ベルギーに来て驚いた!「ここは発展途上国なのでは?」と思う瞬間

ヨーロッパと言えば、やたらと進んでいるイメージを持つ人もいるのではないでしょうか。私もヨーロッパに来る前はそのように思っていました。しかし、ベルギーで生活をしてみると日本の良さに気づくことも多く、「ここは発展途上国か!」と思うことも珍しくありません。ここではそう思ってしまった経験をいくつか紹介します。

中身の異なる郵便物が送られてきた

 対象年齢が異なるおもちゃ

先日、夫の母親から1歳半になる息子におもちゃが届きました。といっても、義母が梱包して送ったわけではなく、楽天やAmazonのようなオンラインショップで、楽天やAmazonなどは佐川急便やクロネコヤマトが配達オンになっていますが、このオンラインショップはその配達業まで行っているというものです。オランダのオンラインショップで、bolというものになります。

義母は風変わりな人ですが、息子へのおもちゃに対してはセンスが良く、どのようなおもちゃが送られてきても大体息子のお気に入りになります。しかし、今回送られてきたおもちゃは4歳以上を対象としたものであり、明らかにいつもとは異なりました。まさか義母が1歳半の息子に対象年齢4歳以上のおもちゃを送って来るとは思えなかったので、違和感がありました。すると箱の中に息子とは全く違う名前の男の子に当てて、「6歳の誕生日おめでとう」と書かれているメッセージカードが入っていたのです。箱は確かに息子にあてたものだったのですが、どうやら中身が異なっていたようなのです。

 対応の仕方に問題がありすぎる

6歳の男の子がこのプレゼントを待っているわけですから、すぐに夫がその会社に連絡を入れました。すると相手は夫から配達番号などを聞き、「送り主の情報をいうから、送り主と連絡を取るように」と言ってきたのです!なぜ受け取ったこちらがそのようなことをしなければいけないのでしょうか?それは向こうの仕事ですよね。

最終的に、運送会社が調べてもそのプレゼントが一体どこに行く予定だったのか分からなかったらしいです。何のための配達番号なのか、個人情報がどのように管理されているのか、さっぱり分かりません。先方の話では、たとえ私たちがこの誤りであるおもちゃを運送会社に送り返したところで、運送会社が正しい受取人に送ることもできないらしく、そのおもちゃは持っていて構わないと言われました。

ちなみに先日、同じ会社から、本来はシンガポール届けられるはずだったヘアジェルが6kg、義妹に届いたそうです。律儀な彼女はそれをサービスセンターに送り返したそうですが、何の返信もないそうで、怒っていました。日本ならありえない対応ですね。

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市役所のトイレに行くためには身分証が必要

 身分証を渡して鍵をもらうシステム

日本の市役所なら、トイレに行きたくなったら普通にトイレに行きますよね。しかし、こちらの市役所ではトイレに行きたくなったら、身分証を受付に預けて鍵を受け取らなければいけません。どうやら、ホームレスの人々や不法移民の人たちがトイレに閉じこもることを警戒し、このようなシステムになったそうです。

ベルギー国民はベルギー国民としての身分証がありますので、それを預けます。私のような外国人の場合はベルギーから発行された身分証がありますので、それを預ければ問題ありません。また、パスポートでも通用します。

しかし、そもそもホームレスの人や不法移民の人たちがトイレに閉じこもってしまうということを警戒して、そのようなシステムにしていることが悲しいです。私も移民に関しては様々な問題を感じますが、移民を受け入れて恩恵を与えすぎたのはベルギーの問題であり、不法移民が生じるのは時間の問題でした。そして不法移民の問題が表面化すると、今度はベルギーで正しく生活をしている人々が身分証を渡し、鍵を受け取るという情けないシステムができあがったのです。

 愛知県図書館で見かけた意見書

話は変わりますが、かつて愛知県図書館に通っていたことがあります。入り口には大きなホールがあり、ソファーもたくさん置いてあるのですが、よく浮浪者のおじいさんたちがお昼寝をしています。確かに見た目が良いものではありませんし、なんとなく近寄りがたい雰囲気があります。

そんな中、図書館に対するファイルにまとめられた意見書を読んでいた時に面白い回答を見かけました。県民から寄せられた意見の中には、やはりその浮浪者の人たちをなんとかしろ、というものがあったのです。しかし、それに対する愛知県庁からの回答は「それでもあの人たちは愛知県に住む人です」「あの人たちも税金を払っているんです」「誰にでもこの図書館に滞在する権利があります」というものでした。それを見た時は感動したものです。

確かに、こちらも市役所の人たちが考えている「トイレに閉じこもるかもしれないホームレスの人々や不法移民」はきちんと税金を払っているわけでは無いかもしれません。愛知県図書館にいる浮浪者が愛知県に住んでいる人であったとしても、ベルギーが問題視している不法移民はそもそもベルギーに住むべき人では無いのです。ですから、比べるなと言われればその通りなのかもしれませんが、やはり、起こるべくして起こった不法移民の問題に対処するために、何の問題もなく生活しているその国の国民や身分証を持つ人々に対し、身分証を預けてトイレに行け、というのはなんとも情けない話だと思うのです。

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「これが普通」のベルギーの人には話が通じない

しかし、話をしていて思うことがあります。ベルギーの人にとってはこのような環境が普通なので、違和感を持つ私の方がおかしな人物なのです。そのため、話をしていても基本的に「それが当たり前」のスタンスなので、疑問をいうだけ無駄です。

英語での表現に”be the duck”というものがあります。これは簡単に言えば「受け流せ」という意味を持ち、日々この考え方が大切だと実感しています。

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