世界を旅してきた中で、これだけ綺麗な一枚岩を見ただけでなく、登って楽しめたのはこのオーストラリアのウルルだけです。オーストラリアは日本人にも大変魅力的な旅の目的地ですが、ぜひ、海沿いの街だけでなく、このオーストリア大陸のど真ん中に位置するウルルへ足を運んでほしいと思います。
ウルルとは
ウルルの基本情報
世界で1番目に大きな一枚岩は、西オーストラリアにあるマウント・オーガスタスで世界2位のウルルの2.5倍の大きさです。標高864m、周囲9.4kmで砂岩が鉄分を多く含んでいるために、赤く見えます。天気の良い日に、日差しがウルルを照らす風景は息をのむほどに美しいものです。先住民アボリジニの言葉でウルル、イギリスの探検家によってエアーズロックと名づけられました。そして、1987年にはユネスコ世界遺産に登録されています。アボリジニが周辺の土地に住み始めたのは1万年前と言われており、精霊が住み着く神聖な岩とされています。しかし1976年オーストラリア政府が定めた、アボリジニ土地権利法からウルルが除外されたため、アボリジニから構成される評議会が抗議を行い、1983年に伝統的所有者、つまりアボリジニの元にウルルが返却されました。
ウルルへの行き方
オーストラリア大陸は大きいもので、主要な都市からかなり離れていますし、電車やバスを乗り継いでいけるようなものではありません。車を借りて、何日もかけて砂漠地帯を越えるか、ケアンズから2時間半、シドニーから3時間半かけて、エアーズロック空港まで飛行機で飛ぶかです。飛行機で行ったとしても、街にいては想像できないほど、オーストラリアがどれだけほぼ砂漠地帯なのか眺めることができて面白いです。エアーズロック空港に着いたら、車をレンタルしましょう。公共交通機関はないに等しいので、車が一番便利です。
物価が高い
オーストラリアは世界でも物価がかなり高い国で、日本の1.5~3倍と考えておいた方が良いでしょう。また、宿泊施設ですが、選べるほどないのと、大きな街から離れているので、シンプルな部屋の安いホテルを選びましたが、それでも1泊1人で1万円以上は普通です。スーパーもとにかく高い!私たちは、スーツケースに街で買った食べ物をいっぱい詰めてそれをホテルの共同キッチンで料理して食べたりしていました。
ウルルに登る
ウルルを登れる条件
ウルルを登れる確率は、なんと1年のうち1/3日しかありません。それには厳しい下記の条件があるからです。
・天気予報で36度以上のとき
・2500フィート以上の風速のとき
・ウルルから50キロ以内に強い低気圧が観測されるとき
・今後3時間以内に20%以上の降水確率が予報されたとき
・今後3時間以内に5%以上の雷の確率が予報されたとき
・ウルルの山頂より低い雲が観測されたとき
・日の出1時間前と日の入り1時間半後
ラッキーデイ
こんな私にも運がまわってきました。とてもラッキーなことに滞在日数3日でしたが、最終日の朝に全ての条件を満たし、ウルルがオープンすることになったのです。すぐに登山準備をして、いつクローズするかもわからにウルルへ向かいます。滅多にない機会に恵まれて、しかもアボリジニの神聖な場所を登れるとは、本当に感動でしました。実際に登ると、そこは岩。山ではないので、滑りやすい急斜面があったり、風が少し強かったら飛んでいきそうな感覚になったり、厳しい条件がある理由がよくわかりました。急斜面には岩に打たれた杭に縛り付けられた鎖を握りしめ登っていきます。母親は怖くて途中で登れなさそうな感じもありましたが、励まし合いながら頂上まで登頂することができました。頂上から見るウルル周辺は、なーんにもない大地で大きなビルや走っている車もほとんど見かけないような何からも離れた遠隔地で、本当に地球のヘソに来たような感じを受けました。下りは登りよりもっと怖いもので、しゃがんでずり足のようにして降りて行きました。降りた頃には、すでにクローズになっていて、その時間から登ることは許されませんでした。本当にラッキー中のラッキー。素晴らしい体験をしました。
エネルギーをもらう
神聖な場所へ行くと、エネルギーを強く感じます。私はスピリチュアルなものなど特に信じないタイプですが、この巨大な一枚岩を登ることで、大きなエネルギーをもらったと思っています。本気で神聖さを自分の身で感じることができる、世界でも数少ない場所ではないでしょうか。
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