ニューヨーク生活で感じた日本の良いところ

海外生活をすることの利点は、語学が身に付くだけではなく、日本を客観的に外から見ることが出来るようになることです。日本国内にいるだけでは気がつかない、日本の良い部分や悪い部分も、海外に住むことで新しく見えるようになります。筆者は日本にいた頃、日本よりもアメリカの方が先進国で、きっとすごい国なんだろうと想像していました。しかし、アメリカに来て数ヶ月経った頃から、徐々にアメリカの悪い部分、そして日本の良さを感じるようになったのです。今では、日本に住んでいないのに日本が大好きで、一時帰国の度にワクワクしています。
そこで今回は、筆者の体験談をもとに、日本の良いところをご紹介します。

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 3分遅延で謝罪の日本vs来なくても絶対に謝らないアメリカ

日本の電車やバスの到着や発車時間は機械のように完璧です。東京では2分遅れるとホームがざわつき始め、3分で車掌さんや駅員さんが放送で謝罪と遅延の原因説明を始めます。5分以上遅れると、丁寧に遅延証明書まで発行されます。
アメリカでは、決められた時刻表ぴったりに来ることはほぼありえません。そもそも駅の電光掲示板には、「◯時◯分到着」ではなく「◯分後に到着」と書いてあって、例えば「10分後に到着」と書いてあって、10分経ってもまだ「5分後に到着」と書かれている、などという事はよくあります。飛行機や長距離バスでも遅延は日常茶飯事です。
しかし謝罪はほぼありません。
筆者の体験談ですが、運転手は「私の責任ではありません」キャビンアテンダントは「次の便をご利用ください。」と無表情に言うだけで、筆者がキレても無視して、別の乗客の対応をはじめました。たまに、「Sorry for your inconvenience」と、録音されたテープを駅で流すこともありますが、人が謝ることはまずありません。ですので、例え電車の遅延が自分の責任でなくとも、怒っている乗客に逆ギレすることもせずに、丁寧な対応と謝罪を繰り返し行うことのできる日本は素晴らしいです。

 笑顔が当然の日本店員vsチップで態度を変えるアメリカ店員

アメリカをはじめとする西洋の国では、レストランの店員は時給が三ドルほどで非常に低く、その代わりチップをもらうことで稼いでいます。ウェイトレスは基本的に、チップをもらうためにお客さんへの対応を頑張ります。逆に、以前の来店でチップを弾まなかった客のことを覚えていて、次に来店した際には明らかに対応を悪くすることもあります。
筆者は地元のよく行くレストランで、非常に態度の悪い接客をされたことがあり、その時にチップを安くしようかと思いました。しかし、そこのメニューは美味しく、地元なのでまた来たいと思っていましたので、チップを安くすることで次回の来店以降険悪な雰囲気になってしまうことを避けるために、渋々通常の金額のチップを払いました。
それに比べて日本の店員は、チップ制度がなくても、どんな客にも常に笑顔で丁寧に対応することが当然とされています。
自分の金銭的メリットではなく、お客様を喜ばせるために人として正しい行いをすることができる日本人の道徳心は本当に素晴らしく、アメリカにはない日本が誇るべき国民性です。

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教育・福祉

 年間130万で行ける日本の私大 vs 年間130万のアメリカ幼稚園

日本でも保育園の待機児童問題がよくニュースで取り上げられますが、アメリカは日本とは比較にならないほど養育費が高いです。まず、アメリカの幼稚園や保育園は円換算にすると年間50万円から130万円かかります。
これは、アメリカ政府が教育・福祉にかける予算が圧倒的に低いからです。もちろんこのような高額な教育費を払える家庭は少ないので、幼稚園や保育園に通えない子供は非常に多いです。
幼稚園や保育園は、集団生活の中で社会性を育んだり、様々な人と話すことで新しい語彙を学んだりと、子供にとって様々な良い影響があります。日本では3歳以下の児童へはまだ保育施設の不足がありますが、4歳以上の児童はほぼ全員幼稚園か保育園に安い学費で行くことができます。大学も、アメリカでは平均年間400万の学費がかかりますが、日本では私立でも130万ほどで行くことができます。
日本国内では待機児童や大学の奨学金問題が話題になっているので、日本政府はダメだという印象がありますが、アメリカにいると、まるで日本が天国のように素晴らしい福祉大国に思えます。

 高2で微積分を教える日本高校vs高2で一次関数を教えるアメリカ高校

アメリカにいると、日本の教育レベルの高さに気づきます。
アメリカでは基本的に、中学校で平行四辺形の求め方を習い、高校で一次関数を習います。学力の高い学生のみ、高いレベルの授業を受けることが出来ます。
一方日本では学力に関係なく全員が高いレベルの内容を学びます。
筆者はアメリカの大学で教育政策学を学んでおり、地元高校の授業見学に行ったことがあります。
高校1〜2年生の数学のクラスで一次関数を教えていましたが、生徒は全員電卓を持っていて、簡単な計算でも常に電卓を使って解いていました。教師側も、電卓なしで生徒が一次関数の問題を解けるわけがないと思っており、電卓の使用を当然のように勧めているのです。
アメリカは、世界大学ランキングでも常に上位入りをしているので、教育レベルが高いというイメージでしたが、小学校から高校までの教育レベルは、日本の方がはるかに上です。

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2017.12.17

イメージと違うアメリカ

日本から見るアメリカは、世界一の先進国で、なんでも日本よりも進んでいるようなイメージですが、アメリカに住んでみることで、日本の方が進んでいる部分を多く見つけることができます。
もちろん、アメリカの方が日本よりも素晴らしい部分も沢山ありますが、日本の外側から、日本の素晴らしい部分を見ることによって、日本人としての誇りが生まれ、自信を持って世界で活躍することができます。

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