ヨーロッパの人は視野が狭い?移民の問題や海外に対する見方について

ヨーロッパと言えば、EU圏内の国であればパスポートを持たずに移動ができる、などと良いイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。確かにヨーロッパの国籍を持つのであれば、EU圏内ならばどこでも住むことができますし、働くことができます。昔、実際にヨーロッパで生活をしてみると、このように「EU圏内であれば自由に移動ができる」ということの問題も感じます。ここでは、EUだからこその問題点を紹介したいと思います。

東ヨーロッパからの移民が多い

 特にポーランドから移民が多く入ってくる

EUであったとしても、すべての国が同じというわけではありません。国ごとに物価も違いますし、当然ながらお給料も違います。社会福祉制度も異なります。例えば、ベルギーの物価はヨーロッパの中でも高く、隣のドイツに行くとその物価の安さに驚きます。また、例えばオンラインでドイツの店舗から何かを購入しようとすれば、「これはベルギーでは取り扱いされていないから、ベルギーに郵送できない」などという問題が起こる場合もあります。

そのため、物価が安い国、社会福祉制度が整っていない国から人々が出ていくという結果が起こります。ベルギーは物価が高いですが、移民を多く受け入れている国であり、社会福祉制度(だけ)は整っているので、東ヨーロッパ、特にポーランドから移民が入り込んできます。

 水道の配管工や掃除夫/掃除婦の仕事

一般的に、もしも海外で働こうと思ったとしても、外国から内定を取るのはなかなか大変です。外国から人を雇えばビザなどを出さなければいけませんが、その国に住んでいる人であればそのような心配がなく、すぐにでも働き始めてもらうことが可能です。そのため、外国で働く事は簡単ではありません。

しかし、ヨーロッパではそのような心配がありません。EU圏内であれば簡単に出入りができるため、そのような国の移民たちはまず社会福祉制度等が整った国に引っ越し、そこから仕事を探します。そして彼らの仕事は、主に水道の配管工や掃除夫/掃除婦になります。このような仕事はどこの国でも重宝される傾向にあり、さらに東ヨーロッパなどの移民であれば安く雇うことが可能です。そしてオランダ語やフランス語が話せなくても問題ありません。

 移民たちの「あなたの職業は?」というアンケート

私はベルギーの国が主催しているオランダ語の授業に出席していますが、そこにはポーランドを中心とした東ヨーロッパの人や中東の人がたくさん集まっています。そこにも、実際に水道の配管工や掃除夫/掃除婦として仕事をしている人がたくさんいます。

そんなオランダ語の授業で、学歴や職業をアンケートが配られ、愕然としたことがあります。職業には5つほどの選択肢がありましたが、真っ先に生きていたものが水道の配管工、そして掃除夫/掃除婦でした。それ以外の選択肢は覚えていませんが、そのような選択肢がトップに来ていることに衝撃を受け、同時にショックだったことを覚えています。だって、日本ではそもそも掃除夫/掃除婦の仕事なんてメジャーじゃないですよね!?

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ヨーロッパの人にとってヨーロッパは「世界」

 「世界」をよく知るヨーロッパの人(笑)

アメリカに住んでいた時、私はアメリカの友人からは「今までどこの国に行ったことがあるのか」という質問を受けた事はありませんでしたが、一緒にいたドイツの友人は「ヨーロッパは簡単に他の国に行けるんでしょう?今までどこの国に行ったことがあるの?」とよく聞かれていました。それほどまでに、ヨーロッパと言えば「簡単に隣の国に行ける」「簡単に海外に行ける」という印象が強いのではないでしょうか。

ヨーロッパの人と話をしていると、この感覚はヨーロッパでも同様だと思います。少々批判的な見方になりますが、彼らと話をしていると、彼らにとっての世界というのはヨーロッパかな、感じることが多いです。特にベルギーと言えばEUの中心にあるため余計なのかもしれませんが、「自分たちは世界をよく知っている」という意識がやたらと強いように思います。その一方で、そのようにいう人に限って、ヨーロッパから出た事は1度もありません。

 ヨーロッパは実際に世界一だと思っている

私は学生時代まではよくアメリカに行っていましたが、結婚するまでヨーロッパに来たことが1度もありません。むしろ、専門がアメリカだったのでヨーロッパにはあまり関心がなく、むしろヨーロッパは遠いと考えていました。しかし、実際に結婚してヨーロッパで生活をしてみると、ヨーロッパは日本とも全然違いますが、アメリカとも違うということがわかりますし、中国とも全然違います。

違うという事は比較の対象にならないという事ですが、言い換えればヨーロッパにはアメリカや中国よりも劣っているところがあるということです。しかしその一方で、ヨーロッパの人はヨーロッパが世界で1番素晴らしいと思っている傾向があるように思います。だからといってその人たちがヨーロッパの外で生活をした事はありません。私はどうしても、「植民地時代に他の国を征服していった国の考え方だ!」と思ってしまいます(ヨーロッパのすべての国が他の国を植民地として征服していったわけではありませんが)。

 他の国にはあまり関心がない

自分たちの大陸こそが1番と思っているわけですから、当然ながらそのような人たちと話をしていても、他の国や他の大陸に対する興味はまず感じられません。例えば、オランダ語の授業に集まるヨーロッパ出身の人と話をしていても「先日はスペインに行った」「スペインの天気と言えば…」などとヨーロッパの話に留まり、「ヨーロッパのここが素晴らしい」などといった結論で終わります。いつも同じような話ばかりで飽きます。「あの国に行ってみたい」「あんなことをやってみたい」という将来に向けた展望ではなく、「スペインに行ってきた」「イタリアのここが素晴らしい」などのように、全てが自慢に聞こえてしまうこともあります。

例えば、このようなこともありました。こちらのショッピングカートは十数年前に日本でも導入されていたように、お金を入れなければ使うことができず、きちんと戻さなければそのお金を回収することができません。そのため、ほとんどの人がショッピングカートを元の場所に戻すのですが、それに対して「ここの国ではショッピングカートを元に戻すんだ!」と誇らしげに言われたときには「日本人はお金が絡んでいなくてもショッピングカートを元に戻すよ?」と思わざるを得ませんでした。知らないから仕方がないとも言えますが、このようなことが度重なると「ただ単にヨーロッパの外に関心がないだけだろ!」「ヨーロッパの中しか知らないからそんな比較ができるんだ!」と思わざるを得ません。

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パスポートなしで移動ができるからこその障壁

今、西ヨーロッパの多くの国々は移民の問題を抱えています。ヨーロッパ圏内の移民のみならず、難民と呼ばれている人たちが多く入り込み、最近では不法移民も多くなっていると言われているのです。

また、決して一般化することができませんが、ヨーロッパ以外に目を向けない人々と話をしていてもなんとなく同じ話ばかりでつまらないと感じることが多いです。他の国ではどうなっているんだろう、他の大陸ではどのように扱われているんだろう、という関心がないのか、自分たちの持ち物で全て満足しているような感じがします。

自分が知らない世界への関心を失わないようにしたいと思う今日この頃です。

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