割り勘と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。実は割り勘には2種類あります。例えば居酒屋などで各々が好きなものを頼み、最終的に金額を人数分で割って皆同じ金額を支払う、というスタイルの割り勘もありますし、自分の分は自分で払うというスタイルの割り勘もあります。ここでは海外における割り勘や割り勘の英語での表現について紹介します。
基本的に自分のものは自分で払う
年上だから、などは関係ない
日本で誰かと食事に行く場合、年上の人や招待した側が相手にご馳走するということがよくありますよね。例えばもし遠くから遊びに来ている友人と食事に行ったら、「せっかく来てくれたんだから」と言ってその人の分の食事代も負担するのではないでしょうか。
しかし、もちろん国にもよりますが、西洋にはそのような文化がないように思います。私の夫はドイツ出身ですが、アメリカの大学院に通っていました。先日夫とアメリカに行き、夫の学生時代の友人たちに会ったのですが、友人達とレストランなどで食事をしても基本的に自分たちの分は自分たちで支払いました。
支払ってもらったとき
もちろん、全て自分たちで負担したというわけではありません。例えば夫の恩師と飲みに行ったときには夫の恩師が全額支払ってくれましたし、夫の学生時代の友人の家を訪れて家族と食事に行ったのですが、その時は友人が「ここは私が支払うから」と負担してくれました。
しかしそれ以外は基本的に自分たちで支払ったように思います。正直私にとっては金銭的な負担が大きかったです。自分たちで選んだことですから別に問題は無いのですが、海を越えてアメリカに行くだけでもお金がかかるのに、「せっかくだから会おうよ!」と声をかけてもらったとしてもレストランでの食事は自分たちで支払わなければいけないのですから、とにかくお金がかかると思った印象があります。
アジアで多い奢りの文化
中国では割り勘はありえない!?
私たちはしばらく中国の北京で生活をしていたことがあります。噂に聞くこともありましたが、割り勘は絶対にありえないという文化でした。
実際に誰かと食事に行くときは気づいたときには既に会計が済まされていた、ということも少なくありませんでした。「いくらだったか」と聞いても、「いいからいいから」「今日は楽しい時間を過ごさせてもらったから、今日は私が払います」といった感じだったのです。
年下でも負担する
そして年齢は関係ないようでした。夫は北京の大学で仕事をしていましたが、例えば夫の学生と食事をしても、その学生が「今日は私が支払います」「あなたたちは私の友人ですから」などと言って支払ってくれることもありました。
私が日本の大学院に通っていた時、先生と食事に出かけて食事代を払うなんて考えた事はありません笑。そのため、この相手の食事代を負担するという文化は非常に繊細な文化なんだということを感じました。
「割り勘で」が必要な時とは
「私の分は私が、あなたの分はあなたが」
しかし、全額どちらかが負担するという文化だからこそ、必要に応じて「割り勘で」、つまり「自分たちの分は自分たちで払いましょう」という提案が必要になることもあります。これは自分の分は自分で支払います、という意味でもありますが、あなたの分は自分で払ってくださいね、という意味でもあります。
例えばどちらかが全額負担するという文化が少なからず存在する場合、誰かと食事に行くことになるとその食事代はどうなるのか、特に相手が高いレストランなどを指定した場合、誰が支払うのか、などとやきもきすることがありますよね。極端なことを言えば、前回は相手がご馳走してくれたから今回は自分が払おうと思っていたものの、相手が高いレストランを指定してきたときなど、どうしても二の足を踏んでしまうということもあるかもしれません。
「割り勘で」は悪い事ではない
日本は相手の食事の分も負担する、などということが一般的になっている国ですから、なんとなく「自分の分は自分で支払いましょう」と口に出すことにためらいを感じる人もいるかもしれません。しかし、お金の問題は非常に繊細なものですから、「割り勘で」とはっきりさせることも非常に大切です。
英語では”Let’s split the bill(割り勘にしよう)”、”Is it okay to split the bill?(割り勘でいいかな?)”という言い方をします。領収書や請求書を2つに分けよう、という意味ですね。もちろん3人以上の時にも使うことができます。”Dutch treat”と訳されることもありますが、これはあまり一般的な表現ではありません。夫はオランダ語を母国語としており、英語を流暢に話しますが、夫にこの言い方を知っているかと聞いてみたら「わからない事は無いけれど使わない」との事でした。
国の文化を大切に
一緒に食事をした時、その食事代をどうするかという事は国によって違います。個人的には、特に割り勘が当たり前の西洋の国から来た人の方が1人が全員分の食事代を負担するというやり方に戸惑っているような感じがします。誰かが食事代を負担しようとしている時、自分の分は自分で、というやり方を貫いてしまうことにより、その場の雰囲気を悪くしてしまう人を見たこともあります。
そういう意味では、1人が他の人の食事代を負担するという文化に慣れている日本人は海外では恥をかく事はないかもしれません。ただし、例えば海外に行って友達と食事をした時など、特に相手が場所などを決めた場合、思いもよらぬ痛い出費が生じてしまうことも考えられます。そのため自分のお財布事情をしっかりと考慮した上で予定を立てることが大切です。
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