないからということで消防署が不在だったら困りませんか?
葬儀場に花を届ける
葬儀で使うアレンジメントを作っていた
実は、この花屋さんの隣には葬儀場があり、そこでは私のホストマザーが働いていました。そして、当然ながらこの葬儀場で使うアレンジメントはこの花屋さんで作成されており、葬儀のための会場に花を運んだこともあります。
日本と同じく、葬儀で使うアレンジメントは白を基調としますので、一目でお葬式用だとわかります。また、お葬式のイメージに合わせてアレンジメントにも違いがありました。
夜の会場でアレンジメントのチェック…
ある日、同じ市内にあるもう一つの高校で16歳の男の子が兄弟や友達を乗せて高速道路を運転し、交通事故に遭って死亡したというニュースが流れました。その子の葬儀がストファーザーの働く葬儀場で催されるという事は知っていたのですが、その日の夜、ホストマザーがアレンジメントをチェックしたいということで葬儀を行う会場に出かけたのです。
その会場はすでに翌日の葬儀に向けて準備が整っており、会場の真ん中に置かれた棺の中には遺体が安置されていました。その日の朝、新聞で見た顔が棺の中にあり、どきっとした経験があります。
今でも拡大する花屋さん
ホストマザーとホストファーザーはこの後定年し、サンフランシスコに引っ越していきました。まだ店長は花屋さんを拡大させながらビジネスをしています。当時ホストマザーと一緒に働いていたメンバーは皆お店を辞めましたが、全員Facebookで繋がっています。留学中に花屋さんで過ごした時間は私にとって大切な宝物の1つです。
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