ベルギー在住です。先日、パリから夫の友人が数日間泊まりに来ました。日本で誰かを迎えるときには日本流のおもてなしをするものですが、海外のそれは日本とは異なりますよね。家にはもうすぐ2歳になる息子もいますし、日本のようなおもてなしはそもそも不可能なのですが、夫のもてなし方が非常に印象的だったので、ここではそのもてなし方を紹介していきます。
基本的に「好きにしてね」
必要なものは一通り最初に案内する
海外と日本のおもてなしで1番違うところと言えば、日本はゲストに対して最大限の配慮をしますが、海外は「好きにしてね」という姿勢があることだと思います。例えば、日本であればゲストが冷蔵庫を開けるなどという事は無いですよね。しかし、こちらは「お腹がすいたら自分で冷蔵庫を開けていいから」といった感じです。
友人を駅まで迎えに行き、家に到着したら、夫は友人に家を一通り案内していました。どこにトイレがあるのか、どこにシャワーがあるのか、タオルはここにある、洗面用具等はここに置いたらいい、という説明をし、コーヒーカップ後の置き場所なども簡単に説明していました。
朝食などは一緒に食べないこともある
日本では食事を一緒にする習慣がありますが、海外だと、例えば朝ご飯は食べない、朝食と夕食しか食べない、などという人も珍しくありません。うちはどちらかというと朝食と夕食しか食べない方なのですが(息子には昼食も食べさせますよ!)、友人は朝ご飯を食べないという人でした。そのため、確かに一緒にテーブルには座るのですが、「自分はコーヒーだけでいいから」と言いながら、私たち3人分のコーヒーを用意してくれました。
日本だと、むしろゲストには食べ切れないほどの食事を用意することもあるのではないでしょうか。それはそれで素晴らしい文化だと思うのですが、「自分は朝食を食べないから」と自由に言えるということ、そしてそれを受け入れられるということ、が自然で良いなぁ、と思いました。用意する側もストレスがなく、楽ですよね。
そして、昼頃には夫が見せたトースターでパンを焼いて食べていました。自分でやってくれるゲストは迎える側にとっても負担にならず、ありがたいと感じました。
お金の支払いについて
迎える側として基本的にはこちらが準備
当然ながら、ゲストを迎えるとそれなりに出費は増えますよね。食事をする人が1人多いわけですし、水道代やガス代もかかります。しかし、それは迎える側として負担するべきものだと思います。
買い物なども事前に済ませておきました。数日といっても短期間のものですから、せっかく滞在してくれている時間にわざわざ買い物しなくて良いよう、最初から食べられないものや食べたいものなどを聞いておき、最初に買い揃えておきました。
外食等を負担してくれた
せっかく友人が訪ねてきてくれているわけですから、外食をすることもあります。その時は友人が負担してくれて助かったこともあります。
これらは「滞在させてもらっているからこれぐらいをさせて」というものだそうです。日本の場合はゲストにお金を出させるなどという事は滅多にないと思いますので、日本とは違うと感じたものです。しかし、やはり家計を握る者としてはありがたかったです。
常にもてなさなければいけないわけではない
滞在中も仕事をする
滞在期間は短いものだったのですが、友人は仕事を持参していました。日本だと滞在先で仕事をするなどという事は滅多にないですし、むしろゲストが退屈しないよう、「ここに行こう」「これをやろう」などと計画しますよね。確かに、一緒にいろいろ出かけたりもしたのですが、友人は「仕事もしたいから」ということで空いた時間を使って仕事をしていました。
せっかく友達の家に泊まりに行って仕事をするの?と思う人もいるかもしれませんが、これが自然の姿なのかもしれません。例えば、私たちも土日は仕事をせずにゆっくり休みたいと思いますよね。しかし、空いた時間にメールをチェックしたり、ニュースを読んだりと、少なからず仕事等に関連する行動をとるものです。そのため、友人は私たちの家でもまるで自分の家にいるかのようにリラックスできている、と感じました。
ちなみに、ベビーシッターまでしてくれました。ちょうど私たち夫婦が寝不足で昼間もぼーっとしていた時、「子供見てるから少し寝てくれば?」と提案してくれたのです。信頼できる友人でしたので、バラク甘えさせてもらいました。とてもありがたかったです。
夫と並んで仕事をしていたことも
私は、昼間は息子の世話で手一杯なのですが、リビングにいる2人がやけに静かだと思って覗いてみたところ、2人が並んで仕事をしていたこともありました。むしろ、なんだか可愛らしい光景でした。
友人が滞在している間は自分も仕事ができない、自分の時間も制限されてしまう、などと思う人もいるのではないでしょうか。しかし、この友人が滞在している間、私は私で息子に集中できましたし、夫も夫でやらなければいけない事はそれなりにできたようです。また、友人もやりたかった仕事を終えられたようで、それなりにプライベートな時間が保たれていました。
友人が数日泊まっていても楽!
友人をこのように数日間迎えて思った事は、とにかく楽だということでした。全てやってあげなければいけないわけではありませんし、自分なりの時間もそれなりに保たれているため、ストレスになりません。やりたい事はそれなりにできますし、お互いに気楽だと感じました。
日本のおもてなしは海外でも評価が高く、そのサービス精神は実際に世界トップクラスだと思います。しかし、そのようなサービス精神を持って友人を自宅に招きれば、疲れてしまうという人もいるのではないでしょうか。今回はそのようなことがなく、私もとても気楽でした。日本流のおもてなしではないけれど、このようにカジュアルなおもてなしも良いなと感じたものです。
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