海外で仕事をしたいと思うならば、ハワイはいかがでしょうか。決してどこよりも簡単というわけではありませんが、ハワイは日本人であっても比較的仕事を得やすい場所です。また、言語能力が問われない場合も多く、たとえ英語が話せなかったとしてもできる仕事が複数あります。ここでは、そんなハワイの仕事の背景についてお話しします。
ハワイの経済
ハワイの経済を支える分野
ハワイの経済は、観光業、サービス業、農業、軍需産業で成り立っています。特に観光業はその割合が大きく、ハワイのGDPの25%は観光業で成り立っているとさえ言われています。
そして、観光でハワイにやってくる人に対するエステやネイル等のサービスも盛んであり、さらにハワイは太平洋防衛のための重要な軍事拠点となっていますから、その基地の中にも様々なレストランなどが存在し、軍事関係で働く人の人数は47,000人と言われています。それほど、サービス業もハワイの経済を支える柱になっているのです。
ハワイの個人所得
その一方で、ハワイの個人所得は全米50州の中で40位ほどです。というのは、1年を通じて様々な職に求人が出ているハワイですが、ホテルの従業員やツアーコンダクター、レストラン等のシェフやホールサービス、セラピストやネイリストなど、特にこれといった資格も経験も必要のないものばかりであるため、賃金が非常に安いのです。
ハワイは本土から離れており、物資を飛行機や船で送ってもらわなければいけません。そのためにその費用額が上乗せされてしまい、物価が非常に高くなります。そのため、医者や弁護士等の高度専門職でもない限り、共働きでなければ到底生活していけない場所でもあります。
日本人を対象とした職業
日本人の観光客
ハワイには、毎年約1,500,000人もの日本人が観光で訪れます。また、約200,000人の日系人が住んでいます。そのため日本人を対象としたホテルやレストラン、旅行会社などもたくさんあるのです。
日本人を対象とした場所では日本語はもちろん、日本人ならではの感覚や嗜好が期待されます。また、そのような場所では日本語がしゃべれれば問題ないことも多いため、英語がしゃべれなかったとしても職を得られる可能性が高まります。
英語がしゃべれない!
先ほど述べたように、日本人を対象とした場所では日本語が使えることや日本人に対して十分なサービスを提供できるということが重視されますから、英語がしゃべれなかったとしても特に問題のない場合もたくさんあります。また、オーナーが日本人であるということも多く、面接が全て日本語だった、英語はほとんど必要なかった、ということも珍しくはありません。
ただし、そのような場所に日本語がしゃべれない人が来ないとも限りません。日本人向けのホテルだからといって、アメリカ人など他の国籍の人が来ないとは限らないのです。そのため、可能であれば英語は話せた方が良いでしょう。もしもその仕事に応募した人が1人は日本語しか話せないけれどもう1人は日本語と英語が話せる、と言った場合、二か国語しゃべれる人の方が有利なのはいうまでもありません。
ビザの問題
就労許可がなければ仕事はできない
いくら日本人向けの仕事がたくさんあるからといっても、誰でも仕事ができるというわけではありません。アメリカという異国の地で仕事をするためには、就労ビザという許可を取らなければ仕事をすることができないのです。
一般的には、ハワイの企業などに応募し、内定をもらった後に就労ビザを取得するというやり方が一般的です。行政書士等の事務所で代行している場合もありますから、そのようなものを利用するという方法もあります。しかし、就労ビザの取得には数十万円かかることもあり、さらにそれだけお金をかけたとしても就労ビザが取れるとは限らないため、ハードルが高くなるのです。
就労ビザの難しさ
近年、アメリカの経済に大きく貢献し、何人もの駐在員を送っている日本の大手商社などであっても就労ビザを断られることが増えていると言われています。よく、就労ビザの取り方などを述べたウェブサイトに「こうすれば確実に取れる」などと書かれていることがありますが、それは事実ではありません。アメリカでの就労ビザの取得はかなり厳しく、特にトランプ政権になってからはその勢いが加速しています
そのため、就業ビザがまず取れる分野としては、日本語教師など、アメリカでも需要があり、日本人ならではの仕事ができる専門職人に限られるといった傾向もあります。言い換えれば、先ほど述べたようにホテルの従業員や日本人向けの旅行会社のスタッフ、レストランのホール係など、誰でもできる仕事ならば就労ビザの取得はまず困難と思っても間違いないのです。
結婚による就労ビザの取得
アメリカで働くのに最も高い確率で執行許可を取るための方法はアメリカ人と結婚し、グリーンカードを取ることだという人もいます。グリーンカードというのはアメリカの永住権です。
一般的に、外国籍の人と結婚してその国に住む場合、配偶者ビザ等、配偶者ならではのビザを取得することができます。例えば日本の場合、結婚して3年以上経っており、直近1年以上日本に住んでいれば日本の永住権を申請することも可能です。そして、配偶者であれば仕事をすることも可能です。
しかし、近年はこのようなことを目的とした「偽装結婚」も増加しており、配偶者ビザ等を申請する際には2人がどれくらいの期間付き合っているのか、本当にSkype等で連絡を取り合って恋愛関係を維持してきたのかなど、証拠の提示を求められることも少なくはありません。そのため、どこの国であっても同じですが、海外で仕事をするためにその国の人と結婚するという考え方は避けた方が無難です。
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