ベルギー出身の夫と1歳の息子と、ベルギーで生活しています。多くの海外在住の人と同様、海外にいると「それっておかしいんじゃない?」と思ってしまうことがたくさんあります。ここでは、いつも通りの買い物先で「まじで!?」と思ったことを紹介します。
ベルギーのお店の仕組みとは?セキュリティーが無駄に厳しい
日本のように簡単にお店から出ることができない
日本の場合、例えばスーパーなどに入って何も買わなかったとしても、普通にで入り口の自動ドアなどから出ることができますよね。ベルギーは防犯の為、出入り口が厳しく決められています。
まず入り口にセキュリティーゲートがあり、そこはあくまでもお店に入る専用の場所になります。そこからは出ることができません。お店から出るためにはレジを通るしかないということも珍しくありませんし、少し大きなお店の場合は買い物をしない人のための出口が用意されています。しかしそこにもゲートがあり、そばにいるスタッフに声をかけてゲートを開けてもらわなければいけません。日本のように簡単にお店に入ることができる、何も買わなくても簡単に出ることができる、というスタイルに慣れていると、なんとも面倒なスタイルになっています。
有り得ない!カバンを預けなければいけないスタイル
また、カバンをレジに預けて欲しいと言われることもあります。やはり万引きをする人たちがそれなりにいるそうで、大きなカバンを持ってお店に入る場合はそのカバンをレジに預けて欲しいと言われるようです。
まだ息子が1歳になる前、ベビーカーに乗せて夫と3人でおもちゃ屋さんに行ったことがありますが、息子のオムツなどをリュックに入れて出かけたため、お店に入ったところでカバンを預けるようにと言われました。しかし、夫が「(カバンを預けている証明になる)引き換えのチケットとかはあるのか」と聞いたら、キョトンとした顔で「そんなものはない」と言われました。
つまり、荷物は預けて欲しいというものの、その荷物を預けた証拠はないということです。預けた荷物はレジの係員の足元に置かれるだけですから、他人の荷物を指差して「そのカバンを返して欲しい」と言えば、簡単に盗み出すことが可能なのです。むしろ、レジの人が常にレジに入るとは限りませんので、誰もいない隙に他人の荷物を持ち出すことも不可能ではありません。なんとも矛盾したスタイルです。
日本ではこのようなお店はほとんどないのではないでしょうか。私が小さい時、近所にカバンを預けるようにと言う本屋さんがありましたが、やはりカバンを預けなければいけないということに多くの人が抵抗を感じていたようで、その本屋さんは閉店しました。例えば、中国では大きなカバンや他の店舗で購入したものは預けるというスタイルが当たり前ですが、ものを預けると必ず引き換えのチケットを受け取っていたため、荷物が返ってこないという心配はまずなかったです。そう考えるとこの「カバンを預けて欲しい、でも預けた証拠は渡さない」というベルギーのスタイルは中国よりも劣っているといえます、笑。
買い物をした後に再びお店に入りたい場合
基本的に購入したものは持って入らない方が良い
お店で購入したものはバーコードをスキャンしてもらうことによってセキュリティーが外れます。そのため、きちんとスキャンされたものであればセキュリティーゲートを通っても問題はありません。警告音が鳴る事はまずありません。
とは言っても、日本の場合はそもそもセキュリティーゲートがないお店も多いですよね。イオンなどのショッピングモールは建物の出入り口にセキュリティーゲートがありますが、例えば食料品売り場のレジのところにセキュリティーゲートがあるわけではありません。一般的なスーパー等にはセキュリティーゲートさえないことの方が多いです。他のお店で買ったものなどをどうしても持ち込まなければいけない場合は、カバンの中に入れ、カバンを開けない、カバンから出さない、などと工夫する人も珍しくないのではないでしょうか。また、何かあってもレシートがあれば心配いらないと思いますよね。
