それぞれの国家には大使館や領事館があり、海外で生活をする際には行かなければいけないこともあります。ビザの申請やパスポートの更新ではお世話になった経験がある人もいるのではないでしょうか。
ベルギーのブリュッセルにある日本国大使館は、ベルギーのあり方が反映されていると思っています。ここでは、そんなブリュッセルの大使館で驚いたことを紹介します。
日本語・オランダ語が通じない
ベルギーはフランス語しか通じない
ベルギーはオランダ語・フランス語・ドイツ語の3か国語が公用語です。国民の7割がオランダ語を話しますが、首都であるブリュッセルはフランス語が主流です。
ブリュッセルと言えばEUの中心地ですから英語も通じそうな感じがしますが、ブリュッセルは英語もあまり通じません。国民の7割が話すオランダ語もまず通じず、オランダ語しか話せないベルギー人もそれなりに苦労する場所だと言って良いでしょう。
大使館でもオランダ語は通じない
大使館に入るとセキュリティーチェックを受けなければいけません。ここにいる警備員に渡される用紙に個人情報や来館理由などを記入し、手荷物チェックとセキュリティーチェックを受けます。国によっては日本国大使館である限り、日本語が通じることもありますが、ここの警備員は日本語が通じません。驚くことに、ベルギーの7割の国民が話すオランダ語も通じません。
ベルギーのブリュッセルはフランス語圏であり、中東やアフリカからの移民が多いこともあり、ここで働く人たちはオランダ語が離せないのです。そのため、大使館でも基本的にフランス語しか通じませんし、人によっては英語が通じますが、人によっては通じません。
用紙の記入が不可思議
個人情報の保護という考えはない
日本なら個人情報の保護は当たり前ですが、大使館の警備員はあくまでもベルギーの人ですから、個人情報の保護における感覚が日本と違うと感じました。というのは、来館した人たちが記入した用紙が入り口の机の上にきれいに並べられており、他に誰が来たのか、なぜ大使館に来たのか、見ればわかってしまう状態になっていました。
日本ならば、個人情報を記入した紙が机の上に並べられているなんて事はありえないと思います。いくら大使館であっても、やはり感覚はベルギーなんだなと思って少しがっかりしました。自分が書いた個人情報も机の上に置かれているだけなので、私の個人情報も他の来館者に見られていると思います。
コロナに関する用紙の表現がおかしい
コロナウィルスが問題視され、大使館に入るためにも様々なチェックがなされるようになりました。フルロックダウンが施行されていた頃は大使館も予約制になっており、普段ならば好きな時に行けば良いのですが、決められた時間にしか行けませんでした。
また、入館の際には熱がないかどうか、気分が悪くないかどうか、用紙にチェックをしなければいけません。しかし、大使館に行く時に熱を測ってくるようになどという指定は無いですし、用紙に「37度以上の熱がない」と書かれていても、それのチェックのしようがありません。日本なら検温されるのではないかと思うのですが、大使館であってもそのような事はありませんでした。そのため、「熱はないと思う」といった感覚で記入しなければならず、あまり意味がなかったように思います。
さらに、その表現がおかしかったです。用紙には「37度以上の熱がある」と書かれており、そこにチェックするように言われました。しかし「37度以上の熱がある」と書かれている以上、そこにチェックするという事は熱があるということだと思うのですが、それを警備の人に聞いても「いいからチェックを入れる」と言われました。ちなみに、日本語と英語で書かれていましたが、どちらも「熱がある」という表現になっており、そこにチェックを入れるのはなんだかおかしな気がします。
日本はあまり尊重されていない
海外の大使館はその国と日本の国際関係を表していると思います。ベルギーと日本はそこまで重要な国際関係を維持しているわけでは無いからなのか、あまり尊重されていない感じがしました。スタッフはとても丁寧ですし、さすが日本人のスタッフですから対応も早いのですが、そこ以外の場所、つまり入り口のセキュリティーチェックの場面でいろいろずさんなところがあったように思います。
自分の個人情報が入り口でさらされているのは嫌ですよね。とは言え、それを嫌がったら大使館には入れない可能性もありますので、郷に入れば郷に従うしかありません。
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