ベルギーのアントワープと言えば、フランダースの犬を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。実はこのフランダースの犬はベルギーではあまり知られていません。作家のウィーダはイギリス人であり、画家ルーベンスの出身地であるアントワープを舞台にフランダースの犬を書き上げました。ここではそんなアントワープの日本人ならではの見所と、観光における注意事項について紹介します。
アントワープ聖母大聖堂はぜひ!
トヨタから寄贈されたモニュメント
アントワープの市役所のすぐそばにはアントワープ聖母大聖堂という、フランダースの犬の中でネロが見たがった絵画が実際に見られる大聖堂があります。そしてこの大聖堂の前には、かつてはトヨタから寄贈されたモニュメントが置かれていました。
モニュメントというと銅像などを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、実は黒いベンチのような形をした石碑だったため、実際には普通にベンチのように扱われていました。もともとフランダースの犬のストーリーがベルギーで知られていないということもあり、あまり注意が払われていなかったのです。
フランダースの犬の石像
2016年12月、この石碑が取り払われてフランダースの犬のモニュメントが建てられました。今度は石碑ではなく、ネロがパトラッシュを抱いて横たわるモニュメントになっています。ゲント在住のアーティストによって作られたものであり、12月14日に在ベルギー日本国大使も参加し、除幕式が行われました。
かつての石碑はあまり知られておらず、むしろベルギーではフランダースの犬があまり有名ではないということもあり、その石碑そのものがフランダースの家に関わるものであるということを知る人もあまりいませんでした。しかし新しいモニュメントは抱き合ったネロとパトラッシュが柔らかい毛布に包まれて温かいイメージを与えるということで多くの観光客の注目を集めています。
ちなみにこの大聖堂は入場料がかかるので注意が必要です。いくらかかるのか覚えていませんが、多くの人が並んでいたので一緒に並んでみたところ、値段を目にして「高っ!」と驚いてそのままUターンしました笑。
電車には気をつけて!
ベルギーの電車はキャンセルや遅延が多い
ベルギーの電車はキャンセルや遅延が当たり前のように発生します。1時間に1本という電車がいきなりキャンセルされてしまったり、なぜか1時間後の電車が既に4分遅れていると表示されていたり、日本の電車事情からは想像もつかないようなことが起こります。
それはアントワープでも同様です。アントワープと言えばベルギーの中では有名な観光地であり、なんとなく全てが素晴らしいといったイメージを持っている人もいますが、実はそんなこともありません。
ベビーカーが挟まれる!?
まず、そのような杜撰なサービスの背景にはスタッフの注意不足が関係していると思います。ベルギーの電車は自分たちでボタンを押してドアを開けなければいけないのですが、停車中の路面電車に乗ろうとボタンを押し、ドアを開けてベビーカーを運び込もうとしたところ、いきなりそのドアが閉まり始めました。夫が慌ててベビーカーを降ろしたら、その路面電車はゆっくりと進み始めてしまったのです。あくまでも路面電車なのでたいしたスピードでは無いのですが、その時はとても驚きました。
後ろに停車していた路面電車の運転手も驚いたようで、「多分運転手が気づかなかったんだろう」「あんな事はあってはいけない」と言っていました。友人からは「苦情を申し立てるべきだ」とも言われたのですが、実はそこまではしていません。しかしこのようなこともあるということを念頭に置き、安全面には自分で気をつける必要があります。
エレベーターが開かない!
ベビーカーと一緒に挟まれそうになった同じ日にこんなことを目撃するとは思わなかったのですが、アントワープから地下鉄に乗るためにエレベーターで地下に行こうとしたら、地上にやってきたエレベーターの扉が開かず、中には3人の女性が閉じ込められた状態で外にいた男性が一生懸命エレベーターの扉を開けようとしていました。
最終的にエレベーターの扉は開いたのですが、私と夫は万が一また同じように扉が開かなかったら困るということで階段を使って地下に行きました。すると案の定、そのエレベーターに乗って地下に降りようとした男性が閉じ込められており、係員が駆けつけて扉を開けようとしていました。
これは一度扉が開かなかったようなエレベーターに乗る張本人にも問題があります。しかし地震が起こったわけでもないのにエレベーターの扉が開かないなんて、なんとなく日本では考えられない気がします。やはり自分の身は自分で守らなければいけません。
とにかく移民が多い
移民ほど子供の数が多い?
