イタリアのレストランで働いてわかったイタリア社会の厳しさ!

イタリア大好きの私は、これまで何度となくイタリアを訪れてきました。観光だけでは飽き足らなくなった私は、イタリアローマ郊外にあるイタリアンレストランのオーナーが友人であったため、お願いして約半年間ほど働くことに。もちろんビザはおりないので、無給のボランティアという位置づけですが、オーナーの家にホームステイ、そして食事は無料で提供してくれるとのことで、あまりお財布には影響ないことを確認して。。。いざイタリア・ローマへ飛ぶことに。。。

レストランの全貌

 イタリアスタイルの受け入れ

イタリア人のウェルカム度は世界トップクラス。初日に挨拶へレストランへ行った際は、みんなものすごく温かく受け入れてくれました。レストランの従業員はピザを作るピッザリオロが2人、シェフが3人、ウェイトレスが3人、皿洗いなど諸々の雑用担当が2人の計10人です。シェフの内1人はフィリピン人で、イタリア語もまだまだ流暢ではないのに、フィリピン人の奥さんと子供で家族で数年イタリアに暮らしているとのことでした。従業員は、20代から40代まで年齢はバラバラ。

 何でも聞いてくる

とにかく、すごく陽気でおしゃべりが大好きなので、みんな私がアイドルになっかのように、ためらいなく色々質問してくるのです。日本ではどんな暮らしをしているのか、イタリア人の男は好きか、イタリア料理は好きか、、、ものすごくフレンドリー。また、レストランは、ランチとディナーの時間にオープンするのですが、私は主にバリスタを担当していました。イタリアのレストランにはよく、バーカウンターがあって、そこで、珈琲をつくったり、色々な飲み物を作る仕事です。

観光立国を目指して(前編)~日本の良さ

2017.06.16

学んだこと

 バリスタの仕事は意外と難しい

これまで、カフェにある大きなコーヒーマシーンでコーヒーを作ったことがなかったので、今回初挑戦となったのですが、ミルクを入れない一般的なブラックコーヒーやエスプレッソを作るのは、そんなに難しいものではありませんが、カプチーノはミルクを蒸気で泡立ててそれをコーヒーの上に乗せる必要があります。今思えば、もっとちゃんと学んでおけばよかったと思いましたが、私は最後までミルクをふわふわにすることができませんでした。。それに、コーヒーを作る技術だけではなく、お客さんがバーカウンターに来たら、少しお話をすると、素敵なバリスタかもしれませんが、お客さんとなるとなんか緊張して話せなくなってしまう。。。たった半年の経験なんだから、もっとグイグイ攻めてもよかったと、今の私はちょっと悔しい気持ちになります。

 イタリア語の上達

みんな英語はできないので、イタリア語での会話です。私は趣味で1年ほど自分で勉強していたので、難しいトピックでなければ、日常会話はできる程度でした。それでもまだまだ答えに詰まること、何て説明すればよいかわからないときが多々あって、場を盛り上げるためにユーモアが必要でした。最初はこうやって、少しずつイタリア語を実践して、そしてイタリア人が実際に使う言葉をよく聴いて真似するようにしていました。語学学校に行くこともなく、半年後には、日常で本当に困らないくらいに上達することができて、それだけでもこのレストランでイタリア人と働く経験に価値があったと思います。

 タバコを吸う人の多さ

驚くのは、従業員10人が10人とも、タバコを吸っていたことです。男も女も、20代も40代も関係なく。仕事が始まる前に必ず、毎日全員で外でタバコを吸う習慣があったので、運動不足でタバコを吸わない私は、代わりにレストランの駐車場を何周も走り回っていました。私のイタリア人の友人もほとんどが喫煙します。ある調査で男女を合わせた喫煙率は19.8%のようで、日本と同様の数値ですが、感覚的にはもっと多い気がします。

 給料の支払い遅れ

ある日同僚がオーナーに隠れて、こっそり教えてくれました。給料の支払いが2か月遅れているとのことです。どれだけイタリアの経済状況が悪いか、実感したのがこの時です。日本で今どき給料が2か月遅れているなんて、滅多に聞きませんよね。これもこのレストランだけではなく、他でも似たような状況なので、仕事を他で探していないとのことなのです。確かにサルデーニャ島で働いている友人も1か月給料の支払いが遅れるのは当たり前だと言っていたので、これはイタリア全土の深刻な問題だと思います。観光で旅すれば、綺麗なイタリアが見られますが、実際に働いてみると、現実が見えてきて、いくら国が好きでも住みだすと色々と苦労がありそうだな、との印象を持ちました。

総合してとても良い経験だった

イタリアでプチ働きをしてみて、興味深かった部分と、やっぱりイタリアは素敵と感じた部分と、プラスしてイタリアの影を見てしまったようで、すごく複雑な気持ちになりました。仕事をするとどんな国でも問題は出てくるものですが、問題は少ない方が住みやすいに決まっています。憧れだけで突き動かされずに、現実に目を向けて働く場所も住む場所も選ぶべきだなと、人生の良い経験になりました。

 

   

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