パリ・ニュース!フランスに広がる学生運動

ストライキで明け暮れているフランスですが、日本はいかがですか?さて、今日の話題は「広がる学生運動」、「仏ついにシリアを攻撃」、「フランスの納税革命」の3本です。

広がる学生運動

先週の「パリ・ニュース」では、仏国鉄 (SNCF) のストライキに絞ってお知らせしましたが、実は、フランスを混乱させているのはSNCFだけではありません。SNCFのストライキに平行して、実は今フランスでは、数々の社会運動が沸き起こっているのです。その中のひとつが、学生による大学封鎖です。

 不平等な「くじ引き」入学

日本では、大学へ進学するには、入学試験というのがごくごく当たり前の話しですが、フランスではバカロレア(*)に合格した学生は、すべて入学試験なしで、大学へ進学することができます。しかしながら、人気の高い大学や学科に入学志望者が集中して定員をオーバーした場合、「くじ引き」という、ちょっと信じ難い?選抜方法が適用されていました。「くじ引き」に落ちた学生は、志望コースをあきらめて違う進路を選ぶか、1年見送って、改めて希望大学へ願書届けを出すという、日本では考えられない?選択を余技なくされていました。
*バカロレア(仏: baccalauréat)は、フランス教育省が発行する、中等教育レベル認証の国家資格である。1808年にナポレオン・ボナパルトによって導入され、2005年の時点では18歳に達したフランス国民の62%がバカロレアを取得している。(出典:Wikipedia)

 抗議デモの理由は・・・・?

この不正当かつ不平等なシステムを、この度政府は見直す方針を決定しました。志望学生が入学定員数をオーバーした場合、書類選考で学業成績の高い学生、また志望コースに適した学業成績者を優先して選抜するというシステムに改定するというものです。これに対して、数週間前からフランス中の大学で、学生が大学封鎖に立ち上がりました。理由は、この新しい大学入学資格の改定に抗議するものです。要するに、定員がオーバーした場合は、「定員数を増やせばよい、無選抜で志望者全員に入学許可を出すべき!」というのが学生たちの要望です。すでに、フランスの10カ所の大学で封鎖運動が繰り広げられており、その勢いは弱まるばかりか、大学教員までも学生と一緒になって抗議しているところもあり、その波はますます強まる傾向にあります。
さて、どういうことになるのやら、溜息が出るばかり・・・。

仏ついにシリアを攻撃

14日未明、ついに仏・米・英からなる連合軍が、シリアの化学兵器関連施設を爆撃しました。今週初めマクロン大統領は、アサド政権による化学兵器使用の証拠をつかんだと発表したばかりでした。

 米・英国との軍事連携

トランプ米大統領が、ツイッターでシリアへの攻撃の可能性を公表したのを受けて、当初マクロン大統領は、アサド政権の化学兵器使用の証拠をつかむために時間をおいていましたが、この度新たにその証拠をつかんだとして、米・英国との軍事的連携の下、軍事攻撃を計画中でした。そして、ついに仏時間14日午前3時、シリアの首都ダマス近郊にある化学兵器研究所と、ホムス近郊の化学兵器製造所2ケ所を爆撃しました。

 事前にロシア・イランへ通知

アサド政権による化学兵器使用は、これですでに3度目。シリアの内戦で反体制派の拠点、東ダータ地区で化学兵器による犠牲者が出たのがきっかけでしたが、今回の連合軍による攻撃は、あくまでも化学兵器使用が一般化すること、また化学兵器拡散を阻止することのみを目的としたものでした。事態が悪化しないよう、アサド政権を支援しているロシアとイランへは、マクロン大統領より直接電話で事前通知があったとのことです。

 キナ臭い世界情勢

今回の連合軍のシリア攻撃が必要悪だったとしても、他にも、ハンガリー総選挙の極右派の勝利、北朝鮮の核兵器威嚇、トルコの独裁政権、イスラエル軍のガザ地区パレスチナ人群衆への発砲等々、世界は益々キナ臭いニュースが後を絶ちません・・・。

フランスの納税革命

日本に比べて、フランスの納税制度の違う点は、源泉徴収がないということです。つまり、所得税は、各人が自分の責任の下、確定申告しなければいけません。しかし、来年2019年1月より、この制度がガラッと変わります。またしても、マクロン大統領の改革案のひとつです。

 源泉徴収制度がないフランス

毎年5月になるとフランス人納税者は、ソワソワとし始めます。何故でしょう?確定申告の季節だからです。前年度の所得税を6月末頃までに自己申告しなければなりません。ですので、この時期になると、フランス人は税務署から送られてくる黒ずくめの封筒を待ち構えています。今でこそ、ネット申告ができるようになりましたが、以前は数ページもの申告用紙とにらめっこ、複雑な所得税を計算しながら、該当する記入欄をしっかりと選び、丁寧に書き込んでいたものです。つまり、フランスでは、日本では当たり前の源泉徴収制ではない、いえ、「なかった」となるわけです。

 2018年度の所得は棚上げ?

というわけで、一般のフランス人サラリーマンにとって、来年1月の給与明細書はさぞかし興味津々の対象となるでしょう。というのも、来年1月から各人の所得税が給与から直接差し引かれているからです。これは、フランスの税制大革命ともいっても大袈裟ではありません!しかし、ここにひとつ、大きな疑問が浮かび上がります。フランスの所得税はいつも、前年度の所得額が対象でしたが、来年から直接給与から差し引かれることになるなら、どの数字を対象とするの?という疑問です。世間では、「2018年は白い年(année blanche)」となって所得税は棚上げになると喜んでいる人がいます。が、そんなに単純ではないのでは、と懸念する人もいます。私もその一人です。