アントワープは国際都市ということもあり、やはり外国人を見かけることが多いです。そして外国人といってもアジア人などではなく、やはりアフリカ系の人やアラブ系の人が多い印象があります。
そのような人たちを見ていると、移民にあたる人たちほど子供の数が多いように感じます。少なからずオランダ語を話している人たちの子供たちはだいたい2人か3人なのですが、移民の人たち、つまりオランダ語ではない言語を話している人たちは5人も6人も子供を連れているということもたくさんありました。
ヨーロッパは移民の問題が大きい
夫はヨーロッパ出身です。本人は移民政策には賛成ではありますが、移民にばかり社会保障が充実するのはいかがなものかという考え方の持ち主です。例えば、ベルギーはたとえ子供が5人いたとしても、補助金が出るため、問題なく教育ができると言われています。そのようなこともあり、その補助金を目的としてベルギーに移住してくる外国人も少なくはありません。だからこそ、移民の子供の方がベルギー人の子供の数よりも多いという構図ができあがるのです。例えばアントワープやブリュッセルの学校に行けば、生徒のほとんどが移民ということもあり得るそうです。
難民等を支援するという事は良いことではありますが、国民の生活に支障を出してまで難民や移民を援助するという方法には不満を持つ人が少なくはありません。特にアフリカでは「ヨーロッパに行ったら一生働かなくても食べていける」などといったユートピア的な誤解が蔓延しているようで、それを目的にヨーロッパに来る人が多いようです。
Wi-Fiはほとんど通じない
アントワープ市街地のフリーWi-Fiには期待しないで!
アントワープは国際都市、そして観光地として自分たちを宣伝しており、アントワープ市街地にはフリーWi-Fiがあることでも知られています。結論から言いますが、このフリーWi-Fiは使えません。まず通じないのです笑。
ですから、「アントワープにはフリーWi-Fiがあるから大丈夫」「市街地に行けばWi-Fiが通じるから連絡が取れる」などといった考え方は避けた方が良いでしょう。もちろんWi-Fiなどは発展していきますので、今は少なからず向上している可能性もあります。しかし、私たちが行ったときにはどこに行ってもWi-Fiが使えず、非常に不便でした。
スターバックスにもWi-Fiがない
友人が迎えに来てくれる予定だったため、私たちはWi-Fiが使える場所を探していました。
市街地のWi-Fiが使えないため、それならばということでスターバックスに入りました。しかし驚くことに、そのスターバックスにはWi-Fiがなかったのです。スタッフにWi-Fiはないのかと聞いたところ、ホテルが隣接していてそのホテルのWi-Fiが使えると言われました笑。Wi-Fiがないスターバックスなんてスターバックスの価値がないとさえ思いました笑(ちなみにEU圏内は、屋内は基本的に禁煙です。そのためスターバックスの売り文句、「禁煙」だけでは集客はできないのです… 他のお店も屋内は禁煙ですから!)。
そのホテルのWi-Fiを使おうとも思ったのですがうまくつながらず、やはりWi-Fiを使うことができなかったのです。最終的に私たちは電車に乗ってショッピングモールに行き、そこのWi-Fiを使いました。
ちなみに、ベルギーはWi-Fiが使える場所がかなり限られます。レストランやバーでもWi-Fiが使えるとは限りません。また、フリーWi-Fiの表示があるからといって通じるとも限りません。しかし、ショッピングモールなどに併設されているLunch GardenというフードコートはフリーWi-Fiがあります。建物の外から見ても看板があるので分かりやすいですよ。もしもWi-Fiが必要であればこの場所を利用してみてください。
安全に気をつけて楽しい旅を
アントワープは比較的英語も通じますし、観光客には優しい地域かと思います。しかしその一方で日本ほど安全な国は他にはありません。日本と同じ感覚でいてはいけません。
例えばベルギーのアントワープに観光旅行に行くならばブリュッセルに行くという人も多いかと思います。夫は身長190センチありますが、そんな夫でもブリュッセルに行くときにはかなり用心をしており、常に靴の中に200ユーロを隠しています。私はまさか190センチの人間から物ひったくる事は無いだろうとは思うのですが(ちなみにブリュッセルでは私は荷物を持ちません笑)、仮に荷物を盗まれてしまったりしても靴の中のお金は盗まれない、200ユーロあれば何かあっても家に帰れる、という考え方のようです。
夫は学生時代にブリュッセルに住んでいたことがあります。その人がこのようにいうのですから、海外に行くときには荷物の取り扱いには要注意だと思っています。
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