朝鮮戦争と言えば誰もが歴史の授業で習う戦争の1つですよね。1950年から1953年まで戦争が行われ、現在は休戦中という形になっています。2013年の夏、私はアメリカの首都ワシントンDCで研究のための調査をしていたのですが、この時、朝鮮戦争休戦60周年記念の式典を見る機会がありました。ここではこのときの式典について紹介していきます。
朝鮮戦争休戦60周年記念式典
ワシントンDCのナショナルモールにて
朝鮮戦争休戦60周年の記念式典はアメリカの首都ワシントンDCのナショナルモール、ちょうどリンカーンメモリアルとワシントンモニュメントの間にある広場で行われました。私はそれより前からワシントンD.C.に通っていたのですが、この時にこの60周年式典の看板を見かけたのです。場所や時間が具体的に書かれており、誰でも参加できるような形でしたので、ぜひ行ってみたいと感じました。
当日の様子
当日、時間に余裕を持って現地に行ってみると、セキュリティーチェックや身分証のチェックなどもなく中に入ることができました。アメリカ人と韓国人と思える人たちが集まっており、韓国の人たちが韓国の国旗が描かれたうちわや手ぬぐいを配っていました。アメリカ人はどちらかというと退役軍人やその家族が多かったです。飲み物などを配っているのもどちらかというと韓国人ばかりで、なんだか違和感がありました。
ナショナルモールの広場には大きなステージが用意され、参列客のための椅子が並べられていました。特に韓国人とアメリカ人が分けられているなどという事はありませんでしたが、アメリカの退役軍人はまとまって座っていたように思います。その中で、軍隊の服をまとったアメリカの子供たちが退役軍人に飲み物を配って回っていました。
60周年記念式典が始まった!
誰もおしゃべりを止めない!?
私が座ったのは退役軍人たちのすぐ近くでしたが、彼らは終始喋っており、式典が始まってもおしゃべりを止めないというのがとても印象的でした。むしろ彼らの話し声が大きすぎて、私はいつ式典が始まったのか全然わからないほどでした。
式典といっても、プログラム等が配布されているわけではありませんし、少なくとも私はどのような順序で進行されるのかは全然わかりませんでした。しかし、おそらく政府の関係者であろう人が話し始めた時にも軍人たちは話すのをやめず、思ったほど厳粛なものではないんだなぁと感じたものです。
アメリカの国歌が流れ始めた時
そんな賑やかな人々が一斉に話すのをやめたのは、アメリカの国歌が流れた時です。今まで後ろ向いてしゃべっていたような人たちも一斉に立ち上がり、帽子を脱ぎ、胸に手を当てました。国歌が流れ始めた瞬間に人々が話すのをやめ、さっと立ち上がったときにはなんとなくアメリカの団結力を感じたものです。
韓国の国歌が流れたかどうかは正直なところ覚えていません。ただし、軍人たちが静かになったのはこの時、そして後に述べますが、大統領が出てきた時だけだったということをよく覚えています。そのため、韓国の国歌は流れなかったと思います。
オバマ大統領の登場!
会場が一斉に静かになった瞬間
そうこうしているうちに、オバマ大統領が登壇しました。朝鮮戦争の記念式典なので大統領が出てきてもおかしくないとは思ったのですが、まさかあのスピーチが上手だと有名なオバマ大統領の演説を直接聞けるとは思わず、オバマ大統領が出てきた時には演説に聞き入ってしまいました。
そしてこの時も、軍人たちが一斉に静かになりました。アメリカの大統領といえば米軍の最高司令官ですから、大統領は軍人たちのトップに立つわけです。しかし、会社では上司に平気で自分の意見をいうような人たちが、大統領の前では一斉に静かになり、その演説に耳を傾けていました(トランプ大統領もこのくらい尊敬されていると良いのですが…)。
オバマ大統領の演説は確かにわかりやすい
オバマ大統領は演説がわかりやすいということで人気がありましたよね。私自身はオバマ大統領の演説を直接聞けるということで感動してしまい、具体的にどのような演説だったかということまでははっきり覚えていないのですが、その時にはとても聞き取りやすい、わかりやすい演説だと思いました。
大統領のスピーチが終わり、式典が終わった後は各自それぞれ会場を出て、帰路につきました。本当に何事もなかったかのように人々が会場を後にしていましたが、久しぶりに顔を合わせた軍人たちはまるで昔の旧友に出会った日のような感じで、いつまでも話をしていたことを覚えています。
チャンスがあったらぜひ出席を
まさかこのような式典に参加できるとは思わなかったため、これは本当に良い勉強になりました。特に夏になると戦争関係の催し物が増えますが、ワシントンD.C.と言えばやはりそのような式典の中心になる場所です。もしも旅行などでワシントンD.C.を訪れた時、このような式典の看板などを見かけたら、ぜひ訪ねてみてください。念のためにパスポートを持参することをお勧めします。
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