もしも明日から突然外国人の同僚とチームを組んで仕事をしなければならなくなったら、あなたはどうしますか?もしかしたら文化の違いや言葉の違いに戸惑って、普段の力が発揮できなくなってしまうかも知れません。でも外国人と上手に働くコツを知らずに相手を傷つけてしまったり、フラストレーションが溜まってしまうのは嫌ですよね。そこで今回は長年アジア圏、英語圏、ヨーロッパ圏の人々と一緒に仕事をしてきた経験を活かし、「外国人と上手に働くコツ」をお伝えしたいと思います。私の実体験に基づいたものですので「そうなんだ〜!」とリラックスして楽しんで貰えたら嬉しいです。
「外国人」も同じ人間であることを忘れない
まず「外国人」と聞いて思い浮かべるのはどこの国のイメージでしょう。多くの人は英語圏の外国人を思い浮かべるのではないでしょうか。まずはそのステレオタイプのイメージを捨てて下さい!「外国人」はブラジル人かも知れません、ベトナム人かも知れませんし、モザンビーク人かも知れません。
外国人も同じ人間
同じように「外国人は日本人と全く違う考え方で生きている」という考えも捨ててみましょう。この考えはある意味正しく、ある意味間違っています。外国人と言ってもみんな同じ「人間」です。されて嬉しいこと嫌なことは基本的に同じ。陰で悪口を言う嫌な人もいれば、凜として自分を保つことのできる良い人もいます。
No!と言いづらいのは外国人も同じ。但し・・・
さらに日本人が勘違いしがちなのが「外国人はYesとNoをはっきり言う」という考え方。しかし、「私もそれは正しいと思う」という”Yes”は言いやすくても、「それ間違ってると思うんだけど」という”No”が言いづらいのは外国人も同じです。
但し、”No”の根拠がはっきりしている場合は、外国人は日本人より”No”をはっきり示す傾向が強いと思います。例えば私がオーストラリア人とアメリカ人と働いていた時、私の日本人の同僚がちょっとした雑用を私と彼らに頼んだことがありました。私がOKの返事をしてその仕事に取り掛かろうとした時、彼らははっきり言ったのです。「やらない。その仕事は契約書に書いてないから自分の仕事じゃない」と。頼まれた仕事は本当に簡単な雑用で、契約書に書くまでもないような小さな仕事でした。日本人は仕事を頼まれた時にそれが契約書に書いてあるかないかなど、殆ど気にしません。でも彼らにとって契約書は絶対で、それに書いていないことは堂々と「やらない」と言ったのです。
“No”を言うならばそれを支える理由をしっかりと説明する。ただ”No”を繰り返すだけではただのワガママになってしまいます。それが彼らの”No”を言う基準だと思います。
相手に合わせることだけが全てじゃない
日本人は自分の意見を言うことが苦手です。”Yes”も”No”もはっきり言いません。…という日本人の特徴は決して悪いことではありません。相手の考えていることを慮り発言や行動をするのは言わば日本人の「文化」なのです。外国人の考え方が正しくて、日本人考え方が間違っているなんてことではないのをしっかり頭に入れておくことが大切です。
外国人と接する際は自分の考えを示してもOK
「自分はこうだ」という考えをしっかり持って、できないことははっきり「ちょっと難しいかな…」と言ってみましょう。「やらない!だってだって私は日本人だもん!」と強い口調で言う必要はありません。外国人も同じ人間なので言い方が乱暴だとカチンとくるのは私たちと同じです。
ただ、日本人が理由と共に出来ない意思を表したとしても、ほとんどの外国人は意外なほどあっさりその意見を認めてくれます。人がそれぞれ違う事は当たり前のことで、たとえ相手の価値観が自分のそれと違ったとしても、尊重することがマナーだからです。
面倒くさい先輩に対し外国人がとった行動とは
私も以前こんなことがありました。年配の先輩が外国人たちに同じ味のお菓子ばかりを毎日配っていたんです。いらないと言っても「遠慮しないで!」と全く聞かず。みんな同じ味のお菓子を毎日毎日配られることに少しストレスを感じていました。しかし相手は私よりかなり年上の先輩。私はいつも笑顔を作り「いつもありがとうございます」とお菓子を受け取っていました。
フランス人とインド人の同僚は我慢の限界
それに耐えられなくなったのが、フランス人とインド人の同僚。「我慢できない!もう同じものばかり配らないでって明日はっきり言う!」と息巻いていました。「あなたも一緒に言ってくれるよね?!」とすごい勢いで迫られたのですが、どう考えても私は先輩の好意に真っ向から反抗することなんて出来ないと思いました。そこで私はポツポツと言ったのです。「うーん… 私は日本人だから…年上の人のお菓子を断るのはちょっと… 言いづらいかな…」しかし、がっかりされるかな…?なんて思っていたのも束の間、同僚は言ったのです。「そうか!あなたは日本人だもんね。でも私たちは違うから別に年上だからって気にしないよ!明日はっきり言ってあげるから任せておいて!」と。
自分の意見を伝えることで認められる
拍子抜けするくらい私の意思表示は尊重されました。しかも自分の意見をしっかり言ったという部分では逆に評価をされたのです。理由をしっかり伝えれば違う考えを持つこと自体は全く恐れることではありません。相手に何でもかんでも合わせて自分を保てないことよりも、何倍も評価されることなのです。
先輩はショックを受けてしまったようです・・・
ちなみに、その後同僚は先輩に「同じものばかり毎日食べるのはちょっと… これからはいらないわ。でもありがとう。」とストレートに伝えたそうです。口調は優しいですが、はっきり言われたことがショックだった様で、先輩のお菓子配りはその後なくなりました。
働く価値観は人それぞれ
日本人は自ら進んで残業をして、外国人は仕事が終わったらさっさと帰る…確かにこの考え方は一部分では正しいです。しかし外国人でも進んで残業をする人はたくさんいます。アメリカ人でもカナダ人でも「業務終わりの時間になったからさっさと帰るっていうのは、ちょっとね…」と感じる人も(比較的少ないですが)確かにいます。
自分と異なる存在を排除することは絶対にNG!
絶対にやってはいけないのは自分と違う価値観や考え方を持つ人を違うということを理由にして排除してしまうことです。人は違って当たり前なので、違うということは排除する理由にはなり得ません。同じだから良いという価値観は考えることを放棄しているのと同じこと、と外国人は考えます。納得いかないならば、とことん話し合えば良いのです。
まとめ
外国人とのコミュニケーションが日本語でも英語でも中国語でもポルトガル語でも、上手い下手は関係ありません!きちんと自分と言葉で自分の考えを伝えようとすれば、外国人もしっかりと自分の考えを伝えてくれると思います。自分の考えを伝えないこと、これこそが最も評価を下げることにつながります。ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
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