しかし、ベルギーでは違います。購入済みのものがセキュリティーゲートで警告音を鳴らすという事はまずありませんが、やはり日本よりも万引きが多いということでセキュリティーが厳しくなっていますので、お店で購入したものは極力店舗に持ち込まないほうが無難です。大きな店舗の場合はロッカーなどが用意されていることもありますし、サービスカウンターで預かってもらうということもできます。
レシートは役に立たない?意味がわからないセキュリティー
先日、夫と息子とそれなりに大型のスーパーで買い物をし、フードコートで一休みしてから買い忘れたものに気づいたため、購入したものを預けることなく、持参して3人でそのままスーパーに入りました。そしてレジで買い物をしようと思った時、夫が新たに購入する商品をレジに置いて、先ほど購入した商品のレシートを係員に見せたのです。夫としては、「こういうものがカバンの中に入っているけど、これはさっき購入したものだから」というつもりでした。
すると係員は警備員を呼び、カバンの中をチェックしたのです。するとその警備員は「購入したものであったとしても、商品を持ってお店から出る事はできない」と言ってきました。夫がレシートを見せ、「さっきお金を払った」というと、その警備員は「レシートは何の証明にもならない」と言ってきたのです。私の頭には「?」しか浮かびませんでした。
だからといって何か疑われたというわけではありません。「商品を持ってお店から出ることはできない」と言われたので、購入したものを盗んだとでも疑われるのかしらと思っていましたが、そのような事はありませんでした。しかし、なぜか新たな買い物を断られてしまい、その時購入しようと思っていたもののお金を支払うことができませんでした。交渉すればできたのかもしれませんが、私もかなり苛立ちましたので、商品を全て置いてそのままレジを離れました。
母は強し!負けてたまるか!再びお店の中へ
しかし、実はその時購入しようと思っていたものは息子のもので、どうしても必要だったのです。そのため私は一度レジから離れましたが、夫に全ての荷物を持ってもらい、入り口からではなく、レジを通過してお店のところに入り、先程の警備員のところに行って「さっき購入しようとしていた商品はどこにあるのか」と聞きました。3つほど商品を購入する予定でしたが、警備員の指示によりお店のスタッフがそれぞれを棚に戻し始めた後だったのです。私はオランダ語は話せませんし、その警備員はあまり英語が話せないようでしたが、そんな事は関係ありませんでした。
警備員に「息子のためにあの商品を買わなければいけない」「どこにやったのか」と強く聞くと、警備員は圧倒したような表情を見せましたが、再度スタッフに指示を出し、戻し始めていた商品を全て揃えました。私はそのままそれをレジに持っていき、お金を払ってお店から離れました。
お店で購入したもの、他のお店で購入したものには気をつけて
確かに、夫がレシートを見せなければ良かっただけのことなのかもしれません。しかし、警備員の「レシートは何の役にも立たない」という発言はかなり衝撃的でした。レシートがあってもそれらを購入した証拠にはならないということであり、場合によっては、レシートがあるにもかかわらず万引きを疑われる可能性もあるということです。もっとも、例えばその状態で警察を呼ばれたとしましょう。「彼らがこれらを万引きしました、これがレシートです」と言ったら、警察はどのような反応するのでしょうか?返品する場合は、「レシートをご持参ください」と言いませんか?
いずれにせよ、警備が厳しいというのではなく、辻褄が合わないことが起こるのが海外です。日本のように「お客様は神様」という感覚もありません。
ですから、もしも海外旅行などでヨーロッパに来ることがあり、スーパー等ローカルな場所に入ることがあれば、他のお店で購入したものを持ち込まないように気をつけたほうが良いでしょう。観光地で購入したものなどは問題ありませんが、そのお店でも売られているものを持ち込む場合は注意が必要です。日本ならば「バーコードを読み込めば購入した記録も残っている」と言えますが、ベルギーにはそのような論理的な思考を持つ人はあまりいないようです、笑。なんといってもレシートさえ何も証明にも立たないと思っている人が警備員をしている国ですから、笑。
レシートが証明にならないのなら、返品したい場合にどうするんでしょうね(笑)