タイの交通手段といえば、バス、鉄道、バイクタクシー、船と、手段は色々あるようですが、その交通事情は日本とは比較にならない場合が多いです。時間通り、という言葉は存在しないと思った方がいいですね。バンコク市内の電車はとても清潔で安全ですが、これを除けば、まだまだ発展途上なのが実情。これは良くも悪くも、タイらしさなのかもしれません。1年半かけてタイの全土を巡ってきた私が、今回はタクシーと路線バスについて少しお話できればと思います。
バンコクのタクシーメータの表示
歩いた方が早い場合も!
「もしタクシーが6km/h以上で動けなくなった場合、1分あたり2バーツです」。バンコクのタクシーに乗ると、タクシーのメータ表が貼ってあります。そのメモ欄に記載されているのが、これ。1時間6kmも走れないなんて、もはやタクシーを降りて自分の足で走った方が速いですね。それほど、バンコクの交通渋滞はひどいんです。仕事で郊外にある工場からバンコク市内に車で戻ってくる際に、たったの30kmを3時間でゆ~っくり駆け抜けたことがあります。いつもなら1時間もあれば余裕で到着する予定なのに、いつの間にか日が沈んで、それでもノロノロ運転。というか、バンコクの渋滞はある区間が全く動かなくなり、ある区間はスムーズになる場合が多いですね。それによって、車の稼働時間も多くなって空気汚染がひどく、バンコク市内はガスっていることがほとんどです。それに加え、ほぼ毎日30度以上の猛暑ですから、気持ちのいいものではないことがわかると思います。現在、BTSやMRTという電車や地下鉄の沿線工事を進められており、完成は誰もが予測する通り予定より遅れていますが、これで少しは渋滞や環境が改善されることを祈るばかりです。
バスの日常
時刻表は存在しない!
日本ではバスの時刻表があって、バスが停まるはずのバス停があって、乗車や下車の際にお金を払いますよね。残念ながら、タイではこのどれにもあてはまりません。時刻表は存在しないので、バスが来ることを願ってひたすらバスを待ち続けます。バンコクではバスの路線がたくさんあるので、どの番号に乗ったらよいかは、その辺の人に聞くか、グーグル先生に聞くかです。バンコク市内で30分以上待ち続けても来ない場合は諦めて、タクシーに乗るか、バイクタクシーに乗るか。どちらもバスより倍以上の値段がするので、なるべくは避けたい。そして、バス停はあるのですが、手を挙げればどこで降りても乗っても大体はいけますね。
客さんがいるのに給油!?
ただ、バスがガソリンスタンドで給油をすることがあります。それも乗客を乗せたまま。しかも、私がよく乗る路線はよく停まるんです。バス停が5分先なのに。。。ってところで、いい場所にガソリンスタンドがあって15分待ちぼうけです。歩くとちょっと遠いし、それなら待つしかない。時間はゆっくり流れるもの、これがタイの日常、バスの日常ですね。また、お金の払い方も面白いもので、満員で誰が乗ったか降りたかわからない状況が多くある中で、お金を回収する担当の人が1人必ず乗車していて、何となくバス内を巡回してきます。値段は6~18バーツ(約20~60円)で、エアコン付きかどうかで変わります。無賃乗車は余裕でできてしまいますが、観察していたら結構ちゃんとみんな支払っています。バスに乗るくらいなので、お金に余裕のない人もたくさんいるはずですが、これも仏教国の特徴の一つかもしれません。
少しだけ気を付ければ楽しめる
移動手段が限られたり、時間通りにいかないのが普通。1分電車が遅れたからといって駅内でアナウンスが流れる日本とは次元が違うので、最初はイライラすることがあるかもしれませんが、毎度なので段々慣れてきます。郷に入れば郷に従え、とはこのことかと実感させられます。でも、間違えて異なる番号のバスに乗ったときにすぐに言えば止まって降ろしてくれたり、目的地への行き方がわからなければ、聞けば多くの人が答えてくれます。その情報が当たっているかどうかは別として。最後に信じるべきは、自分ですが、ゆっくりと流れる時間に身を任せて少し気軽に旅をしてみるのもいいかもしれません。日本では決して経験できない、いいハプニングにも出会えるはずです。
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